『℃LUTCH』 -4ページ目

衝動

今の僕から

あの頃の自分に言ってやりたい

人は呼吸を止めたら死ぬ

心も言葉にして吐き出さないと

心が死んでしまうんだよと…


強がる人は自分を偽り

自分自身を否定している人

本当に強い人は

弱さを表現できる人なんだと…


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まだ僕はRへの気持ちが残っていた

Rに近づきたかったからなのか

未練が僕を衝動的にさせた


Rの腕にタトゥーがあった

僕も腕にタトゥーを入れた


Rはバイクに乗っていた

僕は新車で50ccのマグナを

ローンで買った


金もないのに…


あの時の僕の衝動は

Rに未練があっただけじゃなく

憧れがあったのかもしれない…


幼い頃から内気で

強がって生きていた

Rと出逢い、心の何処かで

強がらなくていい

甘えていいんだって…



それが切っ掛けか?

張り詰めていた心が

爆発してしまったけど…


生まれてはじめて心を許せた

Rに憧れ、少しでもRに

近づきたかったからじゃないかと…


病んでいたとはいえ

そんな憧れが僕を

衝動的にさせたんだと思う…


バイクで施設に通勤するようになり

何処に行くにもバイクを愛用していた


通院していた病院も担当医と合わず

施設の人に紹介してもらった

精神科に転院した


「混合性抑うつ障害」と診断された


発病から僕は他人に対して

時より心がないと勝手に感じた人には

攻撃的になっていた


道ゆく人通り…


すれ違いざまに

たまたまぶつかったお婆さんに

「どこに目につけてんだよっ!」

と、怒鳴ったりしたこともあった


飲食店やコンビニの店員

接客態度が悪いと

声を荒げることもあった…


自分でコントロールが

できなくなっていたのだ…









気持ち



不安定な心が

落ち着いてきた頃…


Rの同級生Yが

プールの指導員として働いている

某区にある福祉施設の

ボランティアに誘ってくれて

時々、僕は施設に顔を出すようなった


Rもまた学生時代は

プールの指導員として働いていた場所で

そこは学童もあり

障害を持った子や親御さん

0歳児から高校生までが利用していて

Rの母親も勤めていた


Rの母親には

Rと付き合っていることは伏せていたが

うつ病で通院していて

精神的に不安定であることを

Rの母親、館長

数名の職員には話していた


事情を知る館長、職員も

親身に接してくれて

気持ち的にも安心できる環境だった…


ボランティアをすることで

純粋な子供たちと触れ合い

癒され、気分転換にもなっていた




でも精神的に不安定な日は

またRが浮気しているんじゃないかと

疑っては不安になり

Rへの執着心が強くなっていた


日に日に二人の関係は崩れ


R「もうこれ以上、抱えきれないよ」

と、別れを告げられた



そうして僕は余儀なく

Rと別れることにした、、、




これからどうしよう…

自分が追い詰めてしまったんだから

仕方ないよね…


行き場も居場所もない…

強い不安が僕を覆い被さる…



そんな時、元彼Kが

家に(バイト先の寮)

おいでと言ってくれた


僕の身勝手で別れたのに

そんな僕を何も言わず

受け入れてくれたのだ…




元彼Kと暮らしはじめた頃

福祉施設の館長に呼ばれる



館長「取り敢えず、半年間だけど

非常勤で働いてくれないかい?

少しでも収入になるし、どうかな?

来館者の受付管理が中心で

事故や怪我がないか監視してもらう

業務だからさ」


僕は非常勤として

働かせてもらうことにした…




「精神的に苦しんでる人へ…」


自分自身を見失った時

ネガティブになり

自己評価が低くなる

そんな欠けている部分や足りないとこも

許し受け入れてあげてほしい


誰かが、他人が

気づかせてくれることもある

教えてくれることがある

手を差し伸べ

助けてくれるから…


自分自身を否定してる人を

誰かに愛してもらおうなんて

可笑しな話しで…

だから、今の自分を許し

受け入れてほしいんだ、、、






何で生きているの?



自宅で、目が覚める…


見覚えのある風景が
ぼやけて見える…


「こうし?」

視界に入ってきたのは
心配そうに見つめ
名前を呼ぶRの姿があった

Rの横には友人N(男性)とY(女性)がいた…
※YはRと同級生で
付き合った時に紹介されていた


状況を理解した僕は
「何で生きてるの!?」
「なんで?なんで…」と、泣き崩れた

そんな僕を
Yは抱きしめ、慰めてくれた


それ以降の
その日のことは、覚えていない…



後々、聞いた話…



光、歩道橋と言って
切れてしまった電話


Rはバイクを飛ばし
思い当たる所を
片っ端から探しまわり
都庁付近の歩道橋で
倒れている僕を発見した。

救急搬送された僕は
すぐに胃洗浄の応急処置を受け
暫くして医師から帰宅の許可が出て
家まで連れて帰ってきたんだと、、、

Rは、動揺していた
一人では不安だったからと
NとYに連絡して
来てもらったんだと言っていた、、、。


自殺を図る、数日前


僕はRに付き添ってもらい
心療内科を受診
うつ病と診断されていた

食欲もなくなり
日に日に痩せていく
一日中、眠り続ける日々が続き
やがて仕事も辞めざるを得なくなっていった



そんな僕にRは
「生活費は俺が稼いでくるから
ゆっくり病気を治そう」

と、言ってくれていた、、、


僕は自分自身を責めた

うつ病になり
仕事を辞め、収入もない
カード等の支払いもある中で
Rに負担や迷惑をかけてしまってる
そんな自分自身を責めた、、、


ある日…

Rが帰って来て、風呂場に直行
シャワーを浴びていた
その普段からしなかった行動に
僕は真っ先に
浮気をしてきたんだと、勘が働いた…


その、勘は当たっていたのだ


僕は謝るRに
感情的になってRを責めた



その翌日…

僕は自殺を図った

今だからわかることは
死にたいは…
「助けて」「生きたい」なんだと…