「挑戦するのはいいこと」に潜むマイルール | 子育てコーチング協会(旧:子どものこころのコーチング協会)

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こんにちは。

インストラクターの山口純子です。



新年度が始まって1か月ほど経ちました。

お子さんがいらっしゃる方は、学年が1つ上がったり、新しい学校に入学したり、就職したり…

子どもはもちろん、親としても何だかソワソワ落ち着かない時期ですね。


我が家の長男も、この春から中学生になりました。

初めての環境に不安を抱きながらもワクワクもあるようです。


 

挑戦しようとしない長男にモヤモヤした話

 


そんな長男が、中学校に入学する少し前の話です。


長男が通っている空手教室では、いろんなイベントがあり、自由に参加できるようになっています。

バーベキューや餅つき、いもの苗植えなど。

どれも家庭ではなかなか経験させてあげられないイベントなので、案内が届くたびに

「こういうのあるけど、参加してみない?」

とたずねます。


ところが、長男の答えはいつも”No”。

「そういうのはちょっと…いいかな。」

と言って参加しようとしません。


私は一瞬モヤっとするものの、

”まぁ、こればっかりは本人の意思もあるし、無理やり参加させても楽しくないだろうな~”

と思い、それ以上強くは勧めませんでした。

最後のイベントの案内が届き、たずねた時も長男の答えはいつも通り、「No」。


それを聞いた時、私の心に怒りが湧き、つい怒鳴ってしまいました。

「いつも長男の意思を尊重してるけどさ、

 結局、一年間何のイベントにも参加しなかったよね?

 そうしたら、何も経験できないままだよ。

 こういうのはちょっと…と思ってもたまには参加してみたらいいのに!

 やってみたら楽しいことだってあるかもしれないよ!」

って。


しばらく怒りがおさまらないので、

”私の怒りの根っこには、何があるんだろう?”

と自分の心の声を聞いてみました。

 

 

 

 

子どもには、できるだけいろんな経験をしてほしい

 


私は、子どもにはできるだけいろんな経験をしてほしいと思っています。

”いろんな経験をして、その中から好きなことを見つけて、人生を楽しんでほしい”

せっかくチャンスがあるのに経験しようともしないということは、成長の可能性を潰してるってことなんじゃないか”

”いつも長男の意思を尊重してはいるけど、そんな私の想いが伝わっていないようで悲しい”


さらに

”どうしていろんな経験をしてほしいの?”

と自分にたずねてみると

”家でYouTubeやゲームばかりしているのは、心配だから”

”友達と、楽しい思い出を作ってほしいから”

”初めは嫌々でもやってみると楽しいこともあるし、その中から学べることもあると思うから"

"いろんな経験をして、学んで、しあわせになってほしいから"

そんな 自分の声も聞こえてきました。

 

 

 

 

 

 

私を縛っていたマイルール

 


ここで、【子どものこころのコーチング講座】の内容について少しお話しますね。

講座では

【ママが世間の言う「正解」に自分を合わせるのではなく、自分と子どもの正直な気持ちに心を開き、様々な選択肢の中から、「私とこの子にとってはこれがいい」という答えを選べるようになることが必要です。】

(子育てコーチング協会からのメッセージより)

とお伝えしています。


だから、私は

『さまざまな選択肢を持つのはいいことだ』

と思っています。


でも、それが行き過ぎてしまい

『様々な選択肢を持つべき

そこからどういうわけか

『(様々な選択肢を持つために)何でも挑戦すべき

という、ちょっと偏ったマイルールになってしまったのかもしれません。

(※マイルールとは…自分が勝手に決めたルール、強い価値観、当たり前、です)

 



その結果、選択肢を広げようとしない、チャンスがあっても挑戦しようとしない長男に、モヤモヤしてしまう。

そのことに気づいてから私は、マイルールを緩める方法を試してみました。

(詳しい方法は初級講座内でお伝えしています)



まず、STEP1<~越したことはない>

マイルール『何でも挑戦すべき』

『何でも挑戦するに越したことはない』と言い換えてみる。


私の心の声:

うーん、そうだね。

何も挑戦しないよりは、するに越したことはないよね。

(~べきだ、と思い込んでいた時より、少し緩んだ感覚があります)




さらに、STEP2<~しなくてもいい>

マイルール『何でも挑戦すべき』

『何でも挑戦しなくてもよい』(真逆)に言い換えてみる


私の心の声:

え~!やっぱり、何でもやってみた方がいいんじゃない?

やってみないとわからないこともあるし・・・。


でも、そもそもやりたくないことなら、そんなに無理して挑戦しなくてもいいのでは?

少ない選択肢の中からでも、本人がやりたいことを選べるのなら…それでもいいのかな。

(マイルールが緩み、「挑戦」という言葉にずいぶん囚われていた自分に気づきました。)

 

 

 

 

 

挑戦しないのは、悪いこと?


世間では

『たとえ失敗したとしても、挑戦することはいいことだ』

いう言葉をよく耳にします。


最近、WBCの大谷選手らの活躍が 取りざたされていたこともあり、

”何か大きな目標を持ち、それに向かって挑戦することは素晴らしい!”

という風潮にさらに拍車がかかっているように感じます。

それはもちろん、素晴らしいこと。


…なのですが、その裏でモヤモヤした人もいるのでないでしょうか?

あんな風に挑戦し続けて、活躍する息子だったら、親はどんなに誇らしいだろう。

それに比べてウチの子、大丈夫かしら…って。


 

でも、挑戦って、スポーツや勉強や芸術など華々しい世界だけのものではありません

何か新しくて、キラキラ輝くことを始めることとも限りません。


それに、人生には、挑戦するぞ!ってやる気満々の時もあるし、生きるのに精一杯で、挑戦したくてもできない時もあります。

いろんな世界があるし、時期もあるのに、

いつも何か挑戦することだけが素晴らしくて

挑戦していないのはダメだ

というのも苦しくなりますよね



長男の場合、空手のイベントには全く興味を示しませんでしたが、YouTubeやゲームの世界には興味を持っていますし、最近では 料理やベースギターにもハマっています。

長男なりに、好きでやっていることもあるのに、どれもインドアの趣味ばかりなので、それを私が挑戦だと認識していなかっただけもしれません。


インドアの趣味では挑戦とはいえないっていうのも、ずいぶん偏った考え方ですよね…。

 

 

 

 

 

 

子どもには、しあわせになってほしい


様々な選択肢を持ってほしいのも、何でも挑戦してほしいのも、結局、何のためかというと

『子どもに、しあわせになってほしいから』

なんですよね。





そのことに改めて気がつくと

「少ない選択肢の中からでも、自分らしい選択をしてくれればいいや。」

「私が望む挑戦の形じゃなくても、長男なりに好きでやっていることにも、」目を向けてけてみよう。

そんな気持ちになりました。


・*:..。o○☆*゜¨゜゜・*:..。o


最後に近況です。

中学校に入学した長男は、吹奏楽部に入りました。

仮入部期間にいろいろ経験してみればいいのに…という親の意見は無視で(ウザいよね笑)、音楽が好きな長男は、吹奏楽部一択でした。


でも、先日祖母からされた

「中学校、どう?」

の質問に、ボソッと

「楽しい」

と答えているのを聞いて、ちょっとホッとした母です。


どうやら長男は、少ない選択肢の中からでも 今の自分にベストな選択ができたようです。

これからも私は子どもが何かを選択するたびに、モヤモヤすることがあるかもしれません。

でも、そんな時こそ 子どもの話と自分の心の声を聞きつつ、その選択を見守りたいと思います。


最後までお読み下さりありがとうございました。
 

 

 

子育てコーチング協会
インストラクター山口純子