あれはパワハラだったか | 心の風景

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心のあり方や生き方をテーマとしたエッセイなどを載せていきます。同好の方と交流できればうれしいです。

パワハラ防止の指針が厚労省の諮問機関から公表されたそうです。パワハラ防止がさらに進んでほしいですね。

 

新聞を見ると、パワハラの定義の一つには「必要以上に長時間、繰り返し厳しく叱る」とあります。それを見て、自然と思い出したことが・・・

 

以前私はある団体に属していました。そこで外部から仕事の依頼を受けて作られた数人のチームの一員になりました。リーダーは優秀なベテラン女性でした。このチームは一堂に会することはなく、曜日ごとに担当が替わるというやり方をしていました。

 

余り能力の高くなかった私はいきなり失敗をします。すると、その晩リーダーから自宅に電話があり、長時間徹底的に叱責されました。電話が終わってから私は茫然となりました。・・・

 

私の失敗で迷惑をかけたことは確かで、叱られるのも当然です。しかし、あの口調やきつい言葉はないんじゃないか、という思いもわいていました。

 

叱られて萎縮した私はまた失敗します。するとまた夜に電話がかかってきて叱責されます。その繰り返しで、事態は悪化していきます。

 

そのうち家に帰るのも、電話が鳴るのも怖くなっていきました。明らかにおかしくなっていました。

 

そうなる前にチームからおりることも可能だったでしょう。しかし、当時はどこの会社や役所でもああいう指導はやっていたでしょうから、この程度のことに耐えられなくてどうするんだ、という思いもありました。根性の時代でした。ですが、それがかえってよくなかったようです。

 

あのまま行ったらうつ病などになったかもしれません。しかし、幸いにもリーダーの方が私をおろしたのです。・・・

 

私の能力不足がそもそもの発端ですから、当時は上層部に不満を訴えようとは思いませんでした。しかし今なら違っていたかもしれません。パワハラが認められるかどうかは分りませんが。

 

私の精神状態は何とか回復しました。その後私は団体の仕事から次第に遠ざかるようになるのですが、今思うと、あの厳しい指導がその遠因になったのかもしれません。