クイズで学ぶ不妊診療最前線~愛/AIなんだ

クイズで学ぶ不妊診療最前線~愛/AIなんだ

これまで着床不全やPGT-A(胚染色体解析)の問題を取り上げてきました。時代は流れ、今や人工知能が診療に取り入れられるようになってきました。この大きな変革の中で、生殖医療専門医の立場から不妊症・生殖医療全般にわたって自身悩み考えながら学習していく記録です。

福州市から 

 

問題 卵巣予備能低下・血清FSH高値401女性

を対象にした後ろ向き研究 

GnRHアンタゴニスト法前に

エストロジェン製剤の投与を行い

FSHの低下を試みた結果

著者らの結論として

「誤った」内容は次のうちどれか? 

 

1 エストロジェン製剤前処置により血清FSH値は低下したものの中止に伴って大幅にリバウンド上昇した 

 

2 エストロジェン製剤前処置後の血清FSH値リバウンド患者では上昇ゴナドトロピン投与期間・総投与量が増加した 

 

3 エストロジェン製剤前処置群では非前処置群と比べて成熟(MII)卵子回収率、正常受精(2PN)率、胚盤胞到達率、臨床妊娠率に差はなかった  

 

4  エストロジェン製剤前処置こそ卵巣予備能低下女性にベストの選択肢で他の方法が割って入る余地はない 

 

正解は↓↓ 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正解 4  エストロジェン製剤前処置こそ卵巣予備能低下女性にベストの選択肢で他の方法が割って入る余地はない 

 

後ろ向きだが

この手の研究としては

対象患者が比較的多いと感じ紹介した 

 

FSHを無暗に下げても

コストや時間がかかる割に

成果は得られなかったという 

 

しかし先日紹介したFOOT仮説

(過剰なFSHが卵子に毒性をもたらす)

というような研究結果もあり

一概に正解は出せない 

 

 

今日の一曲:Tony Williams - Second Best 

ニュー・ジャージー州・エリザベス出身 

あのプラターズのリード・シンガーだった人

1962年のソロ・シングル 

この手のソウルが最近耳に馴染む 

自分の嗜好が随分変わってきている

のを感じずにはいない今日この頃