今日はドナルド・キーンさんの命日です。
今日2月24日は、日本文学研究者として多大な業績を残したドナルド・キーンさんの命日です。キーンさんは3年前の今日、96歳で東京にてお亡くなりになりました。あらためて、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
私は、ちょうど1か月前の1月24日、東京下町の寺にあるキーンさんのお墓参りをしてきました。キーンさんの養子のキーン誠己さんがご案内くださいました。
手入れの行き届いた庭の一角にある、しだれ桜の下にそのお墓はありました。墓石の表面にはキーンさんが幼少期、ニューヨークの家にいた愛犬ビンゴの姿が描かれていました。
誠己さんのお話によれば、キーンさんは自分のお墓をどこにつくろうか、あれこれ考えていた時期があって、紫式部の墓(京都)のそばにしようか(キーンさんはコロンビア大在学中に英訳『源氏物語』に出会いました)、石川啄木の墓(函館)のある場所にしようか(評伝『石川啄木』の著書があります)など、いろいろ考えていたそうです。最終的に、自宅近くの寺の住職さんとのご縁によって、そこに決めたとのことです。
軽井沢高原文庫では、今年7月16日~10月10日まで、夏季特別展「生誕100年 ドナルド・キーン展―軽井沢と日本語の美―(仮題)」を開催する予定です。 (大藤 記)
「謳う建築」展の図録刊行、立原道造関連
立原道造に関する出版情報を一つ、お知らせします。
本日、東京・品川のWHAT MUSEUM(建築倉庫) より、2020年12月~21年5月にかけ同館で開催された「謳う建築」展の図録をお送りいただきました。展覧会はすでに終了していますが、このたび⽂化庁の助成⾦を活⽤して制作された限定出版物です。
B5判、本文98頁、総カラー。編集は、同館の近藤以久恵さん、近藤美智子さん。⾮売品。軽井沢高原文庫は立原道造に関する箇所でご協力させていただきました。
2年前の7月、 軽井沢の有島武郎別荘カフェ「一房の葡萄」において、近藤さんら3人から展覧会趣旨をうかがって、すぐに展示へのご協力を申し出たのは、平素から私が漠然と夢見ていたひとつ、芸術の隣接諸分野(文学、美術、音楽、建築、演劇、伝統芸能…)を繋いだ活動というものに、それが合致していたからでした。
それはともかく、「謳う建築」展は、住まいと向き合う建築家が生み出した住宅建築をとりあげ、建築×文芸の新たな試みとして、15名の多彩な詩人・文芸家がその建築を実際に体感し、書き下ろした言葉を展示するという、これまであまり例のないユニークな企画でした。
「謳う建築」展で取り上げた詩人・文芸家は、谷川俊太郎、Nilanjan Bandyopadhyay(インド)、小池昌代の各氏ら15名。一方、建築家のほうは、吉村順三、篠原一男、益子義弘の各氏ら16名。詩人・文芸家と建築家の両方に名を出している唯一の人物が立原道造です(詩人側では立原のみ故人)。
この瀟洒な図録をご覧になりたい方は、当館にご来館のさい、いつでもお気軽にお申し出ください。 (大藤 記)
新型コロナワクチン予防接種3回目を受けました。
きょう午前、軽井沢町中央公民館で、新型コロナワクチン予防接種の3回目を受けてきました。私の場合、3回とも副反応はありませんでした。
昨年7月、1回目と2回目を職域接種により軽井沢プリンスホテルで受けました。ワクチンはモデルナ社製でしたが、今回も同じくモデルナでした。
これでまずはひと安心ですが、今後も基本的な感染防止策の徹底に努めてまいりたいと思います。
なお、いま調べてみて驚いたのですが、これまで日本で累計440万人余の方が新型コロナウイルスに感染しています。そして、残念にも2万1000人余の方が新型コロナでお亡くなりになっています。
新型コロナウイルスは誰にでも感染する可能性があります。新型コロナに感染したからといって、感染された方を決して差別せず、逆に、思いやりをもって支えたいものです。
また、病気などを理由にワクチン接種ができないという方もおられます。そうした方に対しても、ぜひ暖かく見守りたいですね。
軽井沢町では一昨日に続き、昨晩も新たに約10センチの積雪がありました。けさ、私も自宅周辺および小学生たちの通学路の雪かきをしてから、ワクチン接種会場へ向かいました。
写真は、ワクチン接種会場となっている軽井沢町中央公民館です。 (大藤 記)
軽井沢、さらに積雪約15センチ
昨夜、軽井沢では再び雪が降りました。積雪約15センチ。
3日前、約25センチ降り、その後、晴れの日が続いたので少し融けたところに、更に積もった形です。
きょうは、自宅の雪かきをした後、休みではありましたが仕事場へ赴き、バス停周辺や歩道、本館までの一部の雪かきをしました。湿った、重い雪でした。
本館の裏庭の木々は倒れていないだろうか、と急に心配になって、行って見たところ、大丈夫でした。ちょうど雪をかぶった堀辰雄1412番山荘に対面しましたので、1枚、カシャ(写真)。
自然ななりゆきで、堀辰雄に想いをはせることになりました。『風立ちぬ』の終章「死のかげの谷」は、雪に埋もれた村(軽井沢)が舞台として描かれています。また、堀が戦後に発表した「雪の上の足跡」はタイトルに「雪」が含まれます。そう、堀辰雄は軽井沢の四季全体を描こうとした稀有な作家でした。
堀辰雄は雪が降ると、家におとなしくしていないで、雪見に行こうと多恵夫人を誘ったと、昔、対談の中で、堀夫人が川端康成夫人に語っています(「川端康成展」/川端秀子、堀多恵「戦前戦後の思い出を語る」、1986年8月、軽井沢高原文庫)。当時、鎌倉の川端邸で行われたその対談の場に私もおりましたので、お二人の愉し気なやり取りは私の眼と耳の奥に今も残っています。 (大藤 記)
軽井沢、積雪約25センチ
きのう、朝から夜にかけて、軽井沢では雪が降りました。積雪約25センチ。この冬一番のまとまった雪です。
きょうは晴れ。けさ、まず自宅の雪かきをし、そのあと、休みではありましたが仕事場へ向かい、バス停周辺や歩道、本館までの一部の雪かきをしました。
写真は、軽井沢高原文庫の横を流れる一級河川のけさの様子です。雪景色もきれいですね。
なお、軽井沢町では、積雪が10センチを超すと除雪車が出動することになっています。私の家の前の町道(車道)でも、昨夜は除雪車が排雪する際に出す「ガガガーッ」という音が時折、聞こえてきていました。
次に、新型コロナウイルス情報です。一昨日(2/9)、軽井沢町において、新型コロナウイルス感染症の陽性者が26例確認されました。これは先月27日の27例に次いで多い、心配な数字です。
皆さまにおかれましては、引き続き基本的な感染防止策を徹底するように心がけましょう。 (大藤 記)
立春を過ぎました
数日前、立春を過ぎました。立春は暦の上で春が始まる日です。
最近、軽井沢でも春の陽光を感じるようになってきました。皆さまの所はいかがですか。
おととい、北杜夫夫人からお電話を頂戴しました。そして、きのう、自宅の書棚を整理していたら、昔、故・辻邦生夫人から私宛にいただいた葉書が本と本の間からポトリと落ちました。心温まる内容。北さんと辻さんは生涯にわたる大親友でしたから、 不思議な連鎖のようなものを感じたものです。
きのう、仕事場では、軽井沢高原文庫の令和3年度の支払調書を作成し、関係者の方々へ発送しました。またペイネ美術館で3月1日から始まる展覧会の準備の一環として、挨拶パネルやコーナー解説の文章チェックを担当者と一緒に行いました。
きょうは、増淵宗一・日本女子大学名誉教授よりご依頼をいただいていた『軽井沢の文化遺産&資料集2』のための原稿を仕上げ、お送りしました。
なお、私事ながら、本日、自宅でお雛様を飾りました。 (大藤 記)
前橋文学館へ行ってきました。
きのう、群馬県の前橋文学館へ行って、萩原朔美館長に初めてお目にかかってきました。萩原館長は詩人萩原朔太郎の唯一の令孫。かつて、渋谷パルコのイベントにも15年ほど関わられたという氏は、お話していて、次から次へと新しいアイデアが浮かんでくるらしく、それをうかがっているうちに、私も楽しくなってしまいました。
それはさておき、今回の訪問の目的は、今秋、萩原朔太郎没後80年を機に、全国数十施設が参加して行われる大規模一斉イベント「萩原朔太郎大全2022」(実行委員長・松浦寿輝氏)に当館も参加表明をしていますので、担当者(福田さん、松井さん)の方にお会いして、その内容確認をしておきたい、というものでした。懇切丁寧に教えていただき、スッキリした気持ちになって、帰路に就きました。
ここに、前橋文学館の正面から撮影した1枚を掲げます。画面左、いま、まさに詩想に耽っている像は萩原朔太郎です。 (大藤 記)
夏、軽井沢高原文庫でドナルド・キーン展開催
今年は日本文学研究者のドナルド・キーンさんの生誕100年に当たります。
それを記念して、軽井沢高原文庫では夏にドナルド・キーン展を開催いたします。
日本の古典から現代文学まで通じ、世界に日本の文化と文学を広めたキーンさんは、1922年にニューヨークに生まれ、3年前の2019年2月24日、東京で96歳でご逝去されました。
キーンさんは、1964年に軽井沢に土地を購入され、そこに十坪の庵を建て、翌年から住み始めて以降、2017年までの半世紀以上にわたり、ずっと軽井沢で夏を過ごされてきました。その間、『徒然草』や三島由紀夫『サド侯爵夫人』の英訳、評伝『石川啄木』など多くの著作を執筆されました。
次に掲げるのは、今年のお正月、キーンさんの養子で浄瑠璃三味線奏者のキーン誠己(せいき)さんからいただいた年賀状です。お気に入りの太郎冠者(狂言)を演ずるキーンさんの笑顔がなんとも素敵なので、ここに載せさせていただきます。日本語・英語のご挨拶もご覧ください。
2013年8月、キーンさんと誠己さんが遠藤周作展を見学に当館を訪れられた際、キーンさんが私に「北軽の野上弥生子さんの山荘には行ったことがあります」とおっしゃいました。それを想い出して、さきほど、当館に移築されている野上弥生子書斎で撮影してみました。
なお、今年は春に神奈川近代文学館、秋に京都文化博物館で、ぞれぞれ異なる内容のキーン展が開催されるとうかがっています。お近くの方は、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。 (大藤 記)
今春、徳島県の相生森林美術館で深沢紅子展開催
今春、4月から6月にかけて、徳島県の山あいにある相生森林美術館という小さな美術館で、四国では初となる深沢紅子展が開かれます。軽井沢のように自然の豊かな場所のようです。
きのう、その準備のため、作品選定および作品撮影などの目的で、関係者とカメラマンの方が四国から撮影機材をたくさん車に積んで、お見えになりました。きのうは一日、その対応にあたらせていただきました。
深沢紅子野の花美術館の2階展示室に、やや大掛かりな仮設の撮影スタジオをつくり、そこで約100点の絵画撮影を行いました。
今回の企画は、昨年、富山県水墨美術館で開かれた「画壇の三筆 熊谷守一×高村光太郎×中川一政の世界」(チューリップテレビ開局30周年記念)が機縁となり、同展に尽力なさった方が、展示協力者の一人の深沢家と知り合い、その方がたまたま相生森林美術館とも関係があって、というふうに、回りまわって最後に私共にお話がきたという、いわば出会いの連鎖が生んだような企画でした。
今回、水彩約60点、油彩約13点という、かなりまとまった量の絵画を深沢紅子野の花美術館からお貸し出しする予定です。大作では2年ほど前、岩手県立美術館で開催された大規模回顧展にも出品した100号の油彩「よそおう」などがあります。
相生森林美術館は、徳島県の南にある町立美術館。過去には三岸節子展や熊谷守一展、円空展など興味深い展覧会も行われています。
今後の新型コロナの感染状況を見ながらですが、私も一度、ぜひ訪問したいと願っています。深沢紅子が描く高原の野の花たちが、四国の豊かな森と空気と光の中で、いったいどのように輝いて見えるのか、今から楽しみです。 (大藤 記)






