ハローワーク内部で雇用不安
雇い止め迫る非常勤職員たち
「公募」方式が拍車かける
ハローワーク(公共職業安定所)の内部で、今年も大量の非常勤職員が雇い止めされようとしている。特に問題なのは、業務があるにもかかわらず3年を超える労働者を一律に退職させて「公募」にかける事態が想定されていることだ。公募で再び採用されるとは限らず、職場では「雇用不安をあおるだけ。これでは業務に必要な経験と専門性を維持できない」と、困惑が広がっている。
ハローワークの非常勤職員は、窓口での職業相談や紹介などの業務に就いている。昨年の年度末には2,200人が雇い止めされた。
予算が付かない以上、人員削減はやむを得ないのかもしれない。とはいえ、職場からは「病気休職中の職員もいる中、昨年は県内で90人減らされた。4月からの業務が麻痺するような状態だった」(千葉局の職員)という。
●優秀な人が辞めていく
今年の年度末にも1,200人が削減される。さらに、今回問題になっているのは公募方式だ。
例えば、こういうケースが出てくるという。
ハローワークに3年を超える10人の非常勤職員がいて、2人分の予算が削減されるとする。酷な話だが、2人が雇い止めとなる。今検討されているのは10人全員を雇い止めにし、一般求職者を含めて公募した上で、8人を新たに雇うやり方だ。
もともと働いていた非常勤職員が再び採用されるかどうかは分からない。
非常勤職員から相談を受けているという、あるハローワークの正規職員は「優秀な人たちが『毎年こんな目に遭う職場で働くのはいや』と公募に応じず、仕事を辞めたいと言っている。内部で雇用不安をつくるべきではない」「こんなことを繰り返していたら経験のある人材を放出し続け、業務が回らなくなる」と語る。
福岡の職員も「新たな採用枠がある場合に公募するのは当然。しかし、人を減らすときにまで公募を使うのはおかしい」と憤る。
一方、公募したとしても、一般論として業務経験のある人の方が成績はいいはず。結果として経験のない一般求職者ばかりが不採用になれば、公募は名ばかりということになる。
●公募は本当に公正か
こうした事態が起きる原因は、人事院がつくった期間業務職員制度にある。
ハローワークでは、第一線で業務を支えている非常勤職員の大半が期間業務職員だ。3年間は公募を経ずに働き続けられるが、4年目からは公募によることが原則になる。
人員削減による雇用不安に、公募による雇用不安まで加わる中、ハローワークの業務は大丈夫なのかどうか、不安が募る。
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