
HARCSA VERONIKA 「SPEAK LOW」
再び女声ジャズボの快作。ジャケもなんともいい雰囲気をしていて、こういうものに"秀作"の臭いを強く感じるが、まさにアタリ。表記された文字はロシア語系言語で、どうやらハンガリーの模様。ボーカルにバックのトリオ+ギターという編成でスタンダード等をカバーしているが、バックの演奏もなかなかだが、それ以上に愁(うれ)いた感じのボーカルがグー。個人的にはやや掠(かす)れた声の方が歌の表現力に幅が出ると勝手に解釈しているが、その具合がまた微妙であって、"耳につく掠れはNG"とそのキャパは非常にナローなレンジに入っていなくてはならないのだが、この人はまさにそのレンジ内に納まっており、一発で気に入る。24歳新人(本作も自主制作盤とのこと)ということで今後が楽しみながらも、ギターの演奏には難ありか。当初はかなりオブリ気味に弾くアコギもなかなか愁(うれ)いて良いかとも思っていたものの、ボーカルもそれなりに"愁いている"ことから、聴くだに邪魔さが鮮明に。気になりだすととことん気になるが、フレーズも異様にポップであってジャズ的なクロマティックでなく、そこまでメロディクにブリブリに弾く感じは、まさにイーグルスにおける「ホテル=カリフォルニア」のギターソロのようで、かなり食傷気味。しかし、それを差し引いても、はるかに有り余る歌の良さ。アルバム全般でも完成度は高。