御岳登山鉄道 | 国立公園鉄道の探索 ~記憶に残る景勝区間~

国立公園鉄道の探索 ~記憶に残る景勝区間~

国立公園内を走る鉄道の紹介と風景の発見
車窓から眺めて「これはいい」と感じた風景の散策記

[ 国立公園鉄道の探索 ]

御岳登山鉄道

(秩父多摩甲斐国立公園)

 

秩父多摩甲斐国立公園の指定区域内には、普通鉄道の青梅線以外にもう一つ別の鉄道が敷かれています。

この国立公園で、一番都心に近いところにある名勝・御岳山の山麓・滝本駅から御岳山駅の間 1.107kmを結ぶ

御岳登山鉄道です。

 

 

 

 

 

御岳山麓にある滝本駅、ここが御岳登山鉄道の起点です。

 

 

滝本駅のホームの隅には0キロポストが見られました。

 

 

 

 

交走式の鋼索鉄道、御岳登山鉄道は、現在、前面が赤基調に彩られた「御嶽号」(上の写真)と

緑色の「武蔵号」(下の写真)の二台のケーブルカーが交互にやってきます。

軌間は1049mmです。

 

 

滝本駅には「標高 四〇七M」と表示されています。

ここから御岳山駅まで、標高差423.6mを6分間で進んでいきます。

この間の最大勾配は25度 (466.31‰) とのことです。

 

 

 

車内に入り、先頭までいって前面を展望してみました。

ホームの端の部分から道路を跨ぐ鉄橋が始まります。

少々スリリングな感じがします。

 

 

 

 

ケーブルに牽かれてゆっくりと始動します。普段乗っている鉄道とは感覚が違うので発進の時は結構慌てました。

橋を渡りきると、スキージャンプ台のスロープのような斜面が待ち受けています。

御岳登山鉄道最急勾配区間が始まります。470‰の勾配標が見られました。

 

 

 

 

 

 

鉄路は深い森の中へと続いています。

 

 

鉄路は、翠影に包まれていいます。

 

 

 

途中のすれ違い区間。しっとりとした緑樹の中から「武蔵号」が現れました。

 

 

 

「900m」のキロポスト付近からは終点・御岳山駅が見えます。

 

 

 

 

鬱蒼とした森の中を進んできた御岳登山鉄道ですが、御岳山駅の近くでは、樹間から遠望できるところもあります。

御岳山近傍の山の彼方に、快晴の折は広々とした関東平野が望まれます。

 

 

 

 

吸い込まれるように、御岳山駅に向かっていきます。

 

 

 

 

終点・御岳山駅に到着しました。

由緒ある武蔵御嶽神社への玄関口でもあります。

 

 

 

 

さて、降りる時ですが、鋼索鉄道ならではの「音」に惹きつけられました。

鋼索鉄道は、命綱であるケーブルによって牽引されています。線路の間には、そのケーブルをあるべき位置に導く

誘導滑車と呼ばれる輪が配置されています。

これがケーブル通過後に、幽寂な情景の中、チャイムのような梵鐘のような音色を奏でながら回転していました。