丹作造氏から先日ハガキが届きました。
上の写真のように必ずいつも何か描いて、簡単に近況を知らせてくれます。
女性の身体は身二つ分かれて上下反転しながら表情はどちらかと言えば静かで、じっと今後起こりうべき何かを見つめているような期待と不安に彩られている。
氏が引っ越しして早くも4ヶ月が過ぎました。
引っ越し先は兵庫県南西部、岡山県との県境近くの山間部。また遠いとこに越したもんです。
田舎暮らし専門の情報誌で売り出し中の一軒家を見つけて、一発で決めたそうです。よほど気に入ったんですね。そのロケーションといい、家の間取りといい。その土地の気候風土といい。
買い求めた物件は母屋と離れがあり、部屋は全部で6部屋ということですが、母屋を丹作造ミュージアムに当てて、すでに2部屋は作品の展示レイアウトを終えたと言ってました。
お隣は農家でお米を作っていて、畑の野菜も分けてもらえるらしく食べるには困らないどころか、取り立ての新鮮野菜の味は、東京で食べていたものがまがい物にさえ思えるほど味の落差に驚いていました。
町までは片道7キロ。唯一の移動手段である自転車に乗って約1時間、ショッピングセンターで大体の日常品は
手に入るらしいが、ふと思ったのが丹作造氏にとってはなくてはならないあの分厚いスクラップブックのこと!
丹作造の分身とも言えるあの森羅万象世の奇怪を網羅したスクラップブック。その作成にあたり、古今東西古雑誌の収集をどう確保するのだろうか?
少々心配になるではないか。
古本屋さんが地方で生き残るのは至難の業にちがいなく、このご時世、田舎町に丹作造の食指を揺るがす魅力的な古本屋さんが健在とはとても思えない。ネットで取り寄せるという選択肢は丹作造氏にはあり得ないから、ちょっと気がかりではある。
まあ、考えるとキリはないが、とにかく周りの人達がみなさん親切で良くしてくれるというから、こんな素晴らしいこともない。知らぬ土地に移り住んで何が幸せかと言えば善き隣人に恵まれること以上の嬉びが他にあろうか!
もちろん丹作造氏の人柄が呼ぶ功徳にちがいないが。