再掲 「いつ夕」解説 42

三日目 Ⅸ

 

 

ここで、我が Kool の由来が語られます。

 

 これは本編に書いてある通りですね。

 

 平成二年、俺が二十二歳の時、銀座のクールの古川さんにお会いして、

 

 感銘を受けました。

 

 古川さんを「心の師匠」と仰がせて戴き、

 

 将来、自らのBARには、〝Kool〟と名付けることを決めました。

 

 後に、KOOL の意味が、

 

 「Keep Only One Love」の頭文字を取った、

 

 と、知った時には、自らの名「一好」との繋がりに感動、感謝しました。

 

 古川さんのことが綴られた「銀座名バーテンダー物語」を

 

 読んでくだされば、古川さんのことを知ることができるでしょう。

 

 また、俺が何故、古川さんにお会いしたくなったのかも、

 

理解して戴けるかと思います。

 

 

 

 

 「一途な愛」 と、ゆーのは、

 

 これは、俺の解釈ですが、

 

 一神教的な、排他的な愛ではなく、

 

 一つのことを愛する、愛し続ける者は、

 

そこから、他者の愛すること、ものを尊重できる。

 

 また、一からはじまり、二、三……、と愛することを増やしてゆける、

 

 愛を広げてゆける。

 


 Kool のロゴ、真ん中の、O と O が、くっついて、 になっていますが、

 

 一は無限へのはじまり、数のはじまりである、と。

 

 確かに、俺は、三王一好は唯一無二の存在なのですが、

 

 愛は、愛し続けることは、無限に広げられますね。

 

 「いつ夕」で云えば、ヨシ君はヨシ君で唯一無二の存在、

 

 友子は友子で唯一無二。

 

 屁理屈と思われるかもしれませんが、

 

 唯一つしか愛さない、ではなく、

 

 唯一のものを唯一のものとして愛す。

 

 無限、というのは、大袈裟かもしれませんが、

 

 数々の唯一のものを、それぞれに愛すことはできるのではないでしょうか。

 

 

 では、愛のはじまり、一の愛とは何でしょう。

 

 俺は、それを、自己愛だと思っています。

 

 自らが自らを愛していることに気づければ、認識できれば、肯定できれば、

 

 他者もまた、自らを愛していることに気づける。

 

 俺はカクテルが好きなのですが、

 

 俺がカクテルを好きなように、(全く同じではないでしょうが)

 

 他者は珈琲が好きだったり、日本酒が好きであったり、

 

 釣り、ゴルフ、音楽、映画、ゲーム……、と、それぞれの人が、

 

 それぞれに好きなもの、ことがある。それを尊重してゆこうじゃあないか、と。

 

 それは、思想、宗教、主義主張に於いても変わらないでしょう。

 

 愛も愛着くらいなら可愛いものでしょうが、凝り固まり過ぎて執着になると、

 

 ハタ迷惑になりかねません。

 

 その執着は、幻想 (自分勝手な思い込み) であることを知っておくことも

 

 大切かと思います。

 

 大抵、他者を否定、他者へ攻撃的、排他的になる者ほど、

 

 自信が持てない者なのではないでしょうか。

 

 自己愛の認識、整理がついていない者なのではないでしょうか。

 

 自己愛は自分独りで持てるものではありません。

 

 他者(特に親)に認められる、愛されることが原点かと思われます。

 

 前回の解説にも繋がりますが、ある程度の自己確立ができるまでは、

 

 親、若しくは、信頼できる他者から自己を支えられる必要がある。

 

 初めて立つ時に、親や柱、壁に摑まり立ちするように、

 

 初めて自転車に乗る時、補助輪とか、他者に支えてもらうと、

 

 立ちやすい、乗りやすい、ってな感じですかね。

 

 そう思えば、

 

 親子関係、成長過程での他者との関係が

 

大切だということになるかと思います。

 

 それをないがしろにすると、

 

自己愛の整理がつかず、自己確立もできない人が育ち、

 

 ハタ迷惑な人が増えてしまう。それでは困りますね。

 

 ですから、それらを大切にして、整えてゆく社会が、

 

 「いつ夕」に描かれている、掲げられている社会なのです。

 

 結婚後の生活、子育ての環境、家庭を持つこと、家族との暮らしが、

 

 安定し豊かなものとなれば、自ずと結婚する人は増え、子供も増えるでしょう。

 

 「婚活」などをする必要もなくなるでしょう。

 

 (婚活に税金を遣うより、現在、育児中の家庭の為に税金を投入し、

 

しっかりと支援して戴きたい)

 

 俺は〝小国寡民〟で、少子化は大歓迎なのですが、

 

 「いつ夕」の社会が実現して、

 

 人々の暮らしが豊かになれば人口は増えてゆくことでしょう。

 

 その時どうするのか?

 

 俺は〝海外雄飛〟を勧めますね。「世界日本化計画」です。

 

 〝和〟の思想を世界に広めて戴きたい。

 

〝和の思想〟は平和向きの思想です。

 

 「世界中が日本人のような考え方なら平和なのになあ」

 

 と、思ったことってありませんか。

 

 まあ、これは、まだ先の話。

 

まずは、現在を安定した豊かな社会にすることですね。

 

 その為にも「いつ夕」が広く読まれることを望む次第です。(*^_^*)

 


 

 

日日好日

 

 

 

Kool については、下掲の記事も御参照ください。↓

 

 

 

 

 

 

 

煙草のKOOL、今年で90周年だそうです。

 

おめでとうございます!

 

と、ゆーことは、1933年に誕生したんですねー。

 

古川さんは1916年生まれですから、17歳の年。

 

1929年に開店された銀座のBAR、

 

「サン・スーシー」で働かれていた頃ですね。

 

さあ、いつ頃、KOOLと出会ったのでしょうか。

 

古川さんとKOOLの出会いから、「クール」という店名が決まり、

 

古川さんと俺の出会いから、俺のKool の名が決まりましたから、

 

出会いに感謝、古川さんに感謝、

 

そして、KOOLに感謝です。

 

ありがとうございます。

 

Keep Only One Love

 

☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 暁をまちながら