今日は「小学生が冬休みに“やるべきこと”」について、大人目線ではなく【発達の視点】から整理してみます。
といっても、「ドリル◯ページ」「漢字◯個」みたいな話ではありません。
冬休みは、
1)体と生活リズム
2)学び(勉強)
3)心と人間関係
この3つを「ちょっと整え直す期間」として使える時間です。
■ 体と生活リズムを「崩しすぎない」
発達特性のある子は、「生活リズムの変化」に弱い子が多いです。
・夜更かしが続く
・朝起きる時間がバラバラ
・ご飯やお風呂の時間もその日次第
こうなると、3学期に入ったときに一気にしんどくなります。
冬休みに“やるべきこと”としておすすめなのは、
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起きる時間と寝る時間を「学校より±1時間以内」におさめる
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朝ごはん・お風呂・就寝だけは、だいたい同じ時間にそろえる
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一日1回は外に出て、日光を浴びて体を動かす(雪かき・買い物散歩でもOK)
この3つだけでも、3学期のスタートがだいぶ楽になります。
「何時までゲームしてもいいか」より先に、「いつ寝ていつ起きるか」を一緒に決めておくイメージです。
■ 勉強は「前に進む」より「抜けを埋める」
冬休みはどうしても「ドリルを進めなきゃ」「苦手を全部つぶさなきゃ」と思いがちですが、発達グレーの子にはオーバーワークになりやすいです。
発達の視点で言うと、冬休みの勉強は
1学期・2学期の「抜け」を少し埋める
「やればできた」経験を1〜2個でも増やす
この2つだけで十分です。
具体的には、
計算ドリル:毎日1ページだけ(時間にして10分以内)
音読:教科書の好きな話を1つ決めて、毎日読む
漢字:新しいものより「前に習ったけど怪しいもの」を親子で選ぶ
「冬休みの特訓」ではなく、「3学期の授業がちょっと楽になるように、足場を作り直す」イメージです。
やる時間も、「午前中に10〜15分だけ」など、とにかく小さく区切ってOKです。
■心と人間関係の“傷”をそのままにしない
発達特性のある子は、2学期の間に
友だちとのトラブル
授業中の失敗体験
先生との相性の悪さ
など、いろいろな「小さな傷」をため込んでいます。
これを言語化しないまま3学期に突入すると、登校しぶりやお腹の痛みとして出てくることもあります。
難しいことをする必要はなく、
「2学期でいちばん楽しかったこと、ひとつ教えて」
「いちばんイヤだったこと、言える範囲で教えて」
この2つを、年末までに一度だけ聞いてみてください。
話せたらラッキー、話せなかったら「いつでも話せるからね」とだけ伝えれば十分です。
もし話してくれたら、
・否定も説教もせず、「そう感じたんだね」と一度受け止める
・「3学期は、ここだけちょっと楽になるといいね」と、“1か所だけ”一緒に願いを言葉にする
ここまでできれば十分です。
全部完璧にやる必要はありません。
3つのうち、どれか1つでも「ちょっと意識してみる」だけで、3学期のスタートのしんどさは変わります。
「冬休みだからこそできること」を、大人が少しだけ方向づけしてあげる。
その伴走があるだけで、発達特性のある子どもたちは、ぐっと動きやすくなります。






