【経済産業省の現場から告発】谷査恵子さんのイタリア赴任は昭恵氏かばい続けた論功行賞 | すくらむ

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 ※以下は、全経済産業労働組合副委員長の飯塚盛康さんのフェイスブック投稿から、ご本人に了承を得ての転載です。

 安倍昭恵さん付職員だった谷査恵子さん(経済産業省ノンキャリア職員)がイタリアの日本大使館に一等書記官として赴任することをツイートしたら、3000を超えるリツイートがありました。





 このことから、多くの人がこの人事異動に怒りを持っていることを、ひしひしと感じます。

 私なりに、この人事異動に対して考えていることを書いておこうと思います。

 1.異動時期について

 谷さんが昭恵さん付職員から経済産業省に戻ったのは2016年1月です。世耕弘成経産省大臣は記者会見で6か月前に内々示を出していたと発言していたので、経産省に戻って1年くらいでイタリア大使館への赴任を決めていたことになります。

 経産省の人事異動サイクルは2年から3年なので、1年というのは、よほどの理由(急にポストが空いた、急に専門的な知識が必要な職員が必要になった等)がない限り、1年での人事異動はないので、何らかの理由があったのではないかと思います。

 すでに、谷さんは昭恵さんから厚遇を約束されていましたが(この時にはイタリア大使館という具体的な約束はなかったとは思います)、今年になってから森友学園の問題がくすぶりだしたので、どこか海外赴任させようとしていた矢先の3月23日の籠池氏の証人喚問で、思いもかけず谷さんの名前が出たことから、内閣官房はあわてて彼女を出勤させず、因果を含めて個人でやったことにさせたと思います。

 さらに昭恵さんが私にフェイスブックメッセンジャーでメッセージを送ったことから、谷さんに注目が集まったので、出勤もできず、やむなくテレワーク(自宅勤務)を行うことになりました。

 しかし、経産省での谷さんの仕事はテレワークでできるようなものではないため、谷さん自身も限界を迎えていたのではないかと思います。

 そこで、8月6日の日曜日という誰もいない日に辞令を発令して、みんなが知るころにはイタリアに行っているという姑息な手段をとったのではないかと思います。

 2.在イタリア日本大使館一等書記官について

 まず、経産省のキャリア官僚とノンキャリア官僚の役人人生の違いについて説明します。

 キャリアは総合職(旧国家1種とか旧上級試験)の合格者で、入省して2~3年で係長、30代で海外留学、課長昇任、40代で大使館勤務、その後も役職階段を上っていきます。

 一方、大卒ノンキャリアは入省後、6年から8年後に係長です。40歳代で課長補佐、優秀な職員でも50歳代で課長より下位の室長、企画官止まりです。

 世耕大臣は谷さんが海外留学の経験があると言っていましたが、キャリアのように全員が海外留学できるわけではなく、一定以上のTOEICの点数を持ち、省内の選抜試験を通り抜けたものが「語学研修」として半年から1年英語圏の学校に行けるのであって、キャリアのように政治経済を学ぶための海外留学とは全く性格が異なります。

 また、世耕大臣は谷さんの同期のノンキャリアの3分の1は海外赴任していると言っていましたが、多くのノンキャリアはジェトロ(日本貿易振興機構)等の経産省関係の団体の海外駐在地に行っているので、40歳そこそこのノンキャリアが大使館に赴任するのは異例です(彼女は課長補佐なので一等書記官というポストは普通だと思います)。

 前述したようにキャリアでも40代で大使館勤務ですが、それでも欧米の大使館に赴任するのは、相当優秀で将来を嘱望された者で、多くのキャリアは東南アジアや韓国、ロシア等です。

 一方、ノンキャリアが行ける大使館は、アフリカ、南米、中東など、キャリアが行きたがらない、行かせてもあまり意味がない国ばかりです。

 今回の谷さんの異動は多くの経産省の職員が驚くとともに、違和感を持っています。

 3.谷さんのこと

 私は彼女の仕事ぶりやプライベートのことは全く知りませんが、彼女を知っている人は、みな谷さんは仕事はできるし、性格もいいと言います。

 しかし、今回の件では表向きには、「上司に相談もしないで個人プレーで仕事をし、昭恵さんに随行するときは出張伺いも出さず、勝手に出張に行き、選挙活動という国家公務員法違反を疑わせる行為をし、森友学園の問題にかかわったかもしれないにもかかわらず、安倍夫妻の引きによっていい思いをした人」というレッテルが貼られてしまいました。

 2年後に経産省に戻ってきた時には、後ろ盾だった安部夫妻はいないだろし、上記のようなレッテルを貼られたまま仕事ができるのだろうかと思います。

 私は彼女は2~3年後には辞めるような気がします。

 ※以上が飯塚盛康さんのフェイスブック投稿です。なお、飯塚さんには、国公労連の月刊誌『KOKKO』8月号で、この谷さんの問題などについて、晴山一穂専修大学教授と対談をしていますので、ぜひ参照ください。(井上伸