愛がなんだ | 絵画的世界の窓

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空白を埋める。
言葉と言葉との間、文脈と文脈との間で完結されていたと思われていたような隙間に改めて言葉や意味を与えることでふくらむ世界観に裏打ちされた映画を観たかな。


今泉力哉監督「愛がなんだ」。

人間関係はわかんない、な。実に。 


で、王様と家来とのエピソードが突然入って来て裸の王様問題を語りはじめると、裸の王様を裸の王様たらしめているのは選挙に行かない国民の責任の視点が浮上する訳で、暴君を支えているのは、実はいつまでも言いなりになっている愛の形が問われることになり、そこで一つの結論を出さざるを得なくなる。そしてその結論が新たな愛の形を人間関係のなかに産み出していく。

ということで極めて個人的な恋愛関係が支配被支配の社会的関係と重なって見えてきてハッとさせられたりする。


モヤモヤっとしていたところに言葉を当てはめていくことで多様な人間関係が産み出されていくんだな、教えられた。