2千人が集結したNACKスタジアムには「One Soul」のコールが響き渡った。
一方首位を独走する大宮サポーターはこの敗戦を喫して静まり返った。
1万人を超える観衆が詰めかけたスタジアムに広がった光景が”事の重大さ″を物語っていた。
前節下位に沈む八戸に敗れていた山雅が、今節は首位を快走する難敵を撃破した。
大宮との勝ち点差は11ポイントと未だ開きはあるが、混戦の2位争いに参戦する位置につけた。
だが、下位の八戸に屈した前節の苦い経験を踏まえて馬渡選手は信毎紙上で次のように語ってくれた。
「技術が高い大宮にはしっかりと守備から集中力を持って入れた。
しかし八戸との対戦では自分たちがボールの主導権を握って戦う逆の展開。比較は難しい」。
挑戦者の戦いに徹したからこそ得られた勝利という現実を受け止めながら、
どんな相手でも倒す真の強さを貪欲に追求できるか否か。
今回の勝利で自信は得ても過信してはならない。
とにかく、守備でのハードワークの基本はチェイス&チェックを繰り返すこと。
それは、ボールや次のパスレシーバーへの寄せを完ぺきなまでにこなすハードワークを基本にして、アグレッシブな守備を展開してくれた。
全員が体を張った守備で、相手の攻撃を最後までしのぎ切ることが出来るか否か。
個の力では絶対的な差が生ずる、そして技術的な部分を直ぐに改善しようとしても無理がある。
ただそれだけがチーム力の源泉ではない。
闘う意思や闘志という、論理では説明がつきにくい。
精神的・心理的、感覚的な部分もチーム力を高めるために必要不可欠な要素である。
それを成し遂げるために、監督による、技術、戦術という部分だけではなく、
精神的・心理的な部分を強化するための言動が必要となる。
それは、サッカーが本質的に「自由にならざるを得ないスポーツ」だからだ。
とくにサッカーの世界では、高いスキルや戦術的能力だけではなく、極限状態での闘う「意志の力」・・・
どんなきびしい状況でも、自分自身で積極的にヤル気を喚起できるようなセルフ・モチベーション能力が求められる。
目標達成に向けて、俺たちにはもう後がないと思えるか否か・・・
それを継続して実行するしかないのだから。
(山雅フォトギャラリーより)
霜田監督の言葉を記載します。
「山雅は後ろからボールをつなぎたいチームだけれど、大宮は前からプレッシャーをかけてくると思っていた。
その相手の矢印をどうひっくり返すか。
足元でボールをつなぐだけではなく、常に矢印を前向きに向けること。
ちゃんとルーズボールに競り勝って『こぼれ球を拾ってから僕らのサッカーをやろう』
「ハードワークは才能に勝る」という戦いを選手たちが本当に徹底してやってくれた」