大沼孝次のブログ -3ページ目

vol.2「さきいかの恋」台本※執筆中

ミヤコ「ん?ああ、たまたま、偶然。隣の人」

 

聞き耳を立てていたマッキーも、なーんだ、そーいうこと、というような感じ。

ああ、すいません、というバツの悪い苦笑いの工藤。

 

気を使って損したわ、みたいなマッキーの横顔。

一方、カズミだけは急に笑顔、輝く。

 

カズミ「がはは!そーなんだあー!がはははは!いやあ、あれですよ、昔から、ほら、よく言うじゃないですかあ、通りすがりも縁のうち、みたいな!ねっ、ねっ!これも、なにかの、ご縁ですよね!どちらまでゆかれるんですか?お仕事かなんかですか?」

 

カズミが大声なので、斜め前方に座ってるオムスビが、きっ、とした顔つきで、工藤たちのほうに目を向けた。

なので、工藤とミヤコは気がきじゃない様子。

また、いつ怒鳴られるか、わかりゃしないぞ、これは、みたいな。

が、しかし、カズミは、そんな事情は、まったく知らないわけで、相変わらず明るく元気な大声が続く。

 

カズミ「あっ、ああ、お名前は、お名前聞くの忘れてたわあー、あたしったら、やあねえ、もおー、あ、あたしは、カズミです。で、こっちは、マッキーです。前の職場の仲間なんですけどね!みんなで失恋ツアーなんですよお、もお、ばばあとぶすどもとでぶがねえ、あっはっはっはっ、もお、いやあねえ、あ、ああ、で、あのお、お名前は?」

 

工藤「あ、あのお、わたくしは、く、く、く・・・・」

 

なにぶん、声を殺してしゃべらなければならない、ので、こんなふうになる。

 

工藤「くっ、くっ、く・・・・」

 

マッキー、カズミは事情がわからないので、だんだん顔が、ひきつってくる。

ミヤコはわかってるので、隣の席で、そら、がんばれ、的なエールを送ってる。

 

工藤「くっ、くっ、くうー・・・・」

 

カズミ「ど、どこか、ぐあいが悪いんですか・・・」

 

あたしの目の前で吐かないでよ、みたいな態度に急変化するマッキー。

 

工藤「いやいやいやいや、そーいうことではなくて。じじじ、自分の名前は・・・くっ、くっ、くくくくく・・・・」

 

カズミ「あははは!わかったあー!それ、森進一の真似ですか!あははは、ふるー!まだ生きてましたっけ、森進一」

 

すると、工藤、足元においてた空缶に足先がぶつかって、マッキーの足元へ、ころころころころー、と。

あわてて、それを拾う工藤。

そのまま工藤の顔面、マッキーの股間へ。

ずぼーん、と。

 

マッキー「わあー、ちょっと!」

 

工藤「ありゃりゃりゃ!こりゃ、これですこれです!」と右手に掴んだ空缶を示す。

 

工藤「もう、転がらないように」と空缶を右足で踏み潰し、さらに、それを自分の尻の下へ、で、座ると、尻に潰れた空缶のとがった部分が刺さる。

 

工藤「あっ、てえーーーーー!」と、前につんのめって、マッキーの胸に顔面を深々と埋めてしまう。

 

マッキー「なんだよー、てめえー!」

 

工藤を突き放し、座ったまま思いっきり右足で蹴り込む。

と、こーして、マッキー怒って、後ろの座席へ行ってしまう。

 

マッキー「ちかん!ヘンタイ!」

 

工藤「いや!あっ、あああーー!」

 

オムスビ「うるさいうるさいうるさい、うるさーい!なんなんだよ、おまえら!うっせえんだよお!しずかにしろおー!」

 

もう、満を持して立ち上がって怒鳴るオムスビ。

このあたりまでの展開は、古典的な、クレイジーキャッツとかドリフのギャグ構成と同じ。

さあ、演者諸君、存分に会場の笑いを、掴んで乗ってください。

 

工藤、直立不動。

 

工藤「あ、あ、す、すいません」

 

ゆっくりと席につく。

そのとき、おれは、なんで左手にテッシュを握ってんだろうか、と。

まあ、いいや、と、そのティッシュで自分の額のあたりの冷や汗を拭ったりする。

車内販売員、カートを押しながら、やってくる。

 

販売員「横浜名物~、お家系ヨコハマとこつラーメンまんじゅう、お家系ヨコハマとんこつラーメンまんじゅうは、いかがでしょうか~」

 

カズミ「あっ、すいません!それ、それ、ください!あ、あと、うーん、と、あ、かめや万年堂のあほな、と。あ、あと、鉄板エビセン。あと、ネオゼネシス元祖エヴァンゲリヲンえだまめ。うーん、と、あ、あと、あと、ビール4本とタマゲタ缶チューハイ4本ください!ほらほらほらほら!旅行なのよ、りょこーよ!ぱーっ、と、いきましょうよ、ねっねっねっ!たのしー、りょこーの、はじまりなのよおー、ねねね、乾杯しましょうよ、乾杯。ほらほら、マッキーも、こっち戻ってきなさいよ、もう、さささ、みんなでね、乾杯、乾杯、おっほっほっほっー!」

 

が、マッキー、動かず。

ふてくされた顔のまま、スマホいじってる。

 

カズミ「あ、あっ、で、で、あたしはカズミ。この、うとうと、居眠りしてんのがミヤコ。で、後ろのがマッキー。前の職場で一緒だったんですよお。とくよう、で。あ、特別養護施設。老人ホームです。そこで介護とか介助とか、リハビリとか、そういう仕事。まえは、みんな東京だったんですけど、いま、あたしとマッキーは神奈川の施設に異動になって。

あ、それで、お名前は?」

 

工藤「く・・・工藤、です。はい」

 

隣のミヤコは、もう、すっかり居眠り中。

 

カズミ「お仕事は、どんな?」

 

工藤「いやあ・・・麻婆豆腐屋を、やってたんですよ。仲間たちと一緒に」

 

カズミ「麻婆豆腐・・・あ、らーめん屋さん!あー、美味しいですよね、らーめん!」

 

工藤「あ、いや、麻婆豆腐だけのお店で。なんでか、っていうと。らーめん屋さん、って、すごく多いじゃないですか。だから、まあ、差別化ということで、うちは、麻婆豆腐だけの店でやろう、って。そういうことで。いや、絶対、自信あったんすよ。でも、やっぱり、それじゃ、うまく行かなくて。つぶれちゃいました。はい」

 

カズミ「ああ・・・やっぱり」

 

工藤「いやあ・・・はあ・・・。たいへんですよ、もう・・・仲間同士、ケンカなっちゃっうわ。借金山盛りだし。ニょーボーは小倉の実家に帰っちゃうし。ニょーボーの実家からも借金しちゃってるし。で、これから、小倉、いくんですよ。いろいろ話し合いしなきゃいけないから」

 

カズミ「ああ、そーいうことなんですかあ」

 

工藤「はい」

 

カズミ「まあまあ、ほら、人生、八転び七起き、って言うじゃないですか!八回転んでも、七回立ち直れば、いいんですよ!」

 

工藤「えっ?あ、あれ?一回、足らなくないっすか?たおれっぱなし?」

 

カズミ「まあ、なんでも、いいじゃないですかあ!さあ、元気だして!元気がなければ、なんにもできない!アンモニア猪木さんも、そう言ってるじゃないですかー!あ、死にました、っけ?」

 

工藤「いや、まだ生きてると思います」

 

カズミ「あっはっはっはっ!まあまあ、さあ、元気元気!」

 

 

オムスビ「だーら、うっせーんだよ、この、でぶが!」

 

ミヤコ「でぶ!」

 

この一言で目覚めるミヤコ。

 

マッキー、ミヤコ「あっ!」

 

ミヤコ「あー!」

 

マッキー「やばい、やばい、泣いちゃうから、泣いちゃうから」

 

オムスビ「でぶ!」

 

カズミ「エーーーーーン!」

 

マッキー「ああ!泣いた!」

 

ミヤコ「やっぱり!」

 

カズミ「エーーーーーーーーーーーーーーーん!」

 

マッキー「あんた、責任取りなさいよ!」

 

と、マッキー、なぜか工藤を指差す。

 

工藤「えっ、お、おれ?」

 

マッキー「女の子、泣かせちゃったのよ!きちんと責任取りなさいよ!あんた、それでも男なの!」

 

工藤「えっ!」

 

オムスビ「女の子?」

 

ミヤコ「でぶぢゃない。ぽっちゃりだって、言ってあげてください」

 

工藤「えっ!」

 

ミヤコ「きみは、でぶなんかじゃない。ぽっちゃりだ、って。そう言ってあげてください」

 

工藤「あ、いやあー・・・・しかし・・・」

 

ミヤコ「言ってあげてください!」

 

工藤「ええええ・・・あ、あのう。ぎり、ぽっちゃりですから」

 

カズミ「ひっくひっく・・・えーーーーーん!」

 

マッキー「あんた、ばかあ!」

 

ミヤコ「ぽっちゃりで、かわいいよ、って」

 

工藤「えっ!」

 

ミヤコ「ぽっちゃりしてて、かわいいよ、おまえ。あいしてるよ、って」

 

工藤「えっ!」

 

マッキー「言え!」

 

オムスビ「すぐ!もう、すぐ!」

 

工藤「えっ!」

 

カズミ「びええええええええーーーーーーん!あうあうあうあうーーーーー!」

 

工藤「だいじょうぶ!かわいい!もう、ぽっちゃり、かわいい!」

 

カズミ「ほんとうですかあーー!」

 

速い立ち直り。もう、すっかり、笑顔満面。

カズミ「おーっ、ほっほっほっほっ!乾杯しましょ!乾杯!あ、あ、そちらの、オムスビさんも、ご一緒に、いかがですか?」

 

オムスビ「だれがオムスビやん!」

 

マッキー「あのさあ。さっきから、ずーっと気になってんだけどさ。おにぎり、でしょ?オムスビ、って、言う?」

 

カズミ「あら?そうよねえ。おにぎり、ですよ。おにぎり。なんでオムスビかしら?」

 

オムスビ「おまえら、いったい、なんの話しをしてるんだ」

 

工藤「あやー・・・言いません?オムスビって?では、こちら、お集まりのお客様方たちに、お聞きしてみましょう」

 

と、工藤、客席に出て行って、観客に聞いてみる。

やっぱり具は、明太マヨですか、とか。

ノリは、しめってる派ですか、ぱりぱり派ですか、とか。

 

という、そんなパフォーマンス、入れる。

観客のリアクションに合わせて、落ち着いたら工藤が舞台に向かって言う。

 

工藤「ということで、俵さーん、スタヂオにお返ししまーす」

 

カズミ「あのおー、このサキイカ、あけちゃって、いいですか?」

 

工藤、舞台に戻って、自分の座席に着席。

ストーリーに戻りましょう。

 

工藤「いやあ、それが、どうしても開かないんですよ」

 

カズミ「うーん!うーーーーん!」

 

まま、そーして、ほどよく、公安とデブ駅員、通路にやってこようか。

 

マッキーは後ろの座席で不機嫌なまま、脚組んで窓の外を見てて。

カズミは工藤に話しかけてる雰囲気。

ミヤコは、なにやら、にやけ顔で、ぼーっ、と宙空を見てる。

オムスビは必死こいてPCに向かい中。

 

デブ駅員「えっえええっー!それは、ほんとうですかあ!」

公安「大きな声を出すな!まわりに聞こえるだろう?これは極秘情報なんだ!」

デブ駅員「ああああ、あうあう・・・すすすす、すいません」

公安「ふっふっふ・・・ああ、そうともさ。ほんとだともさあ。昨夜だよ昨夜。じっちゃんが、おれの枕元に立ったんだ」

デブ駅員「えっええええっー!あの伝説の、銭形ヘイジの斜め前の長屋に住んでいたという由緒正しき先代の名を受け継ぎ、過激派数十名が完全武装しながら目の前を通りすぎても、まったく気づかなかったという、あの有名な鉄道公安・ガニマタゆくぞお様が!」

公安「そうともさあ。あの伝説の、鉄道公安ゆくぞうが、孫のおれのガニマタくるぞお様の夢枕に立ったのさ。ふっふっふっ。で、お告げがあった!」

デブ駅員「そそそそ、それは、なんと!?」

公安「10月10日10時東京発のぞみ10号に、いまだかつて見たことのない凶悪犯が乗車する、と」

 

この瞬間、乗客全員、なんとなく、この2人の存在に気づき、彼らの会話を盗み聞きし始める。

ただし、ミヤコだけは、宙空をぼんやり見詰めたまま。

 

デブ駅員「そそそそ、それでそれで、そいつは、いったい、どんなにか恐ろしい凶悪な悪事をしたのでしょうか!?」

公安「過去の日本犯罪史上、かつてない!こんな大犯罪は、ない!それは、それは、それは・・・もう、あーんなことや、こーんなことや、そーんなことまでもが、もう、くちにすることすらも、おぞましい!」

デブ駅員「あうあうあうあああーーーー・・・」

公安「まさに今日、おれは、そんな極悪人を、逮捕する!」

デブ駅員「ででで、おおおおお告げによりますと、そそそそいつは、どんな風貌のやつですか!」

公安「うむ!お告げによると!」

デブ「お告げによると!?」

公安「それは、もう、誰が見ても凶悪犯だとわかる風貌、とのことだ。即、逮捕だ!」

デブ駅員「そそそそ、そーなると、テレビの取材なんかも来ますね!」

公安「そりゃあ、来るだろう。なんといっても、かつてない、大手柄だからな」

デブ駅員「今夜のニュースで放送されますかね?」

公安「そりゃあ、放送するだろ。1番をつけても2番をつけても3番をつけても、みんなみんな、ぜーんぶ、もう、大画面だあ」

デブ駅員「ドキュメンタリーのドラマとか、映画にも、なりますかね?」

公安「そりゃあ、なるだろ」

デブ駅員「自分なんかも、インタビューされますかね?」

公安「え?」

デブ駅員「わたくしは、有名人になることが、子どもの頃からの夢でした。ダンスも、やりました。ハードロックの歌手を目指したこともありました。みんなに注目される、あこがれの有名人です。そんな、わたくしの長年の夢が、ついに・・・だから、ずっと、練習してきたのです。見てください!どうですか、これ!」

 

と、片手に持っていた色紙を公安に見せる。

 

公安「これは?」

デブ駅員「サインです」

公安「はなを・・・かじった?」

デブ駅員「ちがいます!はなおか・じった、です!」

公安「はなおか・・・じった」

デブ駅員「ちがいますよ!花岡実太です!」

公安「だから、はなおかじった、でしょ?」

デブ駅員「違いますよ!もう、やんなっちゃうなあ!さあ、いきますよ」

公安「えっ?くいんとりっくす、みたいな。わかるかなあ、わかんねえだろうなあ」

 

と、にやりと観客にあやしく笑いかけ、デブ駅員を追うように舞台を去る。

 

 

と、いうことで、2人、引き下がる。

 

カズミ「ねっ、ねっ、ねっ、聞いた聞いた?いまの聞いた?ねえ、ミヤコ!凶悪犯ですってよ、凶悪犯!」

ミヤコ「えっ?なにがー

?」

カズミ「すぐ、ここ!ここで、いま、話してたじゃないの!」

ミヤコ「だれがー?なにー?ぼーっ、としてたから、わかんなかった」

カズミ「もう!だから!」

工藤「まあまあ。

 

ここでオムスビ、激怒、立ち上がって怒鳴る。

 

オムスビ「だから!しずかにしろ、って、言ってんだよお!この、でぶおんな!」

 

ここで、すかさず、工藤、立ち上がって謝罪。

 

工藤「あ、ああー!すいません!すいません!そこまで!そこまで!」

 

まあまあ、まあまあ、という感じで、オムスビをなだめる工藤。

オムスビも、なんとか、こらえて。

2人、それぞれに、ゆっくりと着席。

 

カズミ「いま・・・でぶ、って、言いました?」

工藤「言ってない!言ってない!だいじょうぶ!だいじょうぶ!」

マッキー「あたし聞こえたから。でぶ、って言った」

工藤「ええ!」

カズミ「ううう・・・ひっく、ひっく・・・ううう・・・」

工藤「ちがうちがうちがう!落ち着いて、落ち着いて!あっ、ひょっとして・・・・あいつが凶悪犯かも知れない!」

 

と、オムスビを指差す工藤。

 

ミヤコ「それは違うと思うな」

 

工藤「えっ・・・。ままま、乾杯しますか、乾杯」

 

 

アナウンス「この電車は、間もなく京都に到着いたします。

This train soon will be arrive at the Kyouto.」

 

ミヤコ「あれ?名古屋は?名古屋はなしですか?」

工藤「はい。この本の作者が、名古屋は味噌カツと売春しかないから飛ばす、って。トヨタがスポンサーにでもならない限り飛ばし続ける、って。ずいぶん、たかびーなことを、ぬかしています。究極の貧乏人ってのは、おそろしいですね。中途半端なカネなら、いっそ、いらないから、って。あのひとの人生、ゼロか100しかないんで」

カズミ「なるほど、ですね。で、劇中は、いま京都に着きましたね」

工藤「はい」

 

で、着物姿の老夫婦、乗車。

着物ジィは、仏頂面。しかめつら。

着物バアは、ニコニコ。

愛想よい、ひとなつこい、そんな感じ。

 

ここにホッピー若狭も、入ろうか。

 

大柄な、いかつい男ですよ。

でっかいバック持って。

もう、殺気が、みなぎってる。

 

着物ジイは工藤たちの斜め後ろ、窓際にジイ、通路側にバア。

大男は、この老夫婦の後ろの座席。

大男こと、ホッピー若狭は、がにまたで、どかっ、と座り、両腕を組んで中空を睨んでる。

 

若狭の、ただならぬ殺気に、みんな、なんとなく緊張。

が、しかし、ミヤコだけは奇妙な表情。

 

若い駅員「す、すいません・・・あああああああ、あのお、じょじょ、乗車券を、拝見しますぅ」

 

もう、緊張しまくった、蚊トンボのやふな、若い駅員再登場。

ホッピー若狭の横に立つ。

もう、びびりまくりの駅員。

完全シカトの若狭。

 

若い駅員「あのお・・・じょ、乗車券を・・・そのお・・・」

若狭「なんだよ、こらあ。乗車券だとおー!持ってるわー、そんなもん!」

若い駅員「ああ、すす、すいませーん」

 

vol.1「さきいかの恋」台本※執筆中

 

台本『さきいかの恋』※執筆中

 

■     舞台設定

新幹線の車内。

後半に一度、喫茶店の店内。

それにて終了。

音響は、電車の進行音はあってもよし。

なくてもOK!

エンディングに、なんか曲、入れましょう。

                      

■     キャスト

40代の中年男・・・・・工藤新一

女性・20代後半かなあ、かわいい系・・・・ミヤコ(工藤の逃げた女房・サトミ)

※     「ミヤコ」さん演じる女優さんは二役演ります。

 

若い男駅掌・鶏がらのような細身、めっちゃ若い、おどおどしてる・若い駅掌

 

女性・30代前半かな、細身セクシー系?・・・・・マッキー

女性・30代後半、太め・・・・・カズミ

顔がおにぎりに似てる30代前半、男性・・・・オムスビ

 

車内販売員の女子大生・・・名なし

 

公安・・・・銭形警部みたいなやつ

デブ駅員・・・でぶの中年車掌。名前、花岡実太

 

京都から着物姿の老人男・・・着物男

京都から着物姿の老人女・・・着物女

京都から大男・・・・ホッピー若狭

 

外国人風の女ダンサー5~10人※1人は車内アナウンサー役もやる

40代後半くらいのスーツ男1人

 

ネズミ色のジャンバーの初老の男※喫茶店経営者役もやる。

 

青森100年イカの男性社員3名※テレビの競馬中継アナウンサー役、キックボクシングのアナウンサー、解説者役もやる。

 

 

 

■     台本

舞台は新幹線の車内。

これから、もう、ずーと、ずーっと、新幹線の車内ざんす。

そこに突如、しわくちゃなスーツ、よれよれのネクタイ、ぼさぼさ頭の中年男、登場。

彼こそは、このドラマの主人公・工藤新一。

二日酔いなのに、駆け足ダッシュで乗り込んできた感、満載。

両肩で、大きく息をついて。

片手にはコンビニの白い袋。

その袋には、さきいかのパックと缶ビール在中。

こんな中年の状態に関係なく、平然と流れる車内アナウンス。

 

 

アナウンサー「今日も、新幹線をご利用いただきまして、ありがとうございます。

この電車は、のぞみ10号、博多行きです。

途中停車駅は、品川、新横浜、名古屋、京都、新大阪、新神戸、岡山、広島、新山口、小倉、博多の順に、停まります。

Ladies and gentlemen,Welcome to this shinkansen.

This is Nozomi super express.Bound for Hakata」

 

このアナウンスはBGMと同じなので、

黙って聞く必要なく、役者は、どんどん進むべし。

 

工藤「ほえー・・・なんとか間に合ったな、と。ふう。

えーっと、13号車は、ここだよな。C12、C12?」

 

と、座席を探すと背後、窓際の座席に1人の女性・ミヤコ。

はっ、と目が合う2人。

 

ミヤコ「あ、すいません。こっち、ですね」

 

工藤「あ、す、すいません」

 

と、工藤は窓際へ、ミヤコは通路側の座席へ。

 

お愛想笑いが、これまたキュートなミヤコ。

おー、これはラッキーと、照れ笑いの工藤。

発進のベルが鳴り、動き出す新幹線。

とりあえず、という感じで、手に提げていた白いコンビニのビニール袋から、

缶ビールを取り出す工藤。

 

栓を引くと、猛然と爆発する缶ビール。

ぶしゅゅゅゅゅゅゅゅぅーーーーーーーーーーーーーっ、と、もう噴水状態。

もう、まわりは、泡だらけだ。

 

工藤「うわあああああーーー!」

ミヤコ「きゃああああーーーー」

 

工藤、あわてて立ち上がると、頭上の棚に激しく頭をぶつける。

 

工藤「あ、いってえーーー!」

 

と、さらに、片手に持ってる缶ビールをカズミに大量にふりかけてしまうことに。

 

工藤「あっ、ああああうー!」

ミヤコ「うひょーーーーーーん!」

 

工藤、ポケットから、使用済みのしわくちゃなちり紙を取り出して、

ミヤコの頭や服に飛び散ったビールを拭く。

 

工藤「ああ、ああ!こりゃ、これは、ああ、すいません、すいません、すいません!申し訳ございません!」

ミヤコ「それ、これ、なに、それは、いやーん、うひょーん、やああああああーーーー」

 

少し離れた斜め前の座席の、PCに向かって必死こいて文章を書いてたオムスビ、突如、立ち上がり、振り向いて怒鳴る。

 

オムスビ「うるさいうるさいうるさーい!おい!うるさい、んだよ!!」

 

びっくりしてミヤコと工藤、その場に直立。

工藤、またしても頭を痛打。

 

工藤「あっ、いってえーーー」

 

思わず笑い出してしまうミヤコ。

が、しかし、オムスビ、さらに激怒。

 

オムスビ「なにやってんだ、おまえはよお!静かにしろ、って言ってだよお!」

 

工藤「あ、ああ、すすすす、すいません」

 

頭をおさえて、ゆっくり座る工藤。

その姿を横目にしながら、くくくくく、と、ビールまみれなくせに必死で笑いをおさえるミヤコも、ゆっくり席に腰を降ろす。

 

工藤、あ、と再び気づいたように片手に握りしめていたままのティッシュで、またミヤコの服を拭こうとする。

が、しかし、ミヤコは、だいしょうぶ、という仕草で、自分のバックからハンカチを取り出す。

 

 

工藤「あ、そうだ。コンビニで、めずらしいサキイカ、買ってきたのですよ。青森100っていう。なんだか、わかんないんですけど、おいしそうですよ。たべます?」

ミヤコ「ああ、いいですね。ビールにあいますね」

工藤「あ、そしたら、ビール、買いましょう。ちょっ、ちょっと待って」

 

ここに若い駅掌、めちゃくちゃ、おどおどしながら登場。

 

若い男子駅掌「すいません、乗車券を、拝見させていただきますう・・・」

 

工藤、ミヤコも、それぞれに乗車券を提示。

赤い判子が押される。

斜め前、オムスビ、イラつきながら乗車券を示してる。

ミヤコはハンカチでスカートなんかを拭いてる。

 

工藤「ほんと、なんか、すいません」

ミヤコ「いーんですよ。これくらい。あたしなんか、もう、どーなったって、いーんですから」

工藤「えっ?」

ミヤコ「どちらまで、いかれるんですか?」

工藤「小倉まで」

ミヤコ「あ、あたしは博多まで。それじゃ、ずっと一緒ですね」

工藤「あっ、そうですか・・・ああ、あ、どうぞ、よろしくお願い申し上げます。あ、ご実家が、博多なんですか?」

ミヤコ「いえ、ぜんぜん」

工藤「えっ?では、なぜに?」

ミヤコ「めんたいこ、食べにゆくのです」

工藤「めんたいこ?」

ミヤコ「とんこつラーメンも食べます」

工藤「はあ?」

 

 

ミヤコ「失恋しました。もう、やけ食いです。10キロぐらい、ふとってやります。もう、食いまくりまくって、もう、飲みまくって、道端に倒れます。こんなわたしでも、拾ってくれる人がいるかも知れません」

工藤「えっ!そんな!そんなヤケを起こしてはなりませぬぞ姫!」

ミヤコ「えっ、なんで時代劇?」

工藤「ああ、すいません、残務整理で、徹夜でやってまして。そんときテレビで『隠し砦の三悪人』やってて。なんか、みちゃって。まあ、そんなことは、どーでも、いーんですけどお。そのお、あなたのようなね、超絶かわいい方が、ですよ。決して道端に倒れたりしてては、決してなりませぬぞ!」

ミヤコ「あたしなんて、そんな、かわいいわけないですよ」

工藤「いやいやいや、そんなことは、ない!」

ミヤコ「かわいーわけないですよ!だったら、フラレるわけないから」

工藤「それは、その男が、ばかなんです!」

 

オムスビ「うるさい!うるさい、って、いってんだよ!」

 

工藤「ああ・・・すすすす、すいません・・・はあはあ」

ミヤコ「あ、お、怒られ、ちゃいましたね」

工藤「それにしても・・・なにをイラついてやがんのかなあ」

ミヤコ「はい?」

工藤「だから、あいつですよ・・・オムスビみたいなツラしやがって」

ミヤコ「あは!あたしも、ずーっと、そう思ってました」

工藤「あはは・・・やっぱり」

ミヤコ「うっしっしっ」

 

 

通路に車内販売が通過する。

 

女子販売員「品川名物、かめやまんねん堂のあほなは、お菓子のホームラン王です。品川名物、かめやまんねん堂のあほなは、お菓子のホームラン王です」

 

工藤「ああ、すす、すいません。ビールを。ふたつ。はい」

 

と、こーして、缶ビール2本買いました。

そして1本を、ミヤコに渡す。

 

ミヤコ「あ、いーんですか?」

工藤「もちろんですとも。あ、じゃあ、ま、乾杯」

ミヤコ「真昼間、この、ぷしゅっ、ていうの、いーですね!休日感、満載ですね」

工藤「あはは、あっ、サキイカ。あ、あれっ?なんだこれ?あきまへん。あっれー、なんで、これ?むーん・・・・」

ミヤコ「ん?ちょっと、貸してみてください。ん?あれっ?んーーーーーーー!」

 

と、チカラをこめてサキイカの袋を引っ張る。

と、手がすべって、右手に持っていた缶ビール、そのビールが、どばっ、と工藤の顔へ。

 

ミヤコ「あっ!」

工藤「わあ・・・」

 

思わず、笑い出す2人。

 

工藤・ミヤコ「あはははは!」

 

オムスビ「おい!」

 

工藤・ミヤコ「あっ、はい。すいません・・・」

 

工藤「うっししし。こっちはねー、こんな美人さんとねえ、いちゃいちゃラブラブしてるもんだからねー、やきもち焼いてやがんの。オムスビ」

ミヤコ「小倉へは?お仕事、ですか?もう、仕事なんかやめて。あたしと一緒に、めんたいこ食べにゆきませんか?」

工藤「えっ!」

ミヤコ「ずっと、一緒に、のみまくり、くいまくりまくって、2人で体重増やしませんか?」

 

その一言を聞いて、もう、工藤、呆然自失状態。

 

アナウンス「この電車は、間もなく新横浜に到着いたします。

This train soon will be arrive at the Shin-Yokohama.」

 

ゆっくり、ミヤコが工藤へカラダを向ける。

ゆっくり、密着してゆく。

思わず、抱きしめてしまおう、と工藤がした瞬間、ミヤコのほうが、がばっ、と窓へ。

 

ミヤコ「マッキー、カズミさーん!」と、ホームに向かって手を振っている。

 

マッキーとカズミ、乗り込んできて、向かい合って2人の前に座る。

マッキーが工藤の正面。

空間が狭くなったし、ああ、なんで、おれは、まだ、このビールの空き缶を持ってるままなんだろうか、と我にかえったような感じで、その空き缶を自分の足元へ。

工藤、前屈みになります。

すると、そこにミニスカ・マッキーのふともも。

まるで、パンツを覗きこむような体勢になってしまった工藤。

なに?という感じで、ちょっと眉間にシワを寄せるマッキー。

あっ、あらら、こりゃ、すんません、みたいな工藤。

あれっ、誰なんだろう、という感じで、マッキーとカズミは工藤に向かって愛想笑い、軽い会釈みたいな、そんな雰囲気。

 

カズミ「あのう・・・どーゆー・・・」

と、すずしい顔のまんまのミヤコに囁く。

Norichika vs Kunihiro story

Karate

Genius, who is Norichika Tsukamoto.
We had never seen Norichika type.
Never appear again.


And…..
Never Give Up, he is Kunihiro Suzuki.




This e-books documentary records.

This impression, it does not lose the shine.


I wrote this Japanese book "Kyokushin karate Tsukamoto Norichika and Kunihiro Suzuki" in 1996.
There is a part an organization name is recording on a condition in those days.
And I am so sorry about my English not high level.
I hope you will have adds enjoy about my mistake English words.
So, transfer to English, this work very hard to me.
But it enjoy and glad to me.
Cause it I had promise to Norichika and Kunihiro.

Karate, Kick Boxing, martial arts, or another,
If you like some kind of sports,
I think would you enjoy this e-book.
I want read it so many people in the world.


Greatest records of the Karate history in here.

"History of the Norichika Tsukamoto vs Kunihiro Suzuki story."

「medibang.com」「Kindle」
search word "Norichika vs Kunihiro"


Please read this e-books.
I hope you will have a enjoying.


https://medibang.com/book/wj1505312357462050000034814