全国278カ所で「派遣村」や街頭相談を実施、相談件数6,585件、生活保護申請906件 | すくらむ

すくらむ

国家公務員一般労働組合(国公一般)の仲間のブログ★国公一般は正規でも非正規でも、ひとりでも入れるユニオンです。

 年末に向け路上生活に追い込まれる人々の増加が懸念されるなか、全労連は10月30日、生活・労働相談の活動交流集会を東京都内で開いた。生活困窮者を救済する幅広い共同の実践や、行政を動かした取り組みが報告された。


 1月から10月までに、全労連の地方・地域組織がかかわった「派遣村」や街頭相談の取り組みは全国で278回。相談件数は6,585件で、生活保護申請は906件に上る。


 小田川義和全労連事務局長は、1万2千人を超えるボランティアが相談・支援活動に協力するなど、善意に依拠した幅広い共同が情勢を動かしてきたとし、今後は雇用や生活を守る制度の構築が課題だと強調した。12月には、生活・労働相談や労働局・自治体への要請を行うゾーンを設定し、全国で取り組むと述べた。


 昨年以降、生活困窮者への支援を行ってきた北海道労連は、「12月には、連合北海道も参加する反貧困ネットワーク北海道で相談会を行う。取り組みのすそ野を広げ、社会保障を再構築する運動につなげていきたい」と発言。京都総評は、労組や法律家、医療、ホームレス支援団体などで今年発足させた「ネットワーク・連帯ひろば」を通じて行っている生活支援活動を紹介した。


 自前の宿泊所(シェルター)を設置して相談に対応してきた倉敷医療生協労組は、住居喪失者など約40人に宿を提供してきた。倉敷市と交渉を重ねるなか、このほど同市に「緊急一時宿泊所」設置の検討を表明させたと報告した。


 ●失業者の生活支援へ


 滋賀自治労連は、住民の生活を守る自治体労働者の労組が、失業者の組織化に積極的に取り組むべきと発言した。滋賀では、憲法27条の勤労権を掲げて「仕事よこせ」と訴える「失業者支援村」を11月に開催するとともに、「失業者支援センター」を設置する予定。「派遣切り」などで仕事を失った組合員とともに公的就労などの仕事づくりを行い、生活を支え合う活動を展開すると述べた。


 「失業者の雇用対策には公的な就労対策が最も効果的だ」と強調したのは建交労。国が資金を出し地方自治体が仕事を作る「緊急雇用創出事業」(2011年度まで)を活用し、全国で事業規模計約1億5千万円、約500人の雇用を確保したと報告した。


 同事業については、雇用が6カ月と短期間で、安定した仕事を得るまでのつなぎとしては不十分と指摘し、制度拡充を求めて国に働きかけている、という。


 ●受診への高いハードル


 東京民医連の医師は、「派遣村」での医療相談活動の経験から、相談者の多くに健康状態の悪化がみられるのに、医療負担への不安などから「受診することをあきらめている」と指摘する。


 そのため、相談者からの訴えがなくても、健康上の問題や持病がないか、問いかけることが必要と強調した。無料低額診療の活用なども呼びかけた。


 東京社会保障推進協議会は、自治体やハローワークに協力を要請し、年末に向け各地域ごとに相談会を行うほか、自治体には①住居の確保が困難な人への公営住宅の空き家提供②ケースワーカーなど生活保護相談員の増員――などを要望する。


 討論では、日高教が「(高卒者の)有効求人倍率が0.1を切る地域が非常に多い。北海道の岩内では158人の就職希望者に対し、求人は8人。青森・五所川原の高校では1人も内定が出ていない。公務公共サービスの中から雇用を創出することや職業支援が必要だ」と、高校生の厳しい就職戦線の状況を報告した。【※久し振りに「連合通信・隔日版」(09年11月5日付No.8254)からの転載でした】