[ 国立公園鉄道の探索]
秩父多摩甲斐国立公園の入口 青梅線
現在の秩父多摩甲斐国立公園 (当時の名称は秩父多摩国立公園)は、1950(昭和25)年7月10日に誕生しました。
その指定区域は東京都内にも及び、首都圏にもっとも近い山岳国立公園として親しまれています。
1949(昭和24)年から1950(昭和25)年にかけて、全国で次々に新しい国立公園が誕生していきました。
この時代に成立した国立公園は、風景保全の目的とともに国民の休養地、保養地、リクレーションの場として位置付けられることも多くなりました。
秩父多摩甲斐国立公園も、首都圏中核地に近い国立公園として、そのような役目が期待されてきました。
その秩父多摩甲斐国立公園内を走る唯一の通常の鉄道(普通鉄道)が青梅線(立川~奥多摩 37.2km)です。
青梅線は奥多摩駅へ向かって、東青梅駅を発つと単線となり段々山岳鉄道の様相を呈してきます。
そして、二俣尾駅と軍畑駅の間にある平溝川に架かる橋梁を越えると秩父多摩甲斐国立公園の指定区域内に入ります。
秩父多摩甲斐国立公園の入口を走る青梅線の鉄路は、立川で中央線に乗り入れることにより首都東京の中心部へと通じています。
二俣尾駅(立川起点 23.6km)を発つと、やがて多摩川の支流・平溝川を渡り秩父多摩甲斐国立公園内に入ります。
平溝川に架かる、青梅線奥沢橋梁から南側を眺めています。ここから見える山々も国立公園指定区域内になります。
御嶽駅(立川起点 27.2km)に到着しました。秩父多摩甲斐国立公園、東部地区の代表的な名勝・御岳山への入口です。
青梅線・青梅~奥多摩間を走る電車は通常4両編成で運行されています。
ただ、休日に運行される「ホリデー快速おくたま」号は6両編成ですから、それに備えてホームが一部増築されています。
「ホリデー快速おくたま」が、青梅駅~奥多摩駅間で停車する駅は、この御嶽駅だけです。
そのホームの端付近からは、「下本出」という標識が付いた信号の上側に御岳山が望まれます。
幹線を颯爽と走るイメージが強いE233系電車も、ここではローカル色豊かな風景の中、控えめに進んで行きます。
御嶽駅からバスに乗り換え、御岳山の方へと進んでいきます。
青梅線の線路は、全線多摩川の左岸に敷かれていますので一度も多摩川を渡ることはありませんが、バスで御岳山に向かう時は早速この多摩川を渡ることになります。
森林美とともに、渓谷美が秩父多摩甲斐国立公園を特徴づけていますが、早速その断片を眺めることが出来ました。
バスを降りて山道を登っていくと、もう一つの鉄路が見えました。
秩父多摩甲斐国立公園内には、ここ御岳山で「普通鉄道」の青梅線と、もう一つ鉄道(鋼索鉄道)が走っています。
青梅線と、この鋼索鉄道(ケーブルカー)により、御岳山は秩父多摩甲斐国立公園内の中で格別アクセスのよい名所となっています。