プログレッシブとは「前衛的な」「先進的な」と言う意味で、この意味をそのまま「プログレッシブ・ロック」に当てはめれば「前衛的なロック・ミュージック」と言うことになります。

プログレッシブ・ロックという言葉が使われるようになったのは1970年頃なので、それ以前のロックや同時代のハード・ロック等と区別するために付けられたジャンル名と言っていいでしょう。

その特徴として、まず一曲の演奏時間が長いこと。
当時のロック・ミュージックの殆どが2~3分ほどの演奏時間であったのに対して、10分近く或いはそれを越す長さの曲が多く、これは可笑しな話ですが、曲調は以前からの音楽であるのに演奏時間が長いために「プログレッシブ」のレッテルを貼られたバンドもあったそうです。

そんなことから、一言にプログレ・ファン(プログレッシブ・ロックのファン)といっても、バンドによってかなり好みが分かれるようですが、大まかな傾向としては変拍子を多用するなど基本的なロックのビート(4ビート)や展開に囚われず、またジャズやラテン、クラシックの音楽に見られるような要素を取り入れる等のジャンルを超えた曲作りやバンド構成が特徴です。
初期のイエスにはそういった特徴が表れている曲が多く、このSound Chaserも様々な展開が楽しめます。



また大変メッセージ性の強い曲が多いのも、このジャンルの特徴と言えます。
代表的なグループにピンク・フロイドやキング・クリムゾンがありますが、時代の推移とともにその捉えられ方も変ってきているように思います。
その中でもピンク・フロイドには今なお多くのファンがいて、また新たなファン層を広げていっているのは、メッセージの普遍性と曲の美しさがあるからではないでしょうか。





最近と言っても、聴いたのが最近と言うだけで結構前のものもありますが、幾つか紹介したいと思います。

ルーサー・ヴァンドロス、数年前に亡くなられてしまったそうで残念ですが、R&Bの歌手の中でもこのおじさんの優しい、そして垢抜けしない歌声は好きでした。



アンドレア・ボチェッリ、色々な意味で特異な経緯の持ち主であるテナー、アンドレア。
彼の歌声も大好きです。



最後は、これはホントにごく最近デビューした歌手、アメリカン・アイドルと言う番組で一躍有名になった若干17歳のデヴィッド・アーチュレッタ。
こちらもなかなか良いですよ。

台風18号が過ぎ去ったあとの東京。

雲ひとつない青空に太陽の光がまぶしい。
道には風に飛ばされた小枝や葉っぱが散乱している。

近くのレストランで遅い昼食を取りながら外を眺めていて、ふと「この感覚は、以前どこかで味わったことがある」と思った。
大きな物が過ぎ去った後の空白の時間の中にいるような、ポカンとした感覚。

ぼんやりした頭で「何だろう?」と思っているうちに、7年前、母が亡くなった日のことを思い出した。

母は約一年間体を患った後に亡くなった。
病院への見舞いや自宅での看病、それまで当たり前であった生活がガラッと変った。
後に家内が「あの時のあなたの後姿は今でも忘れられない」と言っていた。
私自身、全てのことに心血を注いだ感があった。

所用で東北へ向かう新幹線の中、父から「もう、いけないかも知れない」との電話があり、急遽帰りの電車に乗り換えた。
焦る気持ちとは裏腹に時間ばかりが過ぎる。
福島を過ぎた辺りだろうか、車窓に一面の菜の花畑が広がった。
「2月のこの時期に?」と目を疑ったが確かに菜の花畑だった。
その瞬間、母が亡くなったことを悟った。
菜の花は母の大好きな花だった。
電車の中、私は人目をはばからず泣いた。

横浜からタクシーに乗り実家の近くで車を降りると春の陽気のような穏やかな日差しと風が、緊迫した状況とは思えないほど心に安らぎを与えてくれた。
実家に戻ると母の顔には白い布がかけられていた。
父が最期まで手を握り看取ったそうだ。
部屋の空気はすうっと澄んでいた。

今、嵐の過ぎ去った後の光景をこのレストランで眺めながら、当時と同じ感覚に出会うのも不思議なものだ。
人の生と死に向き合った一年間は嵐のようなものだったのかも知れない。

一生をどう過ごすか、そしてどう死を迎えるかは人それぞれなのだろう。
そして、それをどのように受け止めるかも・・・

ただ、私の中の感覚として、人生という嵐を生き切った後にあるものは、この窓から見える光景に似たような世界がそこにはある、そう思うのです。