チャイナドレス業者がいなくなった理由 | 現在中国雑貨店長の運営ブログ

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コロナ禍も終わり、最近は余暇として月最大4着ぐらい限定で、オーダーメイドを受け付けております。

チャイナドレス業者がいなくなった理由

 先日日本の友達に会って、「どうしてチャイナドレスを止めたの?」と聞かれ答えました。
一般の人には分からないと思いますので、この点説明したいと思います。
 
 まず中国内と海外の話は、少々事情が違うと思います。そこで先に中国内の事情を書きます。

中国内の話

 
 50%の理由は、コストが3.5倍ぐらいになったからです。例えば、このチャイナドレスを作るのにかかるコストは
  • 生地代 2000年:105元→2024年:330元
  • 仕立て代 2000年:110元→2024年:400元
  • 月の部屋代 2000年:500元→2024年:1800元
  他にも税金や、細かい材料費、運賃、間接的人件費などがありますが、コストはおよそ3.5倍ぐらいになっております。
  そしてコストが3.5倍になったので、商品価格は、例えば1万円だったものは2万5千円にしなければなりません。
 
 その際、以前は月80着売れていたものが、高くなったので20着しか売れなくなるのです。
 
 そして、以前80着作っていた際には、社員が8人(80着ならたぶん8人ぐらい必要)だったのですが、売れないので2人しか必要がなくなるのです。
 
 社員が2人しかいないため、年に1,2回大量に注文が入る時期も物が作れないのです。繁盛期には月に200万円ぐらい稼いで年間の大半を稼いだかもしれません。ただ人がいないので作れなくなるのです。そうすると経営しても儲かる時期が全くなくなります。
 
 たいていの人は子供などがいるため、それではダメだと思い不動産業とか健康食品とか、他のことを始めるのです。
そして副業である程度稼げるようになると、チャイナドレスはやらなくていいやとなるのです。
 
 他の50%の理由は、職人が高齢化していて、10年後はできないだろうと思っていること。
 タオバオなどの、格安商品に押されて、売れなくなっていることなどです。
 

日本の理由

 現地のコストが3.5倍ぐらいになっている話は書きましたが、円安のため、3.5×1.5=5.25倍になってしまっております。(当店は東京オリンピックの数か月前に辞めたので円安と関係ないのですが)
 
 他に日本国内の事情として、水商売などしている若者の人口が少数になってしまい、そもそもマーケットがほとんどないというのもあります。ただそれは中国国内では関係ないはずです。
 
 ただし私が見た所、日本の人口の10分の1が中国人です。なので、一応掘り起こせば需要自体はあると思うのですが。23区を歩いていると、中国語ばかり聞こえます。