『私はもともと首里城で写真屋やってたんだよ』
語りだす写真屋のおっちゃん。
『けどさ、あそこのは、着物を羽織るだけでさぁ。』
ふむふむ。
『ちゃんと着付けしないし、ちょっと羽織って、写真撮って、ハイ終わり。』
確かになぁ。
次から次へと訪れる観光客。
【接する】よりは【さばく】って感じなんだろなぁ。
『それじゃおもしろくないさぁ。
だから、独立して、このホテルに来たさぁ。』
おぉっ。
『このホテルで営業するのに、2年もかかったさぁ。』
すげっ。
三顧の礼ならぬ、二年の礼。
『ここで営業とれたらとれたで、同業者からクレームくるし。』
だよなぁ。
低価格でいいサービスされたらなぁ。
『でも、俺は負けなかったさぁ。』
そう言って、
いきなりまさかの三線教室が始まる。
続く。