昔は説得力があったなあ | 心の風景

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心のあり方や生き方をテーマとしたエッセイなどを載せていきます。同好の方と交流できればうれしいです。

 「ウルトラセブン55周年」とかでユーチューブに動画があがっていました。ウルトラセブンといえば、ウルトラシリーズの中で傑作と呼ばれています。確かに大人の鑑賞にもたえる内容が多いです。

 

 この動画の中で、セブンに変身する主人公モロボシ・ダンの名セリフと言われるものが紹介されています。宇宙人との軍備拡大競争を唱える同僚に対してこう反論します。

 

  「それは血を吐きながら続ける悲しいマラソンですよ。まず相手を信じることです。そうでなければ人間は永遠に平和をつかむことなんか、できっこないんだ」。

 

 ヒーローのセリフですから、当時の子供に大きな影響を与えたことでしょう。

 

 しかし、今このセリフを聞くと、色あせて感じられますね。だいたいの宇宙人は地球を侵略しにくるわけで、そんな理不尽な存在を信じて、もし一方的に軍備増強をやめれば、どういう結果になるかは明らかです。相手に和平を求めることはいいのですが、不本意でも、軍拡競争は続けるしかないと思います。

 

 昔は子供向けの漫画やアニメにも、こういう趣旨のものがありました。つまり、戦うよりも愛することだといった主張を盛り込むんですね。ですが、それは相手が話の通じる場合に限られます。

 

 作者が純粋にそう思っていたのか、日本を弱体化させようといった政治的な意図があったのか、今では分りませんが。

 

 でも昔は日本の一方的な軍縮や無抵抗などを支持していた若者が多かったです。今はだいぶ良くなったと思っています。