こうなん動物病院 -72ページ目

うちの手術で使う糸

手術で使う糸には色んな種類があります


まずは大きく溶ける糸と溶けない糸


うちで使ってる溶けない糸のほとんどがこのナイロンです↓


Kohnan Veterinary Clinicだより

溶けない糸を使うのはほぼ皮膚のみです

ワンちゃん、猫ちゃんは傷口を大事にするということより

身体に何かついてる事を気になるみたいなので皮膚は溶けない糸でしっかり縫合します


昔は値段的にも安いので溶けない糸を身体の中に使っていた事もあったそうです

今は糸に反応して身体の中でコブを作ってしまう病気があることも分かってきたので


当院の基本的(避妊・去勢etc)な手術は開業時より

溶ける糸身体の中を縫合しています

なので手術後、数ヶ月もすれば体内の糸は溶けてなくなります

→ただしヘルニアの穴を塞いだり永久に糸が必要な部位には溶けない糸を使うこともあります


 特にダックスさん、ゴールデンさんは糸に反応しやすいそうです


うちで使う吸収糸の代表です↓
Kohnan Veterinary Clinicだより
 


溶ける糸の中でも複数の糸を編んであるものと1本糸のものがあります

1本糸の方が身体の中の炎症反応は少ないそうです

その辺は犬種や手術の内容に合わせて選んで手術しています


最近では縫合糸を使わなくても出血なく手術できる機械もあります

ただ導入するとなったら避妊・去勢手術の料金も1万円くらいは上げなくていけないくらい高い機械です


吸収糸を使う場合、溶けない糸に比べ格段に高いというデメリットはあります

それでも僕自身手術された後に身体の中に糸が残るのはイヤだし不安なので

多少のコストはかかっても吸収糸を使っています

刺激

先週末は白内障手術の実習、昨日は骨盤骨折の手術の見学をさせていただきました


病院が終わってからのスタートなので、どちらも終わって家に帰ってきたら午前3時でした


夜に勉強会や手術があると興奮するのか終わって家に帰ってきても寝付けないことが多いです


同世代の先生がバリバリ手術してたりするのを見ると大変刺激になります


技術やコツなど盗めるものをドンドン盗んで日々の診療に役立てていこうと思います

部分日食

7/22 10:13 


雲の隙間から太陽見てみました


日食もう始まってましたー 右上がほんの少しかけてましたよ


日本気象協会によると愛知県の食の始めは9:50、食の終わりが12:25くらいでした


あいにくの曇りですが、雲の隙間から太陽見るので目には優しいかも( ̄▽+ ̄*)

フケだと思ったら・・・・

全身の毛先に粉をふいた様なワンちゃんがワクチンに来てくれました

正直、ぼくもフケがたくさん付いてるだけだと思ってましたので、

最初はシャンプーしてあげてくださいねーと帰してしまいました

ところがシャンプーしても毛先のフケが取れないので、フケを1個とって顕微鏡で見てみると


おおおー



Kohnan Veterinary Clinicだより

ツメダニでしたー(((( ;°Д°)))) ハンセイ ハンセイ


なんともなんとも小さなことでもオヤっと思ったら検査をした方が良いなとあらためて思い知らされました


治療はセラメクチンを背中塗布します

能書外使用になりますが、大概効いてくれます


フケが異常に多い子は一度、病院でフケを調べてもらうと良いと思います

勉強


Kohnan Veterinary Clinicだより

昨日は夜から犬の膵炎の勉強をしてきましたー


10年前、5年前の常識が通用しない世界なので、獣医師になったからには日々勉強です

昨日も夜9時からにも関わらず、たくさんの獣医さんが勉強にこられてました


この前の日曜日は心エコーセミナー、今度の日曜日は抗がん剤、その次の日曜日も確かなんかあったような・・・


春の予防シーズンが終わると残りのシーズンは学会やセミナーの予定がどんどん入ってきます

新しい情報を仕入れるため、出来るだけ参加する予定です


得た知識を診療に活かせるよう頑張りますo(〃^▽^〃)o



術前準備

今日は去勢手術がありましたので、当院の手術を紹介します

まずは手術に入る前までの段階を紹介します


手術の日はご飯とお水を抜いて来院してもらいます

麻酔をしたときに吐いてしまうと、気管に入って詰ってしまうことがあるからです


病院に来てもらったら、まず血管を確保します


Kohnan Veterinary Clinicだより


Kohnan Veterinary Clinicだより

この管から麻酔薬を投与したり、緊急時には緊急薬を投与します

麻酔の安全を確保する意味でも血管の確保は基本です



Kohnan Veterinary Clinicだより

当院の麻酔は超短時間の麻酔薬で導入し、ガス麻酔で維持します

ガス麻酔は麻酔を止めると覚醒が始まるので非常に安全です

ちなみにうちはイソフルレンというガス麻酔薬を使っています

麻酔の導入薬は基本的にプロポフォールという超短時間麻酔薬をつかい、また必要に応じて動物に適した鎮静薬や鎮痛薬を組み合わせます


麻酔の導入が終わると、ガス麻酔の為に気管チューブを挿管します

麻酔の導入は気管チューブを入れるためにするので、気管チューブを入れられる最低限の量を使用します

↓これが気管挿管の為の道具です


Kohnan Veterinary Clinicだより

気管挿管が出来れば麻酔モニターを装着します

身体中コードだらけになります


Kohnan Veterinary Clinicだより

ここまで終わると患部の毛を刈って準備は終了です


麻酔の準備で一番大変なのは血管の確保です

血管が確保は手術の中で唯一動物が抵抗示す処置(あとは沈静や麻酔がかかってるので・・・)なので、血管が確保できれば何となく半分くらい手術を終えた気になります

今日は暑かったですねー

今日は本当に暑かったですねー

なんだか蒸し蒸し大変でした


暑さの証拠に今年初めての熱中症のワンちゃんが来院されました


呼吸困難で腰が抜けちゃった状態

熱を測ると42度以上ありました


まずは熱を下げるためにわきの下と股の付け根にアルコールをスプレーしアイスノンを当てて風を送って体温を下げる処置をし、同時に血管確保して点滴を開始しました


飼い主さんの発見が早かったので、半日経った今は状態は落ち着いて

「帰らせろー、飯食わせろー」

と大騒ぎです


一応、胸部のレントゲン、エコーで心疾患を除外したり、血液検査もしましたが他に病気らしい病気は無かったので、もう少し点滴したら帰ってもらう予定です


今回は軽くすみましたが、熱中症は命に関わる病気ですので、暑くなるこの時期は熱中症対策をしてあげて下さい

マダニさん襲来

たくさんのマダニに寄生されたワンちゃんが来院くださいました



分かりにくいですが↓耳の中だけで7~8匹いました




Kohnan Veterinary Clinicだより




マダニ退治にはフ○ントラインを使います


マダニを無理やり引っこ抜いたり、潰したりするのはやめた方が良いです


頭が残ったり、卵を床ぢゅうに撒き散らすことになります。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。



マダニの寄生は本人が一番つらいです



ただ治療後の病院の掃除も結構大変です



フ○ントラインをつけると、付けたとたんから結構な量のマダニがボトボトと床に落ちてきます




Kohnan Veterinary Clinicだより



↑こんなマダニさんが診察室、待合にもたくさん歩いていました


頑張って掃除した後も、しばらくすると何故か1匹くらい歩いてたりするんですよね(((( ;°Д°))))



本人を早く楽にしてあげたいので、すぐ治療してしまうのですが、他の飼い主さんの事を考えるとおうちに帰ってからフ○ントラインをつけてもらった方がいい気もします



一番良いのはやはり予防ですね (-^□^-)


お手頃なノミ・ダニ予防薬も出てきたのでお気軽にご相談下さい(*^▽^*)

ミミダニ 続発

ミミダニを連続で2件発見しました

↓の写真のようなダニが耳あかの中にうようよいました

痒かったろうに・・・


Kohnan Veterinary Clinicだより

猫と犬

二人とも子供



Kohnan Veterinary Clinicだより

二人とも真っ黒な耳あかが耳道にぎっしり詰まってました・・・。゚(T^T)゚。



昔は注射を隔週で2回ないし3回打っていたのですが

今は耳を掃除してレボを垂らすだけ、かなり楽です 副作用もない・・・(=⌒▽⌒=)


勝手に消えた腫瘤


Kohnan Veterinary Clinicだより


この子はまだ若い1歳のダックスくん


今日は鼻の横に出来物ができたと言うことで来院されました


見た感じどうも皮膚病って感じでは無かったので、まずは敵の正体を知るために腫瘤に針を数回刺しました


で、出てきたのが↓この細胞


Kohnan Veterinary Clinicだより


同じような細胞が何個も重なって採れてきました


細胞の顔も悪そうな顔をしていません→悪性腫瘍の細胞は見るからに悪い顔をしてることが多いです


これで確定診断できたわけではないですが、まだ若いってことと取れた細胞から皮膚組織球腫と診断し


3ヶ月経って治らなければ手術で取って検査しましょうってことで帰って頂きました


3ヶ月たった今はどこに腫瘤があったのか分からないくらいきれいになってます

 →きれいになった写真を取るのを忘れました(ノω・、)



腫瘍の基本は小さいうちに治療を開始することですが、

今回は検査に基づいて様子をみて治った子を紹介してみました

ただあくまで検査に基づいて経過観察をした症例なので、

何か小さなこぶを見つけたら早めに動物病院を受診することをお奨めします