中国の少子化事情-不動産の面から考察 | 現在中国雑貨店長の運営ブログ

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中国の少子化事情-不動産の面から考察

 日本の少子高齢化のニュースは、もう25年ぐらい毎日聞きますが(30年前ぐらいは子供が多かった)、去年、日本と中国の出生率が逆転したとかで、中国でも少子化が起こっていることが話題になっています。
 
 ここでは、日本の少子化には触れず、中国の少子化だけ考察したいと思います。
 
 
 その原因の1つに、不動産が高いから結婚できないと解説している人が多いのですが「不動産が高いから結婚できないということはどういうことだ?」ということを解説したいと思います。
 
 ただし不動産が高いから少子化と、単純な話でもないみたいなので、そこも日を改めて解説したいと思います。
 
 あと最近なぜか日本のニュースで、中国では不動産危機が起こっていると聞くのですが、それは開発デベロッパーのレベルでは起こっているのかもしれませんが、少なくても長江デルタ地区(上海を中心とした経済圏)では、不動産が安くなっているという話は、聞いたことがありません。普通に都心部で2億円、地方都市で5千万円はします。北方では下がっているのかもしれませんが。
 売りに出して半年売れなかったというような話は聞きますが、例え半年かかっても売れればいいと思います。
 

家を買う=戸籍ができる

 中国では結婚する際に、家を買ってから結婚するという流れになると聞いたことがあると思いますが、これは戸籍を取るためと理解していただければよいと思います。
 中国では、日本のように借りた物件では住所になりません。それなので、家族で最低一軒は家をもつ必要があります。
 
住所がなくて起こる不都合なこと
  1. 健康保険に登録できない
  2. 年金を納付する際も、どこに納付するか分からなくなる
  3. 子供が三歳になれば、学校に行けるのですが、住所がなければ全部私立に行かせなければならない
 他にも、たくさん不都合はあるのだと思いますが、病院や学校の問題は、すぐ起こってしまいます。
 
 中国人は結婚する前に、相手に家があるかどうか確認をするというのは常識なのですが、これは恐らく欲が深いということではなく、戸籍がないと保険が効かなかったり、子供が学校に行けなかったりするからでしょう。
 

1番の健康保険の問題なのですが

 健康保険ですが、日本では東京の人が沖縄の病院にも行っても保険が効きますが、中国の場合、他の都市の人が、他の都市の病院に行くと高くなってしまうそうなのです。
 3年ぐらい前に、これは数年後に解決すると聞いたのですが、現在どうなっているかはよく分かりません。
 
 あともう1つ、日本人では想像できない問題があります。例えば、合肥の戸籍の人だとします。ところがその都市では、脳外科がなかったりするのです。くも膜下出血に対応できなかったりするのです。
 それで他の都市の病院に行く場合があります。それがすごく高いそうなのです。例えば日本円にして500万円ぐらいかかることが多いそうなのです。
 よく分かりませんが、大都市の病院というのは、手術代が非常に高いのかもしれません。

2番の年金の問題

 日本ではどこに住んでいても、年金の受給額は大して変わらないと思います。受給額は、何歳からもらえるかとか、厚生年金だったら現役時代の給料で決まります。
 中国は、省ごとなのか都市ごとなのか分かりませんが、全く違うみたいなのです。
 
 私が住んでいる浙江省は、年金は非常に高いです。たぶん日本の平均よりも年金支給額は高いです。昔の工場の安月給労働者は10万円ぐらいで、公務員など17万円ぐらいもらっている人もゴロゴロいます。ところが安い省もたくさんあるそうなのです。
 

3番の学校の問題

 例えば、蘇州の人が、上海に転勤し、借りたアパートで子育てし、子供を学校に行かせられないか?
 これは基本的に、私立に行けばいいのですが、現地の人はあまりやらないみたいです。外国人の私には分からないのですが、そういう私立の学校は、治安が悪いそうなのです。なので、中国では転勤というのがほぼありません。
 
 中国では、家の住所で学区が決まります。
 8年ぐらい前から、中国では学区房という言葉が流行りだしました。これはいい小学校の学区の家が高くなるという現象です。
周辺の家と比べ、3-4割ぐらい値段が高いそうです。
 子供が4歳ぐらいになると、現在の家を売りに出し、学区房を買うそうです。私の周辺でも3人に1人ぐらいがそういうことをしています。学区房の価格は、うちの市では6千万円ぐらいです。
 
 また大学入試に関しても、同じ市の大学は入りやすいそうです。もし東京のイメージで言えば、東大に入るのに、東京学芸大のレベルで入れてしまいます。他の市出身者と比べ、楽に入れるそうです。
 
 私は以前南京の比較的有名な大学にいたことがあったのですが「北京市出身の人が南京の大学にいるというのは、たぶん彼女の学力はあまりよくなかったんだ」と、他の人が言っていました。各大学には、○○省から何人取るという、謎のルールがあるそうなのです。
 
 北京や上海出身者は、大学に入りやすいです。
 一方例えば浙江省は、入試激戦区だそうです。それは、いい大学が1つしかないからです。北京、上海、南京、天津あたりはいい大学が10以上あります。そういうところの不動産は、人気になります。