タイトルからして今どきなので興味を惹かれた。
スペインの新人監督アレハンドロ・ロハスの映画「入国審査」。
あっという間に引き込まれて魅せる。各国で話題になったというのが頷ける。
スペインからアメリカに移住を計画したカップルだが、入国審査でまさかの足止め。隔離と執拗な尋問に拘束されて絶望の淵に落とされる。なんとも先が見えない不安の連続が二人を襲う。
産まれ故郷を離れ、他国で生きねばならない身の上は過酷だろう。我が身に引き寄せて考えてみれば容易に想像はつく。大きな会社に身を置いていたり、或いはしっかりとした後ろ盾でもあるならまた別だろうけど、個人や家族単位で、たいした身寄りもないまま見知らぬ土地で人生をやり直す文字通り一からの出直しはなら、それこそ命懸けにほかあるまいに。必死だよ。なり振りなんてかまっていられない。
だから映画の中の男の気持ちや行動も、まあ、わからないではない。映画に説得力はある。
実際生きていくのは大変だよ。
産まれた国で生きていくのだってしんどいんだから、異国なら尚更。見につまされる内容だ。自分がその立場だったらどうだろう。或いは逆に、そうした人の隣人だったら、自分は彼らにどう振る舞うだろう? 今後人口減少が加速度的にますます進むなか、嫌でも考えさせられる喫緊の課題に違いない。


