たがや | 木かげdeえほん

川端誠 作、絵

クレヨンハウス

 

花火、花火、と来たら、この絵本。

 

ほんとの落語の「たがや」のお話は、ナンセンスなテイストで、

 

権力への反発、抵抗を表しているおはなしで、

 

庶民の溜飲をさげるようなお話です。

 

リアルに想像すると血なまぐさい滝汗

 

 

 

ところがどっこい、こっちの絵本は生ぐさいっていっても、

 

いいですよ。なんといっても、命の誕生、がテーマですからね。

 

江戸の町の人たちのおおらかな、

 

みんなが子どもの誕生を受け入れる感じとかね、

 

長屋の人たちの身内意識とかね、

 

大店の旦那衆の持てるものが持たざるものへ、

 

自然と分かち合う感じとかね、

 

そういうのがすごくいいです。

 

大関もでてくるんですが、

 

江戸時代は、番付表の一番は横綱じゃなくて、

 

大関なんだそうです。

 

「さすがは大関だ」っていうのはすごーく時代の雰囲気があって

 

いい掛け声だなあ、って思います。

 

なんで「さすがは大関」なのかは、

 

ぜひぜひ、絵本を読んでお確かめくださいウインク

 

子どもは「宝物」って

 

みんなが、ワクワク、ありがたく、楽しみに

 

待っているのが伝わります。

 

それからね、とりあげばあさん(昔の助産師さんですね)が

 

これからお母さんになろうとしている人にかける言葉がまたいいです。

 

子どもの絵本ですが、

 

読んでるこっちがうるうる笑い泣きしそう。

 

うきょうはね、出産に関しても割とお勉強した方かなあ、

 

とは思うのです。児童保健学とかあったからね。

 

(覚えてるかどうかって言うと、それはまた別のはなし滝汗

 

 

 

でね、実際にお母さんになって思うのは、

 

まあ、そういう本に書いてあることは本当よ、

 

知ってたら損はない、

 

損はないけど、その通りに子どもは生まれない。

 

お母さんていろーんな人がいて、出産なんて、教科書通りに

 

初産、陣痛◯時間程度、経産婦なら◯時間程度、とかあるけど、

 

そんなのほんとのほんとの世界の中では、

 

ぐちゃぐちゃでいろいろなのね。

 

そして、どのお母さんも安産でした、

 

なーんていっても容易くは産んじゃいないです。

 

 

 

 

 

そして、ホントのホントは、

 

このとりあげばあさんの言うことだけだと思う。

 

 

 

生まれて、みんなと同じペースで育っていかない子とか、

 

生まれてきたけど、そこであっという間に人生を終わらせてしまう子とか、

 

ほんとに元気で元気で、ふっさふさの髪の毛を逆立てて、

 

大泣きしてくる子とか、いろんな子がいるけれど、

 

どの子も一生懸命、生まれようってして、生まれ出た。

 

それだけ。

 

たったそれだけのことが、

 

すごーく大事。

 

 

 

 

それがね、この絵本の花火といっしょに、ひろがるのよ。

 

本歌取りみたいなこの絵本。

 

夏に向けて、気っ風のいい江戸っ子口調のリズムにのせて、

 

本物の花火を待ちながら、読んでみてもいいかなーって思います。

 

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