今節のFC今治との対戦で山雅が放ったシュート数は9本を数えた、一方の今治は僅かに5本であったが結果は1対2での敗戦。
相手は少ないチャンスをきっちりと決めきったが、山雅は惜しいチャンスもあったものの追加点を奪えないままの敗退。
最後は逆転を許しての敗戦で、前節の北九州戦でも同様に最後の最後に追いつかれるという後味の悪い試合が続く。
勝負弱さが露呈してしまった格好であり、その原因はやはり追加点を奪えなかったことに尽きる。
やはり見劣りするのは得点数であり、得点数アップは主要課題だろう。
今季15試合を実施した中でも1得点以下の試合は9試合におよび、その内勝利できたのは、いわて戦の1試合のみであり、後は3分け4敗というありさま。
今までもわずかな得点チャンスを得点に繋げてきたという印象であり、その中でも得点チャンスに冷静さを欠いたために枠外シュートとなってしまった場面が散見された。
さらに得点チャンスに決めきることができないという、従来からの課題であった『決定力不足』という課題が浮き彫りになった。
今季下條さんが挙げた得点76という明確な目標は選手たちに得点力アップのテーマを強烈に意識させるためである。
これは霜田監督含めた相応の決意で得点力アップに取り組むため、敢えて明確な数字を発信したのであり、魅力的な試合をするためには、やはり得点を挙げて勝利するという事に他ならない。
この試合では安藤選手のドリブル突破により、村越選手の鮮やかな先制点があったものの、その後のチャンスはことごとく得点に繋がらなかった。
山雅も51分の左サイドから龍平選手のクロスに浅川選手のヘディングシュートはゴールバーに阻まれた。
また81分には右サイドの佐相選手から山口一真選手へとボールが渡りクロスを入れると、常田選手が打点の高いヘディングシュートを放つも、相手GKに処理されてしまった。
相手は決めるべき時にきっちりと決めたのであるが、山雅はそれが出来なかったために追加点を奪うことができなかった。
更に相手は公式戦6連敗は避けなければならないとばかりに、必死の形相で向ってきたのです。
だが、勝敗を分けたのはシステムではなかった。4連敗中だった今治の新井選手は「システムのかみ合わせよりも、本当に勝ちたいという気持ちを出せた」と語った。
ボールを保持して攻め上がるビルドアップとプレスの停滞という課題を打破するために採用した新布陣。
いくら手応えがあっても、勝利に結び付けられなければ意味が無い。
新たなシステムを勝利に結びつけることができるかどうかは、自分たち次第だ。
終盤山雅は奇策に出た。
195cmのジョップ選手、190cmの二ノ宮選手を投入、更に常田選手も前線に上げてパワープレーを仕掛けたのであるが、無得点に終わった。
それでも、これまで山雅が大切にしてきた、体を張った守り、相手から自由を奪うようなアグレッシブな守備は忘れてはならない。
やはりベースにあるのは「山雅のDNA」と言われる守備面での持ち味を決して失うことなく、
得点力アップを目指すことが、今後チームとして取り組むべき方向ではないでしょうか。