山雅ホームの初戦は、7年ぶりの勝利を飾ることはできなかった。
そして最後は負けなくて良かったという試合内容。
シュート数などを見ても、内容的にはYS横浜を圧倒したと言える。
5バックの堅固なブロックを敷いたYS横浜に対し、両サイドに展開しながら細かくパスをつないで相手の隙を伺う展開。
それでも、ボールを支配しながらペナルティーエリア深くに進入した回数は数えるほどだった。
そして決定的シーンも前半23分にCB高橋選手からのロングフィードに、前線に走り込んだMF山本康選手がダイレクトで、村越選手に渡すと、そのまま相手を剥がして左足のシュート。
前節のFC琉球戦を思い出すようなシーンで、得点かと思われたシュートはGK正面だった。
前半攻め込みながらも得点を奪えないという悪い流れで、後半は何時ものように失速するのではないかと不安がよぎる、後半に入って早々、その不安が的中してしまった。
山雅のパスミスを見逃さなかったYS横浜にショートカウンターを仕掛けられて、呆気なく1点を献上。
一瞬の隙を突かれて先制されたのであるが、対応が後手となり右サイドを突破されたところで簡単にクロスを入れられてしまった。
そしてゴール前に張り付いて、相手の山本凌太郎選手をフリーにしてしまった守備陣の対応の不味さ。
決められるべくして決められてしまった得点だった。
その後も攻め続けるのであるがゴールが遠かった。
そして後半18分村越選手に代わって投入された山口一真選手が大仕事をやってのけた。
後半残り時間が10分となったところで、左サイドからドリブル突破を図って相手DFのハンドを誘って同点につながるPKをもぎ取ってみせた。
「ボールをつなぐけど仕掛けない。仕組みで崩すことも大切だけど、最後は仕掛ける積極性がなければ崩せない」
と一真選手は、これまでの山雅の戦い方に不満を抱きながらベンチでくすぶっていた。
やはりPA内で仕掛けると何かが起こるのであり、積極果敢に相手ゴールへ迫る積極性が必要なんです。
キャンプから積み上げてきた主導権を握るスタイルの浸透は進むが
「パスを何本つなごうが、ボールをずっと保持しようが、それらが目的ではない。
こういう試合でも勝ち点3を取る〝基準〟でなければいけない」と霜田監督は試合後のコメントを残しているのであるが・・・
それをなぜ試合前から選手たちに伝えられていないのか、選手たちも「ボールを繋いで主体的に攻める」という事をはき違えているのではないでしょうか。
現代サッカーにおいて攻守の切り替え(トランジッション)の速さは、重要度の高い局面になってきています。
なぜなら、ハイレベルに守備戦術が進化し、組織的な守備を攻略することが困難になっており、
守備組織が整う前の限られた時間が、このトランジションを発動するタイミングだからです。
サッカーにおける得点のデータを紐解くと、
セットプレー以外のシュートチャンスの約75%はボールを奪ってから5本以内のパスのうちに発生しているというデータがあります。
自己満足にとどまるだけでなく、厳しい戦いに勝つためのスタイルに昇華できなければ、今季も厳しい結末が待っている。
熱い思いに応えるための結果はただ一つだった。
霜田監督は
「これが僕らの力のなさ。
こんな試合もう絶対にやってはいけない」
有言実行でお願いしますね・・・