子どもの話を聞いて、幸せの尻尾をつかんだ話 | 子育てコーチング協会(旧:子どものこころのコーチング協会)

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こんにちは。

インストラクターの "マダム" こと柴田正子です。



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 私たち夫婦は里親です。

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里親認定を受けて、10年が過ぎました。 

待ち望んでいた子ども達は、すごく可愛いけど、子育ては、想像の何倍も大変に感じました。  


 
ちゃんとしつけなくちゃ。立派な大人に育てなくちゃ。 

気がつけば、人生で一番大きな声で、子どもを怒鳴っていました。



ダメだ。

怒鳴らないで、ちゃんと誉めて、良いところを見つけて、伸ばさなくちゃ、

と、子育て講座をたくさん受けました。  



でも、相変わらずイライラするし、大きな声を出すことは少なくなったけど、自分の心のモヤモヤは、ちっとも晴れません。

逃げるようにして 宝塚歌劇を観に行ったり、おいしいものを食べたり、友だちと会ったり、ストレス解消をしながら、乗り切って来ました。



 当時、幸せ?

と聞かれたら、私は、すぐにイエスとは言えなかったでしょう。 


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 息子がやらかしました。

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 息子が、中学の支援クラス(情緒)に進学して、間もなくの事です。 

買い物から帰ってくると、家のまわりに、何人もの、中学校の先生の姿がありました。 

生活指導の先生のお話では、体育の時間に、息子が急にいなくなったのだそうです。 



息子は見つかりました。

家の裏の植木の下に、丸くなって座っていました。 



先生が、息子に言い聞かせます。


「黙って帰っては、いけないんだよ」

「先生たちが授業をしないで、探してたんだよ」

「先生は、怒ってないだろう?なんでも話してくれたらいいんだよ」 



 私は、息子と先生の間に立って、聞いていました。 


(先生方に、迷惑をかけてしまった)

(息子には困ったものだ…)


そして、何度も頭を下げて、先生方を見送りました。



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 息子と向き合いました。 

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息子と2人になって、向き合いました。 

息子は、目に涙をためています。  

ムッとして、反抗的な態度です。


そういえば、息子は「はい」と「すみません」以外に、一言も話してなかったな。 

そうだ、「聞く」をしてみよう。 

先生方に、もう充分お説教されたしな…。

そう思いました。 



 「泣いてるね…なにがあったの?」 

私は息子の話を、否定せずに、うんうんと聞きました。 



 体育で、整列することが苦手なこと。 

 大きな声で号令をかけられるのも、苦手なこと。 

 列に戻される時に、肩を組まれたのが、すごく嫌だったこと。 

 隙をみて逃げ出して、お母さんが帰ってくるまで、隠れていたこと。 



 「そうか、そう思ったんだね」  

「そうなんだ、嫌だったね」  

「お母さんを待ってたんだ…」 



息子は泣き出し、しゃくりあげながら言いました。


「お母さんが味方でよかった」 



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 衝撃でした。 

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私は、衝撃を受けました。 

なぜなら、私は、ついさっきまで先生方に同調して、この子を、困った子だと思っていたからです。  

心の中では、むしろ先生方の味方だったんです。


でも……私が味方にならなかったら、この子の味方は、ほかに誰がいるんでしょう? 

そこまで考えて、私も泣きました。



私たちは家の中に入り、お気に入りの青いポットで紅茶を淹れて、飲みました。

そして、また泣いたり、笑ったりしながら、今日のことを振り返り、これからの学校生活の戦略を練りました。


学校に「僕の苦手なこと」のレポートを出してみる? 

家に帰りたくなったら、好きな校長先生に、言いに行く? 


話しながら私は、息子から信頼されていると感じ、私たちの心が、やわらかく繋がっているのを感じました。 




 あの時、子どもの話を聞くことで、私は子どもの味方になることができました。

私たちは、しつける人としつけられる人でなく、タッグを組んで、一緒に課題に取り組むチームになりました。

今の私なら、「幸せ?」と聞かれたら、「そうね、幸せだよ」と、答えるでしょう。

あの日、「これって幸せなんじゃないかな?」という幸せのしっぽを、つかんだみたいです。




最後までお読み下さりありがとうございました。
子どものこころのコーチング協会 インストラクター

柴田正子