今週は寒波到来で、冬景色の一週間でした。
 

それにしても、やっぱり同じ日に降るものですね雪だるま
上が今年で、ちょうど一年前が下↓
 

 

 

一番の寒波の日は、かなりの吹雪でいちめん真っ白でしたし、ものすごい突風で、いろんなものが飛ばされたりしましたが、幸い昨年のような大雪にはならずに仕事ができてよかったです。

遠方から時間刻みでお客様がご来社の日も多いですが、お部屋も心も温かくして対応させていただいています。

 

来週からは全国的に寒さは緩むみたいですが、しばらくは油断はできませんね。

 

そして、ここからいっきに春が早いのもきっと去年と同じだから、いろいろ気持ちも焦ってきています桜

 

 

 

今は「第3号被保険者」が何かと話題になっています。

もう四半世紀近くも前になりますが、社労士の受験勉強をしていたときに、「ほんとに不思議な制度だな」と思っていたのが、「第3号被保険者」でした。

当時はそんな疑問を口にする人はほとんどいませんでしたし、むしろ女性が結婚したら家庭に入って3号になるのが普通といった風潮が強かったと思います。

コンプライアンス的にも、企業風土としても、今の時代からしたら、不思議というレベルを通り越していますね。


でも、時代はガラリと変わりました。

3号についてあれこれ議論するのにタブーはなくなりましたし、むしろ改廃も含めて大きな変化を求める意見の方が多いと思います。

私も折にふれてブログで少し意見を書いたりしています。
 

 

 


先日の中日新聞のサンデー版は、「第3号被保険者」の特集でした。

フルカラーで分かりやすく時事ネタがまとめられているので毎週楽しみにしていますが、この特集もとても良かったと思います。
 

 

「第3号被保険者を考える」特集といいつつ、紹介されている識者らの意見や主な論点を総合すると、圧倒的に「見直し派」が多いのに、やはり時代の流れを感じます。

識者の意見はというと、

 

「(制度の見直しは)将来の検討課題、選択肢の一つだ」(武見厚労相)
「ライフスタイルによって女性の位置づけが変わるのは不公平」(芳野連合会長)

 

「シングルマザーのような立場の人が負担しているのは不公平」(社会保障審議会委員)
「制度を根拠づけてきた社会的背景が大きく変容している」(同)

といった状況です。



「主な論点」をみると、

 

見直し派:

「自営業者や共働き、単身世帯は保険料を負担するのに比べて不公平」
「保険料を負担せずに給付を受け取るのは社会保険の原則に反する」
「女性の社会進出を阻害しかねない」

見直し慎重派:

「育児や介護、病気などで働くことができない人への対応が必要」

とあり、やはり見直し派が優勢なようにみえます。

私も前にブログで書きましたが、2025年の年金制度改革で大幅な見直しがはかられるのはほぼ確実だと思いますし、すでにその方向に向けた取り組みは始まっているともいえます。



そして、昨年10月から始まっている政府の「年収の壁」支援強化策は、さらなる矛盾や不公平感を高める懸念もあります。

「106万円の壁」は主にキャリアップ助成金、「130万円の壁」は主に事業主証明による被扶養者認定で対応することになりますが、いずれも本来3号制度が抱えている矛盾を根本から解決する方策とはならず、とりわけ社会保険の制度内の矛盾を雇用保険を財源とする助成金によって手当することには、さらなる不公平感にも結びつきかねません。

「年収の壁パッケージ」は、実質的には3号制度の根本的な見直しを前提とした経過措置の意味あいを持つことは、以前のブログでも触れています。
 

 
 
 

今回の新聞特集でも触れられていますが、3号のテーマは社会保険制度や扶養のあり方にとどまるものではなく、突き詰めると「ジェンダー問題」だということができます。

今でこそ、共働き世帯が専業主婦世帯を大きく上回っていますが、昭和の時代には結婚したら会社を辞めて専業主婦になるのが王道という考えが主流で、そうした社会通念のもとに経済社会や市民生活が成り立っていました。

しかし、最近はさまざまなところでも確認されているように、日本における「専業主婦」の歴史は、意外にも新しいものです。

「夫は仕事、妻は家庭」という役割分担は、必ずしも日本において昔からずっと変わらない不動の常識だとはいえないということは、今では知る人も多いと思います。

 



昭和の終わりに国民皆年金が実現した際に、妻が扶養された方が有利な税制が強化されたことも相まって、「専業主婦」という“常識”が歴史的にも完成をみたのでした。

かたや国を挙げて女性活躍推進を推進し、働く女性の待遇改善が急務とされているのに、一方では専業主婦を保護する制度や政策を手つかずのまま維持している現状は、あたかもアクセルとブレーキを同時に踏んでいる構図です。

厚労省の担当課によると、「諸外国では、日本の第3号被保険者のような仕組みはない」といいますが、そのような現実に照らしても、3号にはプラス面よりもマイナス面の方が多いように感じます。

 

保険料を使って優遇措置を講じることで間接的に女性の地位が低下させられている側面が広がりつつある以上、早期の改廃は急務ではないかと思います。

 

今年は、そんな国民的な議論がひとつの収斂をみる一年になったらいいなと個人的には願っています。