「最近自由にものが言えなくなったね」とぼやく声を時々聞きます。今やうかつなことを言うと、直ぐ「〇〇ハラスメント」と非難されるようになったからです。
ただ、そう言っている人は男性で、それも中年以上ではないかと思います。つまり、今まで散々好きなことを言ってきた人たちです。いわば「加害」側の人たちです。
一方、女性をはじめとする「被害」側の人たちにとっては今の傾向はどうでしょう。中高年男性からいやなことを以前ほど言われなくなったので、むしろ歓迎しているのではないでしょうか。
確かに中高年男性にとっては不自由な環境となったのでしょうが、それはこれまで何も考えずに自由に発言していたから、そう感じるのではないでしょうか。そして、何も考えない発言だったので、相手を不愉快にしていたのです。
ですが、世の中の変化は、それまでの自分を人を傷つけない人間へと脱皮させるいい機会ともなるのではないでしょうか。
私も以前よりは発言に気をつけるようになりました。特に年下相手をからかうような発言には信頼関係を考慮するなど、より慎重になりました。確かに不自由ともいえますが、それで人を不愉快にしなくなったのなら、悪くない変化だと思います。その不自由さにもいずれ慣れるでしょうし。
これは別に性格を変えるようなことではなく、言葉遣いですので、さほど難しくないでしょう。少し注意や我慢をするだけで、以前よりも周囲に好かれる人になれるのですから、前向きに取り組んでみる価値はあると思います。