中国の不動産の動向-2024年5月
1か月前も、中国の不動産の動向の記事を書いたのですが、今月もまた書きたいと思います。
最近、大手の不動産開発企業が相次いでデフォルトになっているようですが(万科など)、不動産が儲からなくなっているのは、確かのようです。
ただそれで一般庶民にまで危機が起こっているわけではありません。
以前も、一度載せたことがあるのですが、自作で作った不動産価格のイメージグラフを載せておきます。前回2023年までだったのですが、今回2024年を追加しました。
不動産の価格は、およそこんな感じで、2000年比で、どこの都市でも約6倍ぐらいになり、現在そこから平均で25%下がったような状態です。タイムラグがあるため、現在天井の都市もあるでしょう。
分かりやすく1戸100万元だったと仮定します。2020年頃天井になり、その時600万元になりました。そこから25%の下落、計算すると450万元になります。
2000年から持っていた人は、100万元→450万元
2020年に買った人は、600万元→450万元
これが、中国の平均的な話です。
2014年ー19年頃、日本に大量の中国人が来て、買い物していたのはこのせいです。
ローンを組んだ人は、2000年に100万元で買った人は実際は150万元払っていた。2020年に買った人は、実際は1000万元払っていたとか、そういう細かい話はあります。
7カ月前と比較してみます
本当は1年前と比較するのが良いのですが、データがないので7カ月前と比較します。
下を見ると、この1年で20%ぐらい下がっている都市というのは、南京市、厦門市、蘇州とか2線都市が多いようです。なので、その辺の知人が多い人は、不動産が下がって大変だというかもしれません。都市によって、上げ下げのタイムラグがあります。
このデータは、不動産が高い順になるので下位が書いてありません。
例えば北方の都市ほど、例えば瀋陽市、哈爾濱市、呼和浩特市みたいな所はびっくりするほど下がっているかもしれません(分かりませんが)
データを見て、上海市や深圳市は、そこまで下がっていないようです。
結局のところ、現地では、特にリーマンショックみたいなことにはなっておらず、年に10%ぐらい下がっているかもしれませんが、全く売れないみたいなこともないようです。
ただ不動産は、今後1.5倍とかにならないと思うので、その分消費が弱くなっているというのはあります。
また現在2億円の中国の不動産を売り、1億円の東京の不動産を買うということを、仮に1万人の中国人がしたら、東京のマンションは全部売り切れになってしまいます。(上海、深圳、北京などにはたぶん1億人ぐらいの人口がいるのですが。