商品企画 戦略のツボ -3ページ目

シンガポールのラーメンブーム

「これからの日本が売るべきもの」とは?の回 で書いたように、日本の「食」のレベルの高さは抜きん出ています。


高級レストランの分野でも、東京がミシュランの星の数で世界一になり世界一の美食の都であることが証明されましたが、それにも増して、ラーメンや居酒屋といった「庶民の味」は世界に通用する存在です。


筆者が世界50カ国以上を廻った経験でも、日本ほどうまいものをリーズナブルな値段で食べられるところはありません。


「日本人が日本の食べ物をうまいと思うのはあたりまえ」と思われるかもしれませんが、日本人がうまいと思うものは、海外でも立派に通用します。


その筆頭は、なんと言ってもラーメンでしょう。


世界の食文化を見渡しても、これほどのスピードでダイナミックに進化を遂げている料理は類を見ないのではないでしょうか?


筆者は5年前から最近までシンガポールに住んでいましたが、シンガポールは日本の「本物の旨いラーメン屋さん」がつぎつぎと進出し、いまや「ラーメンブーム」とも言える状況です。


私が住み始めた2005年当時でも、日本のラーメン屋さんはすでにいくつもありました。が、その当時はお客さんの多くは日本人であり、シンガポール人の間で人気の食べ物であるとは言えない状況でした。


もちろん、中華圏に数百店舗を展開する「味千ラーメン」はシンガポールにも18店舗もありましたが、ここは味も完全に「現地化」してしまっているので、ここでは「本物の日本のラーメン」には含めないことにします)



「本物の日本のラーメン」がシンガポールの間で急速に人気が出たのは、2007年3月に「セントラル」というショッピングセンターがクラークキーにオープンしたあたりからではないかと思います。


この「セントラル」ショッピングセンターは日本のパルコが「原宿」をコンセプトにつくったショッピングセンターで、若者向けのファッションを売る小さな店舗を集めています。



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↑シンガポール川沿いのクラークキー

 奥のビルが「セントラル」ショッピングセンター


ここには、和風スパゲッティーの専門店など、食べ物も「日本の若者が普段食べている」食べ物の店が出店したのですが、ここにラーメン屋として「山頭火」「まる玉」 が入りました。


「山頭火」のほうは東京でも主な繁華街にはありますし、ロサンゼルスのショッピングセンターでも食べたことがあるので「ついにシンガポールにも来たか」という感じでした。


が、「まる玉」のほうは、ラーメン王の石神氏が「日本一のスープ」と絶賛する店として知られてはいるものの、両国と川口にあるだけの個人店でチェーン店ではありません。


ラーメン本で見た社長がシンガポール店を仕切っていたので「どうしてシンガポールに出店したのですか?」と聞いてみたところ「パルコさんに誘われたから」とのことでした。


その「まる玉」は、2007年3月のオープン直後から評判になり、「シンガポール人の若者の行列ができる店」になったのです。


その後、1年ちょっとでシンガポール2号店を「明治屋」の入っているリャンコートに、3号店を最近ノベナのユナイテッドスクエアにオープンと急拡大していますので、「まる玉」にとってシンガポール進出は大成功だったのでしょう。


その後、シンガポールには日本のラーメン屋さんが続々と上陸してくるようになりました。


旭川らーめん「梅光軒」 も、「まる玉」の3ヵ月後の2007年6月にボートキーに出店しましたが、ここも日本では旭川と札幌に4軒だけある店ですが、最近高島屋にシンガポール2号店をオープンしたとのこと。


2009年3月には、博多らーめん「由○」 が、ホランドビレッジとイーストコーストに2軒同時にオープンしましたが、このイーストコーストの立地は日本人が集まるところではありません。最初からシンガポール人をターゲットとして出店しているようですが、週末などは長蛇の列ができており、「日本のラーメンが完全にシンガポール人の食べ物として定着した」と言えるでしょう。


昨年4月には、秦野の有名店「なんつっ亭」がマリーナ地区にオープン。ここもまだ日本に4店舗だけの店で、海外はシンガポールが初出店。その苦労談が、「なんつっ亭 シンガポールオープンまでの道のり」(リンク) に載っています。


他には有名な札幌ラーメン「青葉」も味千グループと組んでタンピネスに出店しています。がここはローカルのバイトだけがやっているような店で、ラーメンの出来はひどい。これは、「青葉」の名前を貸して人任せにしたということなのでしょうが、横着をすると評判を落とすことになる、という例ですね。


と、ここまで日本の有名店のシンガポール進出の話をしましたが、個人的には、私が在星中に最も頻繁にお世話になった「麺やしんちゃん」( ラーメン好きの店主が脱サラして出店)を応援したいです。


このように、大資本でない個人の店でも、ラーメンという「コアコンピタンス」 を引っ提げて海外進出を成功させています。売っているものが「世界に通用する」ものであれば、世界中の「未満足ニーズ」 を狙うことができる、ということなのです。




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「世界に反転攻勢!」

1月4日に放送放送された、「ガイアの夜明けSP 世界に反転攻勢!」ご覧になりましたか?


番組ではまさに、このブログの「日本はこのまま衰退してしまうのか?」 以降の回で私が意図してきたことが取り上げられていました。


番組で、サンリオの辻社長が「日本は文化を輸出すべき」と言っていましたが、まさにそのとおり。


日本はこれまで工業製品(モノ)を売って生きてきましたが、これからは、「サービス」や「文化」を売っていくべき時なのです。


番組でも取り上げられた「ハローキティー」ですが、日本では幼稚園からせいぜい小学生の女の子の持ち物ですが、台湾では20代でもキティーのトレーナーを着ていますし、アメリカでは、番組でも取りげられていたように、有名「キティラー」のマライア・キャリー などのおかげで「キティー=セレブ御用達」のイメージまでできているほど。


また番組では、「日本の旅館のおもてなし」を輸出しようという「加賀屋」の例も取り上げられていました。


アジアの人たちにも、「日本」といえば「オンセン」はよく知られていて、単語としても日本語そのままの「ONSEN」で通じます。


私もシンガポールのローカルスタッフにやる気を出させるために「売り上げ達成したらオンセンにつれてってやる!」というインセンティブを使ったこともありましたが、とてもよく効きました。


「温泉」そのものは加賀屋が進出する台湾にも元々ありますが、ここで言う「ONSEN」は、日本旅館の建物や食事、サービスなどと一体となったトータルな「風情」としての「ONSEN」です。


そこにアジアの人たちは憧れを持って「一度行ってみたい」と思っているのです。


また、もうひとつ取り上げられていたのが「QBハウス」


日本でも理髪業はながらく規制と商習慣に守られた沈滞した業界でしたが、「QBハウス」は規制緩和の波に乗って、理髪業に「破壊的イノベーション」を起こしましたが、このノウハウを、アジアに輸出しようとしています。


さて、あなたの業界はいかがですか?

「生き馬の目を抜く」ような激しい競争に直面して、青息吐息の状況でしょうか?


だとしたら、あなたの会社にも「世界進出」の大きなチャンスがあるかもしれません。


日本の激しい競争の元で切磋琢磨し進化してきたノウハウ(=コアコンピタンス) を持ってすれば、日本ではそのレベルが「当たり前」になってしまっていて「青息吐息」でも、世界にはまだまだそれを求めている「未満足ニーズ」 が広がっているのです。


自分の持っているものの何が「コアコンピタンス」なのか?


そして、それを利益に変える「未満足ニーズ」はどこにあるのか?


視野を広げて考えて見ると、ビジネスの可能性は大きく広がっていきます。




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タンザニアの「なんちゃって日本の中古車」

前回、 シンガポールの


「なんちゃって日本のお菓子」


のお話をしましたが、今回は、筆者がアフリカはタンザニアで見つけた

「ヘンなもの」です。


(日本人から見たら「ヘン」でも、彼らはマジメにやっているんでしょうけど。。)



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↑「つぐみ幼稚園」のバスに、「大きなお友達」がたくさん乗っています。

日本の中古車をそのまま使っているようです。



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↑一見、「コスモ石油」が使っていた中古車が輸出されて、そのまま使っている車、に見えますが。。。


よく見ると、


文字が日本語になってませんね。


タンザニア人が、「コスモ石油の車に見せかけたニセモノ」をわざわざ作ったようです。



なぜ、わざわざ「コスモ石油の車ニセモノ」を作る必要があるのか?


ここからは、筆者の想像も入りますが、こういうことだと思うのです。


彼らが価値を感じているのは、「単なる日本車の中古車」なのではなく、「日本で使われていた日本車の中古車」なのではないかと。


日本で使われていたということは、「整備がきっちりされていて状態の良い車」という証であり、それが「品質の証(=ブランド)」になっている。


元が日本車であっても、アフリカで使われていた車では、整備がちゃんとされているかどうかわからないから信用できない、ということなのではないでしょうか。


そう考えると、上の「つぐみ幼稚園」のバスも、ペイントを塗り替えるお金がないからそのまま使っているわけではなくて「日本語が書いてある」ことに、実は価値があるのではないかと思われます。ということは、これもシンガポールの「なんちゃって日本の菓子」 と同じ構図ということです。



つまり、アフリカでは、整備がちゃんとしている中古車が少ない、という大きな「未満足ニーズ」 があって、そのニーズに「日本で使われていた車」が応えている、ということなんでしょう。


これも、「これからの日本が売るべきもの」とは?の回 から書いてきている、「日本の品質」への信頼が価値になっている実例だと思います。



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