うつ病の症状がだんだん寛解してきて、
心の重荷が軽くなってきて、
教会に通うのにも足取りが軽やかになってきた頃、
時々牧師館で司祭との語らいの時を持った。
司祭自身、過去にうつ病にかかったこともあり、
もめんとの話をよく聞いてくれていた。
司祭夫人がお茶を持って来てくれ、
「洗礼受けましょ!」と軽やかに言う。
司祭もニコニコしている。
「正直憧れています。20代の時初めて聖書に触れた時から、ずっと地下的に誰にも言わずに憧れ続けてきましたよ。
でも、実家が仏教で、嫁ぎ先は神道です。正直いうと、家の法事もちゃんと出たいんです。」
「お出になったらいいでしょう。」
「いいんですか?」
「うちの信徒は、奥様だけ、もしくはご主人だけクリスチャンという方もいますし、お亡くなりになってから仏式のお墓に入る方もおられます。」
「へぇ!」
「現実的に考えますと、お身内の法事に、一切参列するなという考え方は、難しいですし、そこでいさかいが生まれたら何にもならないと思いますよ。
またどのような形態のお墓に骨が納められようとも、
クリスチャンの魂が向かうところは真っ直ぐひとつなんですから、心配することはありません。」
よし。
それで意を決して、オット母、もめ母、オットの順に話を切り出すことにした。
「あのぅ、私…、クリスチャンになりたいと、ほぼ決めているんですが…。」
オット母「…いいんじゃないかしら。」
義妹「なんでクリスチャンになりたいの?」
もめ「私さぁ、実は昔から好きなんだ、イエスさまが!」
義妹「じゃあ信仰極めて女性の牧師さんになったら!」
なんだ、このアッサリ感。
次にもめ母、
「何でわざわざ洗礼受けなきゃならないの?心で信じてるだけじゃダメなの?」
もめ「やはり洗礼を受けたい。」
もめ母「じゃ、どうぞ。」
もめ父にしても「ほほう!なるほど。」
で終わり。
最後に厄介なのがオットだが外堀を埋めたから、まぁ大丈夫だろう。
もめ「みんなから反対されなかった。」
オット「反対されたら、断念すんの?」
もめ「…いや…、しない。何年かけてもわかってもらう。」
オット「信教の自由が保証されてる限り、反対する理由もない。」
おっしゃあ!
こんなワケでクリスチャンになっていった次第である。