「 映画ひとつ、加藤 泰監督『車夫遊侠伝 喧嘩辰』 」 のコメント返信記事です。
車夫遊侠伝 喧嘩辰
2,000円
Amazon |
>東映バカさん
コメントありがとうございます。松竹の頃は何か肺病病みのような青白い文学青年の佇まいだった内田良平が(日活でくすぶったあと)『十三人の刺客』の抜擢で東映でひとつ大きな顔になって以降内田の魅力というのはふたつに分かれていくように思います。ひとつはあの『十三人』の軍師から線を引いた熱烈なものを持ちつつ怜悧な立ち姿で渋いダンディズムを見せるもの、ひとつが汗みずくながらっぱち男で一途な愛嬌を漂わせている役どころ、本作がそうですし果ては『探偵物語』のよれよれのルポライターなんかがそうでしょう。どちらにしても女には照れ屋ながらそんな<男純情>ぶりが桜町弘子の生一本とよく絡んで加藤泰というとまず浮かんでくる映画です。ただ今回見返してこの映画はふたりを両雛に置くとその真ん中に明蝶を据えて彼で廻していく映画という気がします。そうそう何より小さな役どころで大きく助けるときの、近衛十四郎が私はひと際好きなわけです。
十三人の刺客
2,500円
Amazon |
>セブンさん
コメントありがとうございます。加藤泰と橋ということを考えます。まあすぐに浮かぶのは『骨までしゃぶる』なんですが、本作同様に情愛と滲み立つ陽性の仕立てがやはり胸を打ちます。少し大仰に言って(美空ひばりと緋牡丹博徒を除くと)一貫して女優を男性スターの華やかな添え物としてしか作劇しない東映にあって加藤泰が見せるのは男たちの切った張ったを女の生き様の綾にしてみせる陰陽の逆転で本作も男たちがやや幼児的でもある鍔迫り合いを生きながらそのことの苦難の血脈は女たちに一貫して流れていて(桜町、藤、宗方奈美は言うに及ばず千原しのぶにしても吉川満子にしても)陰であるはずの女性が(男を押しのけるわけではなく彼らにむしゃぶりついて)前へ出てきます。
骨までしゃぶる
2,000円
Amazon |
おれは石川五右衛門が好きなんだ―内田良平詩集 (1974年)
972円
Amazon |
>ももじろう2号さん
コメントありがとうございます。ハチのムサシもありますが、彼が書いたエッセイ、とりわけ『乙姫様の玉手箱』(潮出版社 1984.12)では自らが生まれいずるときに思わず後ろ振り返って以来女性への畏怖が芽生えたなどというまるで『仮面の告白』の盥の乱反射の如く表現もあり、詩をよくしたというその感性に射抜かれます。あと老婆心ながら... 見たい映画はいつかと言わずいま見ておくのが得策だというのがいろいろ思い知らされた上の私の感想です。『車夫遊侠伝 喧嘩辰』はいまならばありふれたレンタルDVDで難なく見ることができます、しかしレンタルDVDが利用年数の傷による再生難状態になると余程人気作でもないと補充はしないようです。石井輝男のあれこれ、沢島忠、延いては黒澤明のものであっても、もう何ヶ月か待っていますがいまだ届きません。
乙姫様の玉手箱
Amazon |
こちらをポチっとよろしくお願いいたします♪
「 映画ひとつ、加藤 泰監督『車夫遊侠伝 喧嘩辰』 」 のコメント返信記事でした。
いつもコメントを寄せていただきありがとうございます。
■ フォローよろしくお願いします ■
『 こけさんの、なま煮えなま焼けなま齧り 』 五十女こけ