お正月が明け、転居を前に、少しずつ物を持ち込み始めました。
その一つが、居間から洗面所やトイレへの動線の入口に、
竹暖簾を掛けたことです。
これは伝統構法で家を建てることになってから妻と古民家巡りをするようになって、
立ち寄った古民家カフェ※のトイレへの動線の入口に掛けてあったのが気に入っていたものです。
(※caféことだま@奈良・明日香村)
普通なら戸などを入れるところでしょうけど、
居間との温度差を連続させることや、南北の風の通り道にするために、
建具を入れなかったのです・・・建具代の節減も大きい!
初めは暖簾として吊ろうと思っていたのですが、
洗濯物などを抱えての出入りには邪魔になりそうなので開閉式にできないかと妻が言うので、
木製のカーテンレールに吊って引戸のように開閉できるようにしてみました。
この竹暖簾、東南アジア製かお世辞にも精度が高いとは言えません。
上の横棒の塗装もペンキべたべたムラムラです。
そこで、竹製の敷居スベリを建具屋さんから少しいただいて、貼ってみました。
その下、仮に置いたTVボードに置いてあるのは、妻が懇意にしていただいてい林康夫先生の陶芸作品。
林康夫といえば、戦後すぐに四耕会を結成、前衛陶芸を日本で最初に始め、
90歳を過ぎてますます意気盛んな、世界的に有名な陶芸作家。
こんなところより、美術館にあるべき作品じゃないの?!
それと、その横に置いてあるのは、
今は亡き父の家の押入れから出てきた、50年近く前のザ・昭和のガスストーブ。
大阪ガスが1975(昭和50)年に現行の天然ガスに転換したときの注意書きシールが貼ってあります。
エアコンで室内全体が温かいのですが、外から帰宅したときや、局所的に直に暖まりたいときは、
断然エアコンより直火ストーブ。小さくても輻射熱は直接体が暖まる補助暖房器具です。
それから持ち込んだのが、ダイニングテーブルと座敷机。
ダイニングテーブルは伝統構法で家を建てることになった2年半ほど前に、
刳物漆職人の卵の息子が岐阜の原木市で仕入れてきた栗の無垢板を、
私たちが新婚当初に通販生活で買った机の脚と組み合わせたものです。
栗の無垢板は息子が手鉋で仕上げ、通販生活の机のパイン集成材の脚は
コテコテのウレタン塗装を私がサンダーで全部剥がしたものです。
本当は本格的に仕口で木組みをすればいいのですが、素人細工ですし、これも思い出の品です。
座敷机の方は、恐らく私の母の嫁入り道具だったように思います。
なので、もう六十年もの・・・高度経済成長期に入ろうという頃のものです。
まだ貧しい時代だったので、いい物かどうかは分かりません。
でも集成材の無かった時代のものですから、無垢の一枚板です・・・欅かな?
全体をこげ茶色に塗装してあり、傷だらけシミだらけだったのを、
サンダーをかけて地肌を出してみると、クッキリと赤身と白太が出てきました。
ダイニングテーブルの下の木の箱は、
間伐ボランティア活動をしている友だちが主催するワークショップで自作した、
京都・南丹市の間伐檜製のカホン・・・くり抜き穴は、もちろんStar Trek宇宙艦隊のマーク!
新年を迎えるにあたって持ち込んだのは、仏壇。
新居の仏壇の前で、息子夫婦も孫も迎えてお年始。
1/11(成人の日)、お寺さんをお迎えして、竣工と遷仏の法要。
浄土真宗では仏壇は阿弥陀仏の声を聞く場ですから、魂を抜いたり入れたりしません。
一昨年(2019年)6月の仏式の起工式もそうでしたが、
ここに至った経緯の何一つ欠けてもこの佳き日を迎えることはなかった・・・
さまざまなご縁に感謝の法要です。
そして今日、光ケーブルの接続工事。
引込ポールから地中を通して引込みます。
床下に潜って(技師さんが這いつくばっています!)、
地中のケーブルをこの上の書斎に引っ張り・・・
室内のルーターにつなぎます。
これで、インターネットも電話もテレビもつながりました。
大阪も1/14から新型コロナ緊急事態宣言。
設計したときには思いもよらなかったテレワーク。
奇しくもピッタリな書斎になりました。
さあ、週末はいよいよ本格的に引越しです!