新1年生「学校行きたくない」の奥にあった気持ち | 子育てコーチング協会(旧:子どものこころのコーチング協会)

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こんにちは。

インストラクターの薮内ゆかりです。



新年度が始まりましたね。


うちでは小学生が3人になりました。

新1年生の三男は、小学校生活の希望に満ち溢れていました。

学校で今日は何をしたかを、毎日教えてくれていた三男。


「たのしかったー!きゅうしょくおいしかったー!」


とよく言っていました。

放課後は近所の友達とほぼ毎日遊んで、充実しているように見えていたんです。





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学校を楽しんでいたはずが…
「行きたくない」


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ちょうど1週間がたった頃。

朝起きづらそうで、何とか着替えて準備。


見送る玄関先でボソッと、


「おこられるからいやだ…」


そうつぶやき、トボトボと一人登校していきました。

(同じ小学生の兄たちは登校しぶりで遅刻が多く、一人で登校しています)



登校したことにはホッとしたのですが、少しその言葉が引っかかっていました。




帰ってきてから朝のつぶやきについてきいてみたんです。


「今朝怒られるからいやだって言ってたけど、何かあったの?」


すると三男は、


「がっこういきたくない…」


と言い出しました。


えっ!あんなに就学前から楽しみにしてたし、楽しそうにもしてたのに!

嫌になるのが早いなと驚きつつ、理由を尋ねました。


三男は、


・怒られるのが怖いこと

・内履きを脱いだり履いたりが大変なこと

・授業中お茶を飲んだら怒られること

・時間が長い、つまんないと感じていること



を教えてくれました。




私自身、心がザワザワしながらいろんな言葉が浮かんできます。


 何してんの~。まぁ1年生だとやっちゃうか…。

 でもそんなことで先生は怒らなさそうだけどなぁ。

 心配せんでも大丈夫だって。

 長いって小学校はこども園より帰るの早いじゃん! 


口から出そうになりながらも、何とか飲みこみました。




「そっか~、そんなことがあったんだね。悲しかったね」


そう言いながら抱きしめて、その後三男は遊びに行きました。



話を聞いたし、まぁ明日は大丈夫かな。

そう思う自分がいました。



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話を聞く目的

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翌朝、登校しぶりはもっと強くなりました。


「がっこういきたくない!」


着替えに抵抗し、床でのけ反るのです。



昨日話を聞いたのに…ダメだったか

と思う自分がいました。


さらに登校しぶりの兄たちの影響もあるのかな…

と考えたり、頭は忙しくなるばかり。



何とか用意し遅刻して1年生の教室まで送っていきました。

教室に着くなり三男はスタスタと入っていきます。



前日三男が話してくれたことを、私から担任に伝えました。



すると、担任は登校を渋っていたことに驚き、


「これまで怒ったことはないですね。

 いつも学校では元気に過ごしていますよ」


と言うのです。



あれ?実際にあったことじゃないんだ…

私、あったことだと勘違いしていた…



気持ちを聞いていると見せかけて、情報を聞いていたこと。

そして、話を聞くことで学校に行かせる目的もあったこと。

冷静になってから気づいたのです。



話を聞くときは、相手が話した内容が正しいかどうか等の、情報自体は重要ではありません。



大切なのは相手の思いに耳を傾けることです。




話を聞く目的は、安心感を与えること・信頼関係を築くこと。




そう気づいた後に、改めて三男がどんな気持ちでいたかを想像してみました。



怒られたということが、あったかなかったかではない。

友だちが注意されているのを見て怒られると思ったのかもしれない

もしくは、予測でこれをしたら怒られるんじゃないかと思ったのかもしれない。


どちらにしても、怒られるんじゃないか…

という怖れ緊張感があるように感じました。




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怖れや緊張が大きかった三男

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帰ってきておやつを食べてゆっくりしたところで、

「1週間おつかれさま」

と声をかけました。


担任と話したことを三男にも伝え、


「怒られるんじゃないかって思ったら、ドキドキと緊張するよね」

「ずっと緊張してたら疲れるよね」


そう言うと、目がウルウル。


「うん…すごくきんちょうする。

 あー、ながかったー!」


そう吐き出すように言って抱きついてきました。



「すごく緊張するんだね、おつかれさま」


と頭を撫でました。


そういえば、こども園での表現会の前など緊張して登園を嫌がったり、おねしょも増えたりした子だったなと思い出していました。




小学校という初めての場所。

初めての場所は大人だって緊張しますよね。

新しく緊張感でいっぱい、さらに怒られるんじゃないかという怖れ、疲れるだろうなと思いました。



別の日の夜に布団の中で、再度学校では緊張するということを話してくれました。


「あーきんちょうするー、こわい」


ただただ、そう言う三男の話に


「こわいんだね」

「そっかーそうなんだー」


とオウム返しをして聞いたり、共感をしました。


怒られると恥ずかしいから、そうなりたくないとも教えてくれました。


明日また行かないって言うんじゃ…

という私の不安は正直ありました。


でも今度は学校に行かせるという目的ではなく、安心感を意識しながら聞きました。



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話すだけでもストレスは緩む

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緊張する話や学校の話をするだけしたら、いきなり最後に、


「あした、がんばる」


と三男の一言。


「お母ちゃんに何か手伝ってほしいことあったら言ってね」


と言って寝ました。


話しながら、この子は自分で折り合いをつけているんだなって感じましたよ。



怒られたかどうかではなく、三男の学校に行きたくないと言った奥にある気持ちを代弁したことで、


“お母さんは分かってくれている、気にかけてくれている”


ということが伝わって、こうやって前夜にも話してくれたのではないかなと思います。



新しい環境の中、緊張感の中で必死に頑張っている。


そんな子どもに家では安心感を与えてあげたい。


三男の緊張感はすぐに無くなるわけではありません。

でも、私はそれを「聞く」ということで今後もサポートしていきたいと思います。


最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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インストラクター 薮内 ゆかり

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