今の若い人たちは、
恋におちて、苦しむということは
あまり知らないのではないかと思う。
恋というのは元来、
苦しみばかりが多いものなのである。
by 森瑶子 『別れ上手』
若い時に、苦しみの伴う恋をして、
痛みをくぐりぬけなかったら、
その人は殺伐とした砂漠のような人生を送るのではないか
と著者は続ける。
そんな恋をしてきたかしら?と自分を振り返る。
ずっと昔、失ってしまった恋。
あの恋はどうだったろう。
私はちゃんと痛みをくぐりぬけてきたんだろうか。
今はもう輪郭がにじんできてしまった
あの頃の恋。
今でも胸が刺すように痛い恋が
たったひとつだけ。
苦しかったけど、
あの恋はきっと本当だった。
泣いて終わった恋だったけど、
そんな恋ができてよかった。
若い頃の宿題は
ちゃんと終えていたように思えて
少しほっとする大人になってしまった私。
明日も一日あなたらしく過ごせますように