からだに恥をかく体操〜えんぴつみがき〜 -129ページ目

乳首が取れてるアクトレス

「お前口臭いな」
『まじで!?そんな…ファブリーズ飲んできたのに』
「ファブリーズは飲むもんじゃねえけど飲んでなおこの臭さ。お前凄いな」
『でへへ』



的な。

微笑ボツの話

ほんと、読み返すとおもしろいわ。読み返さないとおもしろくないんだけど。暇つぶしにはなる。しかし、「」側の人が弱いね。おれのめんどくさがりな部分が露骨に出てる。


出来とかなんやらかんやら気にせずとにかく底抜けに明るい何かを書きたいんだけどな…これは微笑に限らず。

あぶらかたぶら(2)

こうなったら話は早かった。あれよあれよという間におれが高校生の頃の記憶に戻ったという話が伝言ゲームのように口から耳また口へとおれの関係者に流布されていった。ガスボンベの爆発とその被害者という社会的ニュースの力もあり、ちょっとした悲劇のヒーロー扱いだ。続々と見舞いに来る社会人になった旧友達、中にはまだ大学生の奴もいたが、親戚縁者、そして当時の担任と校長。なんせこちとら悲劇のヒーローだ。私立ということもあり、無条件での復学は容易だった。休学届を出していたことも事をうまく運んだという。インタビューの依頼もあったが全て断った。密着取材などになればおれの存在と置かれている環境や状況が世間に知れ渡り将来役に立つかもしれないが、嘘が露見しては元も子もない。

“記憶障害以外の”重大な後遺症もなく、腫れ物に触れないようニート時代のことを語らない円満な家族関係の中、順調に回復したおれは色めく世界へと復帰した。

退院して部屋に帰った時、おれがニート時代に買ったものが処分されていたことには笑わせてもらった。十年前の部屋がそこに再現されていた。ニート時代に出会った作家の本、CD、DVD、ゲーム、おれがブログを書いていた携帯電話は新規契約で新しい機種になっていたが、なんとエロ本やエロDVDまで当時の再現をされていた。そこまでしておれに記憶を取り戻してもらいたくないのか。

それらに別れを告げることは寂しくもあったが、おれも注意をしなくてはならない。ニート時代に知ったことや見たもの、習慣や思い出を口に出したり行動に移してはいけない。これは案外たやすい。なぜならニート時代は光陰ライフル弾の如し、大した思い出も、毎日ただ時間を垂れ流していた日々にそれこそまさしく残るような記憶もないからだ。ま、都合の悪いことは全て切り札である記憶障害のせいにすれば良いのだ。

退院して三ヶ月、夏休みが終わった九月からおれはまんまと復学した。周りは相も変わらずおれを持て囃す。たまに歯の髄から浮つくような寒気がするが、いい気分だ。棺桶に片足突っ込んだ甲斐があるというもの。

学力の辻褄合わせが不安だったが、ニート時代おれは勉強すること、強制的に勉強を受ける環境にある種の憧れを抱き始めていた。学歴コンプレックスの為せる所業だろう。退院して部屋に用意されていた教科書の数々をおれは、親の目を盗み、一気に読破し、“記憶を取り戻した”。もちろんこの間失われた十年に於ける社会情報を補充するフリをした。図書館に行ったり、インターネットを巡ったり。その他にも、なんせこちとら十五歳。喋る言葉のリズムや笑うタイミング、ノリ、テンション、諸々を若作りせにゃならない。化けの皮が剥がされぬようおれも必死だ。

新たな同級生になったガキ共の相手をするのも大変だ。あいつら、若い。光陰をただ過ぎ去らせてきたおれだが、多少なりとも精神的に成長している。いや、ひねくれさせている。無邪気にはしゃぐガキ共を見ていると、アテられてしまう。しかしおれも十五歳。授業中、携帯電話から発せられるモスキート音にいちいち淡くリアクションを取るのだ。

果たして今のおれが十五歳の少女に恋をしたらどうなるのか、肉体関係を持ったら法律的にはアウトだろうが倫理的にはどうなるのか、しかし、良くも悪くもここは男の楽園男子校。生徒どころか年下の教師がちらほら。同い年の教師もちらほら。旧同級生の教師が一人。おれはそいつの授業を受けていないが聞くところによるとそいつの授業風景は荒れ気味で、なかなか複雑な状況になってきたもんだ。

週六日六時間の勉強を強制される。しかも内容は毎日確実に進歩していく。毎日毎日向上していく。毎日毎日変化していく。毎日毎日何がしかのイベントがある。純真無垢が服着て歩いているような同級生達は知っているだろうか、こんな特殊な毎日を過ごす日々は今だけだということを。一度この生活からドロップアウトしたおれが言うのもなんだが、楽しいぞ、ガッコウ。

おれの計画の青写真は社会の潮流への復帰であり、その為には高校卒業乃至卒業資格を得て大学へ通い、就職をする。ま、歳が歳だけに、このまま素直に四年制大学を卒業した時のおれは三十二だから、就職はどうなるかわからない。だが、なに、それも大学の選び方次第だ。無駄に年月を経た分おれは、物事のやり方、というものがわかり始めている。例えばおれは苦手科目が無くなった。数学が苦手だったのだが、それはおれが勝手に「おれは数学が苦手だ」と思い込んでいたからだ。筋力トレーニングをする際鍛えている部位を意識すること、理想の肉体をイメージしながらトレーニングすることにより効果が増すことと一緒で、「おれは数学が苦手」「おれは勉強が苦手」とネガティブイメージを刷り込んでいた為にすこぶる勉強の効率や燃費が悪かった。おれが数学を苦手になった原因を突き詰めると、当時数学の先生が気に食わない奴だったから、になる。それはまあなんとも思春期らしい症状ではないか。今のおれにそんなものはない。教科書読んで授業聞いて問題を解いてみる。間違ったら復習する。そして大事なことは始めから高いレベルを設定すること。ゲームで言うな
ら始めからハードモードでやり続ける。気がついたら凄いことしてました方式だ。人間は基本的に向上心というものを持っていない。適応力があるだけで、必要に迫られない限りベクトルは怠惰に向く。だから適応させる環境を高く設定しないといけない。おれは復学してからすぐに一流大学の参考書を購入し、わけがわからないながらも片っ端から取り組んだ。それをやればいい。おれは天才だとイメージしながらやればいい。実に簡単だ。無理矢理勉強させられているわけでもないおれは、学校は勉強するだけの場所じゃない、などという言葉は戯言にしか聞こえない。とはいえこのまま学力が向上し、それなりにいい大学に入れたとしてもおれの場合正攻法ではその先どうなるかわからない。それにおれは今更大企業に入りたいとも思っていない。手に職をつけるような学校に進むのもありだが、おれが考えているのは芸術学部など、言っちゃ悪いが変人達が集まりそうなところに行くことだ。おれも十分変人であろうが。そういったところならばおれの年齢もそこはかとない説得力、いや、納得力が生まれそうだし、その変人達の中に“当たり”が居れば一興だ。ま、それはまだ先の
話だ。

実は復学してからも例のコンビニ通いは続けている。彼女はいる。少し危ない橋を渡っているかもしれないが、恋の前では全ての理性は無力なのだ。幸い、駅から自宅までの道沿いに店はあるので放課後毎日寄り道しても極自然なことだろう。しばらく現れなかった気持ち悪いであったろうおれがいきなり学ランを着て現れたのだから、彼女は笑ったに違いない。彼女が笑うならそれでおれは満足だ。学ランを着ていても煙草は売ってくれる。おれは二十五なのだから。

教師達も旧友達も同級生達もよくしてくれ、毎日が薔薇色の日々。人生やり直し万々歳だ。

そうして一年が過ぎた。おれはまた学校を休み始めた。所詮は擬態。おれが着飾ったメッキはおれには重すぎた。三つ子の魂百まで、か。気がつけばあの時代に元通り。おれはこの世に向いていないようだ。

呆れ果て、疲れ果て、老い果てようとしている親はおれの記憶のことをどう思っているのだろうか。今もまだ記憶を失くしたと信じているのか、“戻った”と思っているのか、始めから嘘だということに感づいているのか。おれにはわからない。

それからまた一年が過ぎた。学校は正式に辞めた。もう誰もおれのことを相手になどしない。コンビニの彼女もとっくにバイトを辞め、どこかで新しい生活をしているのだろう。

気持ちの良い秋風がおれの部屋を吹きぬけた日、最近床に伏せることの多くなった母が血の気の無い、まるで古びた能面のような顔をして突然おれの部屋に乗り込んできた。

「こんなことになるんじゃないかと思ってた!お前は一体なんなのよ!なんなのよ!何がしたいのよ!人を傷つけて悲しませて何がしたいのよ!何様のつもりなの!ふざけるんじゃないわよ!座敷わらしみたいな生活して!いつまでも思い通りになると思ってたら間違いよ!お母さんお前があの時死んでればって、あの時死んでれば良かったのにって思ってるんだから!いっそあのまま目覚めなければどんなに!これを読みなさい!」

があっとまくしたて、どんと強く扉を閉めて出て行った母。おれの部屋の床には母の日記帳。日付はちょうどおれが事故に巻き込まれた日から始まる。そこには母の本心が書き記されていた。

母が本心を書きなぐった日記ほど読後後味の悪いものは無い。おれは中途半端な高さから飛び降りをしようと思う。運良く助かった時には、また…。



終わり。モヤモヤ。

あぶらかたぶら(1)

「学校は?」

目を覚ましてしばらく、おれは心配と安堵の入り混じる表情を浮かべている母親と、カエルに似た顔のナース、昔観たアニメに出てきた犬っぽい中華料理屋の店主そっくりの医師に向かって言った。包帯とプラスチックで固められたコツコツする頭ながらよく回ったものだ。

「学校?でも、そんな」

母親の混乱してる口文字を遮り、丸顔の医師が、

「うん、少し記憶が曖昧になっているようですね。ま、考えうる後遺症ですよ」

と、母に向かって言った。母はより一層目を赤くした。

カエルに似た愛嬌だけで生きてきたに違いないナースは満面の作り笑顔を浮かべ、

「だけどほんと目が覚めて、ねえ、良かったですよねえ」


おれはまた、昔のおれみたいに少し明るい調子で「いやいや、学校はどうなってるの?」と言った。母の目から涙がこぼれ落ちた。

おれは高校を半年で中退した。正式に退学届を出したのは一年後の秋で、それまでは休学扱いになっていた。理由は、あると言えばあるが、ないと言えばない。いじめられてたわけではないし、勉強についていけないこともなかった。おれは得意科目に限っては学年トップクラスの成績を修めていた。苦手科目は赤点ギリギリだったが。学校生活は充実し、なにより楽しかった。だけど辞めた。なんとなく辞めた。ただ漠然とした、口で説明することの出来ない感情のまま辞めた。担任の先生や両親、友達にも理由を説明していない。おれにだってわからないのだから致し方ない。ひねり出すように思いつく理由は、朝起きるのがとてもつらかったとか、電車に乗るのがとても苦痛に感じたとか、めんどくさいとかだった。そんなこと誰にも言えない。今思えばそれら思いついた理由は鬱病の症状に似ているが、おれは根っからの楽天家で、血液型占いなど信じちゃいないがステレオタイプのO型気質だ。脳天気な野郎なのだ。そもそも幼稚園の頃から定期的にズル休みをしていた。ただ単に学校に通うのが嫌いなだけだったんだろう。鬱はどんな奴でも誰でも発症するということは知ってい
るが、自己診断では鬱病のケすらない。

なぜお前は辞めるのかと問われたら貝になって、訊いてきた相手が「勉強なんか将来役に立たないと思ったのか?」とか、「ちょっと疲れたんだよね」とか、そんなおれの思ってもいないことに頷いた。

高校を辞めてから、正確には休学中からは終日怠惰な生活を送った。もちろん朝に起きるなんてことはしない。わりかし校則の厳しい私立の進学校だったからその反動だろう、親や教師がおれの不登校を受け止めた頃、髪を金髪に染めた。

そう言えば休学中、いや、ややこしいがこの時はまだ休学届を出していないただの不登校の時期だ、おれは一度だけ学校に行った。三月の終業式。担任に請われ、また学校自体は嫌でもなんでもなかったし、懐かしくもあったのでおれは素直に赴くことにした。金髪で終業式に参加したのはこの学校始まって以来おれだけだろう。先輩方も後輩達もみんなおれを見た。おれはみんなの視線に嫌気がさして式を途中で抜けると、式の行われている体育館横の非常階段に出て煙草を吸い、解散を待っていた。この行動は在校中のおれからは考えられぬ行動なのだが、おれは不登校になってからどこか図太くなっていて怒られようがなにされようが構わなかった。煙草に火をつけて二、三回煙をくゆらせていると、静かに階段を上ってきたある体育教師に見つかった。その体育教師は学校一怖い教師で、体罰上等、校門の番人、一人風紀委員、彼の前では不良共も直立不動になることが刷り込まれている。背中の産毛が逆立ち、おれは煙草を隠すことも叶わず、階段に座り尽くしていた。そんなおれに体育教師は無表情のまま近づいてくる。おれは鉄拳制裁を覚悟し、ぎゅっと歯を食いしばった。し
かし体育教師は、

「腹でも痛くなったか」

と、木訥な口調で言った。その顔は初めて見る優しい笑顔になっていた。

「は、はは、はい」

ひとまずの緊張が和らぎ、腹をさすりながら苦笑いをしておれが取りつくろうと、体育教師はおれから煙草とライターを奪い、座りながら一緒に吸った。不良でもなんでもなかったおれらしくないなかなか良い思い出だ。その後は特に何か起こることもなく、最後の登校は終わった。

バイトもしたが長続きせず、二十歳を超える頃には立派なニートになっていた。家族関係も悪化し、覆水盆に返らず、引くに引けなくなったおれは家庭内ひきこもりになった。外出は平気だったから完全なひきこもりではないだろう。この間親と一言も口をきいていない。だからこそ効果があったのだ。

気がつけばあっという間に二十五歳無職になっていた。将来に不安がないはずがない。高校中退職歴無し。人生終わってる。高校を辞めたことを後悔していないと言えば嘘になる。あの時辞めなければおれは普通だったんじゃないか、今なら絶対に辞めないんだけどなあ。やり直せたらああしようこうしよう。そんな現実逃避が暇を持て余した脳内を駆け巡る。しかし、時計の針は戻せない。だがしかし、だ。

その日おれはいつものように日課のコンビニ通いに出かけた。親の財布から頂戴した小銭で煙草とコーヒー、多めに頂戴した日には弁当などを買う。おれの生活は昼夜逆転どころではなく、人間の体内時計は一日二十五時間だというがそれまさしく毎日毎日起床時間が少しずつずれる。午前中など早めに目覚める期間は最悪だ。ひきこもりだから真夜中まで空腹を我慢しなくてはならないし、真夜中までずっと暇だからだ。弁当を買うのは午前中に起きる期間だった。

コンビニに通うのはカロリーとニコチン摂取の為だけではない。恋だ。かわいい好みのタイプどストレートのバイトがいるから、彼女を一目見るために通った。彼女を見る為に生きている日々だと言ってもけして過言ではない。彼女を目撃出来ない日は世界が白黒になった。なんせ暇を持て余しているひねくれた若い男のこと、限りなくストーカーに近いこともしたものだ。結局は話しかけることもしなかったが。恋に釣られて働く決意などしたが、バイト面接に三回落ちてこれもまた辞めてしまった。

彼女を見る為にコンビニに向かったのだが、しかしその日は、いつもなら確実に居る時間帯のはずなのに彼女の姿はなく、白黒の世界を背景にとぼとぼと帰路についた。時刻は夕暮れ。どうやって死のうかを考えていた。

おれも通っていた小学校の通学路になっている狭い歩道にさしかかったところで、これは擬態ではなく本当に記憶が途絶えている。気がついたら病院のベッドの上だった。なんでもその歩道脇にあったガスボンベが爆発したとかで、おれはそれに巻き込まれ、倒れたらしい。爆発の衝撃により飛散した金属が左側頭部をかすめ、左側頭部に穴が開いて脳みそが露出していた状態で発見されたという。我ながらというべきか医学の発達には目を見張るというべきか、よくこうして生き返ったものだ。死ねなかった、ともいえるかもしれない。救急治療を受けたのち設備の整った大学病院に運び込まれた。おれは十日程寝ていたらしい。

病院で目が覚める前、おれは夢を見ていた。巷でよく云われる三途の川だとかお花畑だとかではなく、現在の成長した姿のおれが学生服を着て授業を受けている夢だった。この夢を見なければこの作戦を思いつかなかっただろう。

おれは思いがけず人生のリセットボタンを押すチャンスを与えられたのだ。目を覚ましたおれはニート期間の記憶をなくしたフリをした。時計の針は戻ったのだ。高校を中退する以前に。



五感

五感のうちひとつがリアルだと錯覚したならば、それはもうリアルなんだね。

あの子はあの頃いっつもそう言ってひょろっちい体の五感のうちひとつを自ら奪って僕のことなんか眼中になくて。僕は一生懸命あの子のあの体に触れたけど僕はあの子のあの頃リアルになれなかった。

関係ないけど昨日道を歩いていたら顔と体系にそぐわない凄まじく発達したふくらはぎの女の人に抜かれてさ。これはしょうがないなと思ったもんだよ。凄まじいふくらはぎだった。ばきばきでもっこりで。あの子相撲が強いに違いない。顔つきも精悍だったしなぁ。触れたら即投げるみたいな顔つき。それにしても女の人って言葉おかしいね。女の犬とは言わないもんね。いや、犬は言うかもしれない。女の鯨とか女のゴンズイとか。大人の女の人に至ってはもうよくわからない。大人の女の小人とかさ。僕は一生懸命何かを考えてみたけど気がつけばポプラ並木の中にいて、ちょっとそれはどうかと思ったもんだよ。


僕の明日は楽しい一日になることでしょう。