志賀高原 大沼池 | 心の風景

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心のあり方や生き方をテーマとしたエッセイなどを載せていきます。同好の方と交流できればうれしいです。

大沼池は長野県・志賀高原の湖沼の中で最も大きくて、高原を代表する景勝地です。今回、夏の長野行きの一番の目的は、この大沼池を見ることでした。

 

 

長野電鉄終点の湯田中駅からバスで「ほたる温泉・硯川」まで行きます。そこからリフトに乗って前山という山に登りました。私はスキーをしませんので、リフトは今回が初めてです。天気もよく、楽しい気分で乗っていましたが、やや高所恐怖症気味の私。振り返ると緊張しました。

 

 

前山に着くと、見晴らしもよく、思わず写真を撮りました。しかし・・・こんな標識が。

 

 

「これだもんな~」(^^;)。私の調査がいいかげんだったんでしょうけど、熊の情報はつかんでいませんでした。知っていたら、熊よけの鈴くらい用意したのですが。でも、もう仕方ありません。それにちらほら他の登山客もいましたし。

 

 

間もなく現れたのが渋池です。どこか神秘的で気品があります。幸先がいいと思いました。

 

 

渋池からは1時間くらい森の中の平坦な山道が続きます。両脇にはクマザサが目立ちました。森のいい香りがすがすがしくて、まさに森林浴、と思いましたが、そこにはクマザサの香りも混じっていたのかもしれません。

 

 

いつの間にか一人で歩いていまして、熊が出るんじゃないかと心配になってきました。幸いそういう「出会い」はなく、森を抜けて、山に挟まれた開けたところに出ました。

 

 

これが四十八池湿原です。湿原にミニチュアのような島(浮島?)が点在していて、思わず微笑みたくなるような光景です。女性なら「かわいいー!」と声を上げるところかもしれません。山や森だけでなく、こういう水のある光景は私の好みです。

 

 

ここを過ぎると、いよいよあとは大沼池です。1時間くらいの道のりですが、ありがたいことに下りになります。

 

 

ところで大沼池については以前から納得のいかない点が。紹介文の中に、池をエメラルドグリーンと言っているものと、コバルトブルーと言っているものとがあるのです。どういうことなのかずっと首をひねっていました。ただ写真ではコバルトブルーですし、私の好みは断然青なのですが・・・

 

 

歩いていると、ついに木々の間から眼下に大沼池が。青です。「やったぜ」と思いましたが、その辺りから100m以上一気に下る、所々岩むき出しの道はなかなか手ごわかったです。

 

 

ついに開けた広場のようなところに到着です。さすがに広い。これは池というより湖と言った方がいいんじゃないかと思いました。

 

 

エメラルドグリーンとコバルトブルーの謎は解けました。奥の方は鮮やかな青ですが、手前の方はきれいな明るい緑です。特にこの岸辺の写真では緑がよく分ります。どちらの説明も正しかったのです。色は、水自体の色・水深・地形・光の角度・周囲の樹木など様々な原因で変わるようです。

 

 

ただ、すべてが真っ青であることを期待していたので、美しい光景ではあるものの、「まあ、これでいいかな」という微妙な感覚が生じていました。ところが、その感覚はやがて裏切られます。

 

 

岸辺をぶらぶらしたあと、ベンチに座って30分くらいカロリーメイトをかじりながらのんびりしていました。池からの風がやや強く、カーディガンが役に立ちました。人は数人しかいませんでしたが、あとから小学4年生くらいの3、40人が先生に引率されて坂道を下りて来たのには驚きました。尋ねると、けが人が出るわけでもなく、もう何年も続いている遠足なんだそうです。

 

 

大沼池を去るためにベンチから立ち上がり、岸辺の道を歩き出しますと、次第にのぼっていきます。そのせいかどうか分りませんが、いつのまにか木の間越しの池が青一色に。次第に気分が盛り上がってきて、何度も立ち止まっては、シャッターを切っていきます。

 

 

そして木々が途切れるところにやって来ました。まさに期待していた湖面です。ここが撮影には最高の場所のようです。本当はここで30分くらい地面にでも座ってぼーっとしていたかったのですがね。そうしたらもっといい写真が撮れたかもしれません。しかし、あとから小学生の一団がやって来て、道も人がすれ違えないほど狭かったのでそうもいきませんでした。

 

 

道は今度は次第に下っていきます。池の幅が狭くなっていきます。もう満足していたのですが、大沼池は最後に別の顔を見せてくれました。

 

 

池の一番端からの光景です。先ほどとは違う重厚な感じではっとさせられます。樹木が水面に映っているのが、その一因でしょうが。

 

 

池に別れを告げ、ひとけのない下りの道を1時間ほど歩きました。途中で出会った二人の女性に「(大沼池は)いいところですよ! 見る価値ありますよ!」と調子に乗って叫ぶと、喜んでくれました。国道に出ると、直ぐ近くの「大沼池入り口・清水口」というバス停で湯田中駅行きに乗るのですが、1時間も待ちたくなかったので、蓮池という志賀高原のターミナルのような所まで歩いてしまいました。

 

 

後日登った東館山という山の頂上から見える大沼池です。志賀高原では大沼池が見えることが「売り」になっています。

 

こうして長野行きの第一の目標は達成しました。大沼池は本当に美しいところです。是非一度訪れてみてください。