出典:Sen A, Hammes SR. Granulosa-cell specific androgen receptors are critical regulators of ovarian development and function. Mol Endocrinol. 2010;24:1393–1403.

 

テストステロン(以下、T)は卵胞の成長に関わる重要な卵巣ステロイドホルモンです。

男性ホルモンの代表格・Tが卵胞を育てるのに大事と云われても釈然としないかもしれませんが、過去の研究ですでに示されています。

 

特に胞状卵胞までの成長段階でTは活躍します。

 

例えば、牛を用いた研究ではTは原子卵胞から前胞状卵胞への変化を刺激します。

 

Tはアンドロゲン受容体(AR)と呼ばれる蛋白に結合して、その細胞に作用しますが、

このARをたくさん持っているのが、未熟な前胞状卵胞や初期の胞状卵胞の段階です。

もう少し進んだ後期胞状卵胞以降はARの発現量は減少していきます。

したがって、Tの影響を最も受けやすいのは未熟前胞状卵胞や初期胞状卵胞の段階です。

 

遺伝子操作によって作られたARを欠損するマウス(AR遺伝子ノックアウト・マウス)では

卵巣機能が異常を示し、妊孕性が低下すること、などが知られています。

 

また同じく遺伝子操作により「顆粒膜細胞(昨日の記事ご参照)にだけARが存在しないマウス」では、

性周期が延長して、排卵数が減少していること、その結果、前胞状卵胞と閉鎖卵胞が多く、不妊となります。

 

一方、「卵胞にだけARが存在しないマウス」を制作すると、このマウスは正常な性周期、卵巣の形態、妊娠能力を持っていました。

 

したがって「Tは顆粒膜細胞に作用して、初期の段階の卵胞成長に重要な役割を果たす」と云えます。

 

(つづく)

 

今日の一曲:Janice Christian with Johnny And The Charmers / Just A Bad Thing 大変印象的に残るフィラデルフィア発のレディー・ソウル。ずいぶん昔に聴いて歌手・曲名ともに失念していたが、やっと想い出せた。必聴!!!!!