サンクフル・エブリディ -355ページ目

揺れる心

カザフスタンでユアンの心は揺れていました。

家族の事、仕事の事。

イヴと子供達が恋しくてたまらないユアンは、バイクの前のボックスのふたに、3人の写真を貼っています。
それを見る度に、家族に会いたいと強く思うのでした。
でも、この先の長い道のりを考えると、不安に襲われるのでした。
ひたすら東へ進む旅。家族に近付くのに、先に進む度、家族から遠のいていくから。

ユアンは仕事の悩みを抱えたまま、旅に出ていました。
今まで、俳優の仕事を大切にしてきたユアンですが、2003年、あまりにも一緒に過ごしすぎて、「別れたい」と願っていたそうです。旅に出る事で、別居は実現しました。
しかし、旅が終わった後の出演作は決まっていなかったそうです。
出発前、取材で、俳優には戻らないと、冗談で言ったら、かなり深刻に受け止められたが、本音も含んでいたらしい。
俳優はやめるつもりはないが、自分の進むべき道を考える時期だと、思っていたそうです。

舞台出演、映画監督、舞台演出など。
いずれは挑戦したいとおもっていたこと。
挑戦にためらいはない。
ユアンが決断するだけ。

それに、旅に出た後、仕事に復帰しても、重要リストから外されていないかを心配していました。
ユアンは今まで、ノンストップで仕事をしてきたので、次回作が決まってないのは、今回が初めてだったそうです。

バイクでのライティングは、自分を見つめ、考えを整理する時間をくれた。
沢山の感情の荷物を抱え込んでいたユアンは、頭を整理し、片付ける時間が必要だったそう。

そして、自然を眺め、美しい風景に心が癒されるのでした。

チャーリーの優しさ

チャーリーはユアンをよく観察し、理解しています。

「ユアンは時々ブルーになる事がある。暗い顔でひどく落ち込んでいるのがわかる。
ユアンの気分は環境に影響される。
誰だって気分の浮き沈みはあるが、ユアンは沈み方が、人より激しい。
そんな時は、神経がとても繊細になっているので、冗談を言ってもダメだ。
下手に元気づけようとしても無駄だ。
今までも、落ち込んだユアンを励まそうとしたが、成功したためしはない。
彼の状態を受け入れ、自分で回復するまで待つ事だ。だが、待つのも辛いものがある。」

確かに、落ち込んでるユアンの姿が、いくつもDVDに映されてました。

108日間、32000キロの過酷な冒険旅行、楽しいだけのはずがありません。

そして、ユアン一人では、絶対に成功できなかった。心を許せるチャーリーがいたから、二人だったから、出来たんです。

頼れるアニキ、チャーリー。
最高です。

キャンプ好き

カザフスタンの道は、本当にひどい。

泥みち、、穴だらけのでこぼこ道、、砂状の道、池のような道。

そんな道ばかりを走るユアン達ですが、ホテルに泊まれるとは、限りません。

時には、親切な人の家にお世話になったりします。

寝床もない場合はキャンプです。
そのために準備してきたんですから。

ユアンはキャンプが好き。
でも、キャンプをしたくないチャーリーは、渋々です。

ユアンはカザフスタンの大自然でキャンプできる事にワクワクです。

しかし、目の前で真紅の夕日が地平線に沈む景色に、チャーリーも、「名前も知らないホテルに泊まるより、ずっといい。どえらいパラダイスだ!」と興奮。

そして、キャンプもいいもんだ。と思うようになったとさ。


つづく