不育症・習慣流産:原因究明には従来スクリーニングよりもまず絨毛染色体解析 | クイズで学ぶ不妊診療最前線~愛/AIなんだ

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これまで着床不全やPGT-A(胚染色体解析)の問題を取り上げてきました。時代は流れ、今や人工知能が診療に取り入れられるようになってきました。この大きな変革の中で、生殖医療専門医の立場から不妊症・生殖医療全般にわたって自身悩み考えながら学習していく記録です。

出典:Popescu F et al., Recurrent pregnancy loss evaluation combined with 24-chromosome microarray of miscarriage tissue provides a probable or definite cause of pregnancy loss in over 90% of patients. Hum Reprod. 2018 Mar 12. doi: 10.1093/humrep/dey021.

 

流産の大部分が染色体異常によることをさらに裏付けられる研究報告。メンフィスより。

 

100人の二回以上流産歴のある・不育症女性に米国生殖医学会(American Society for Reproductive Medicine, ASRM)が推奨する不育症スクリーニング検査を行ったところ、原因を突き止めることができたのは45%であった。

 

しかしSingle Nucleotide Polymorphism (SNP)-12b microarraysを用いて流産時に得られた絨毛の染色体解析をまず行うことで、90%以上のケースで原因が確定または推定できた。

 

絨毛染色体正常ののちASRMスクリーニングも正常だった患者のうち、原因不明であったのはわずか5%であった。コスト面でも50%減につながったそうだ。

 

絨毛染色体解析にNGS法を用いれば、さらに原因確定率は上がることが予見される。

 

今日の一曲:Colorblind / Just Like In The Movies ラーニ・ハリス・ジュニアがプロデュースの好グループ。オクラホマ出身?でオハイオ州・クリーヴランド録音。こちらも変な曲調のファンクだが、伝統的なコーラスに重点が置かれている!