商品企画 戦略のツボ -7ページ目

利益の源=「コアコンピタンス」はどこから生まれてくるのか

前回 、「コアコンピタンスは自社の特色を生かしたところにつくる」というお話をしました。

今回は、そもそもコアコンピタンスになる前の「あなたの強み」というものが、どうやって生まれてくるのかということを考えてみたいと思います。

これはどの本から学んだわけでもなく私の「思い」なのですが、結局突き詰めて言うと、

あなたの強み=あなたがそのことをどれだけ考えてきたか

ということなのではないかと。

歴史のある企業であれば先輩から脈々と引き継がれたノウハウがありますから、その先輩たちが考え、工夫を凝らした分を含めての総和が、その会社の「強み」になっている。

ネットビジネスなどの新しい分野では、よーいドンの同時スタートですから、人と同じ短い時間の中で、どれだけライバルよりたくさん考えて工夫を凝らせたかが、ダイレクトにその会社の「強み」になります。

いくら歴史の長い企業でも、その会社が先輩たちが考えて作り上げた現状に甘んじ、ビジネスの対象に対して真剣に頭を使って考え抜くという文化のない会社は、だんだんに弱体化して衰退していくことになります。

前回の例で「社員3人の会社のコアコンピタンス」のことを書きましたが、「社員が3人である」ことが「弱み」にしかならないのも「強み」になるのも、 「3人で何ができるのか?」「逆に3人だからこそ、何ができるのか?」をどこまで深く真剣に考え抜けるのかが、その会社の「強さ」を決めるということです。



さて、「コアコンピタンス」のことがなんとなくわかったところで次回 は「アタリの法則のもう一つの要素である、「未満足ニーズ」について、考えてみましょう。


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「誰にも負けないあなたの強み=コアコンピタンス」のつくり方

前回 、「強いビジネス」を生み出す法則として「アタリの法則」

 

強いビジネス=未満足ニーズxコアコンピタンス

 

をご紹介しました。

 

すなわち「自社の独自の強み」を使って「潜在的な需要を掘り起こせ」ば、強いビジネスがつくれる、ということです。

 

しかしそういうと、「独自の強み」といったって、そんなものがあれば苦労しないよ。うちはどうということのない普通の会社だし」「そんな未満足ニーズってどうすれば見つかるの?」という声が聞こえてきそうですね。

 

そこで今回はまず、「コアコンピタンス」について考えてみましょう。

 

まず、「コアコンピタンス」という言葉の意味は何でしょうか?

 

Wikipediaによれば、

 

コア・コンピタンス(Core competency)とは、ある企業 の活動分野において「競合他社を圧倒的に上まわるレベルの能力」「競合他社に真似できない核となる能力」の事を指す。

 

とされています。

 

では、自分自身や自分の会社に、そのような「競合他社を圧倒的に上回るレベルの能力」だとか「まねのできない能力」なんて、あるのでしょうか?

 

このWikipediaの定義では、マイクロソフトやトヨタ自動車といった、研究開発費の豊富な大企業にしか「コアコンピタンス」は持てないような気がしてしまいますね。

 

確かに「技術力」は大事なコアコンピタンスです。

しかしコアコンピタンスは、人手やお金のかかるものだけではありません。

 

どんな会社でも、「自社の特徴」「他社との違い」を最大限にうまく活用することができれば、それを「コアコンピタンス」に磨き上げていくことができるのです。

 

どんな会社にも「他社との違い」があります。

たとえばあなたの会社が社員3人の小さな会社であれば、その「小さい」ことをコアコンピタンスにすることに向けて、最大限の努力をしていけばよいのです。

 

小さな会社の良いところは、大企業にありがちないろいろなセクションがなく、一人の人間が何でもやること。係長→課長→部長といった社内の決済が不要なこと。つまり、セクション間の連絡業務や社内の会議など、大企業の持つ冗長性がないこと、といった「大企業にはまねのできない」能力を持っているということです。

 

すなわち、あなたの会社が小さいのであれば、「小回りが利く」「融通がきく」「決断が早く、その場ですぐ実行できる」ということを、「大企業には絶対にまねのできない売り」と言えるまでに磨き上げることで、大企業ができないことをすることができるわけです。

 

また、あなたのお店が人通りの少ない裏通りにある小さな店だとしたら、表通りにある大きな店(つまり家賃の高い店)にはできないような価格で専門性の高い商品に特化して扱うとか、「自社の特色」「他との違い」を「強み」にできるようなビジネスをすることです。

 

それを、「ほかの会社がこういうものを発売して売れているから」とか、「ほかの店がこうやって売上を上げているから」ということを、自社の特色を考えずに真似してしまっては決してうまくいきません。

 

「自社の特色、他社との違い」をいかにして「武器」にするか、そこに「コアコンピタンス」が生まれます。

 

あなたの会社が他社とどう違うのか? 他社が持っていないものであなたの会社が持っているものは? 逆にあなたの会社が持っていないもので、他社が持っているものは?

 

これをよく見極めて、自分が他社よりうまくできるであろうことを探し、それに磨きをかける。それが、あなたの「アコンピタンス」になっていくのです。


<参考文献>

企業が生き残るためには、これまでのように「規模」を追求してはならない。コアコンピタンスを持つことが肝心、と説き、「コアコンピタンス」という聞きなれない言葉を経営学に定着させたベストセラー。↓


 

コア・コンピタンス経営―未来への競争戦略 (日経ビジネス人文庫)/ゲイリー ハメル
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それでは、「コアコンピタンス」の元となる「あなたの強み」というのは、どうやって生まれてくるのでしょうか?→次回


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強いビジネス=未満足ニーズxコアコンピタンス

「強いビジネス」とは、どんなビジネスでしょうか?

この不況下で業績のいい企業は少ないのですが、その中でも突出しているのは、

・Google
・Apple
・ユニクロ

といった会社でしょうか。

自動車メーカーでは、リーマンショック以降各社が軒並み苦しんでいる中で、鈴木自動車だけは、小さいながら強さを発揮しています。

これらの会社はそれぞれに違う分野で違う強みを発揮しています。

・Googleは独自の検索システムとアドワーズという儲けの仕組みで
・AppleはiPhoneやiPadという独自デザインのハードと使いやすいソフトで
・ユニクロは、デザインと品質の良い衣料を誰にもできないコストでつくる能力で
・スズキはインド市場にいち早く目を付けて、成長市場でシェア50%を取ることで

ほかの誰も追従できない強みを、ある特定の分野で持っています。
それに対して、「総合力」で勝負していた従来型の大企業はどこもぱっとしない状況です。

これらの会社に共通するのは、

1.未開拓なニーズを切り開いている
2.特定分野にほかにまねのできない圧倒的な「得意技」を持っている

ということです。

私がつくってきた約500の商品を振り返っても、「まだ満たされていない、潜在ニーズを」「自社の得意の方法で」掘り起こすことのできた商品は、実績がなく最初はなかなか流通に理解されなくても、いったん売れ始めれば、非常に儲かるビジネスになっています。

それに対して、売れている他社製品を追従した商品は、なかなか利益を出すことはできません。その先行商品が、その先行している会社の「得意技を駆使している」商品ではなく、その分野では自社に強みがある場合にはまだ戦いようがあるのですが、先行商品が、当社にはない独自の「得意技」で固められてしまっている場合には、無理に対抗商品を出しても「無残に惨敗」という結果となってしまいます。

私が10年ほど前に考案して社内に発表した「強いビジネスを生みだす方程式」が、

強いビジネス=未満足ニーズxコアコンピタンス

というものです。(これをまあ、ここでは「アタリの法則」と呼びましょう)

これに近いことを考え実践されている人は「成功しているビジネス」の中には多数いらっしゃると思いますが、このことを直接書いてある本には今まで遭遇しなかったので、これは私のオリジナルだと思っていました。

しかし、米国P&Gの元社長が2009年に出した「ゲームの変革者」を読んで、P&G社の強さの秘訣も、まさにこれとほぼ同じ法則を厳守することで生まれていることを知り、「やはりこの法則は正しかった」と思うと同時に、同じ時期に同じことを考えた人がいたんだな、と思いました。(この社長は2000年にP&Gの社長に就任し、ものづくりの考え方を大改革しました)
P&Gの社長と私とでは、社会に対する影響力は比べるべくもないことは勿論ですが。。。

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↑一般に、小さい企業ほど「イノベーション」を起こしやすいものです。なぜなら、社長が自分を信じて「これをやろう!」と言えば、会社全体を動かすことができるからです。しかし、歴史のある大企業であればあるほど、それが難しくなる。だからこそ、P&Gのような世界的大企業に「イノベーションを生み出す仕組み」をシステムとして組み込んだというのは、すごいことだと思います。
商品企画に関わる人、会社を経営するすべての人の「必読書」です。



さて、ここで私は「コアコンピタンス」という言葉を使いました。
この言葉、意味はなんとなくわかっても、では「わが社のコアコンピタンスって?」とか、「コアコンピタンスってどうやったら作れるの?」」とか、具体的に考え始めるとなかなか悩みの深い言葉でもあります。

そこで次回 は、「コアコンピタンス」のつくり方 について考えてみたいと思います。


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