心情や性格は見抜けない | 心の風景

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心のあり方や生き方をテーマとしたエッセイなどを載せていきます。同好の方と交流できればうれしいです。

 2020・10・1読売夕刊で、がん患者の遺族をどう支えるかという記事を読みました。

 

 その中に「遺族を傷つける言葉」も紹介されていました。例えば、ある遺族は「明るい色の服を着た時に『元気になったみたいね』と言われ、ショックを受け」たそうです。

 

 そのほかにも「いつまでも悲しまないで」「寿命だったのよ」「楽になったでしょ」などが挙げられています。遺族は傷つきやすくなっているでしょうから、細心の注意が必要なのだと思います。

 

 それにしても、他人の心情や性格についての断言が非常に多いという印象を以前から受けています。その結果、多くの人がいやな気持ちに陥っています。そもそも、そういうものを的確に見抜ける人はめったにいません。

 

 著名な心理学者の河合隼雄さんは『こころの処方箋』で「人の心などわかるはずがない」とまで言い切っています。

 

 気軽な雑談の中で相手の心情や性格に触れることもあるかもしれませんが、安易な断定は相手によっては迷惑になることでしょう。