大阪市西区で起きた2児遺棄事件から1年。
今回の学ぶ会は、
「あれから1年、改めて事件を考える」
をテーマに開催しました。
参加者10名は、「なんとかして」ではなく「なんとかする!!」思いを持った熱い方たちでした。
真夜中のカウンセリングもされている【ほっこり和ませ屋 ま~ぴょん】さん
NPO法人発達障害児支援LOF教育センター【やまもとまゆみ】さん
(虐待防止のために、家庭訪問事業もスタートされました)
奈良県天理市で児童虐待防止活動をされている議員【市本貴志】さん
NHKで9月9日に放送される児童虐待防止がテーマのドラマ、
「やさしい花」
の脚本を書かれた【安田真奈】さん
子どもの心を抱きしめる「抱っこ法」を伝えている【ぴかぴか】さん
離婚カウンセラーさん
行政の福祉担当の職員さん
親学アドバイザーさん
西区で絵本の読み聞かせをされているお母さん
そして虐待防止アドバイザー【辻由起子】
以上10名での開催でした。
皆さん、それぞれに活動をされている方たちばかりなので、
活動を通して感じていることをまずはシェアしていきました。
★発達障害と虐待は切っても切れない関係。
卵が先か鶏が先か…どちらもあてはまる。
発達障害のお子さんは、延々と泣き続けるお子さんがいるかと思えば、
全く手のかからないお子さんもいらっしゃる。
前者は、虐待につながり、
後者は、「うちの子は手がかからないから」とほったらかしにすることで、
発達障害に繋がる…。
人間は言葉で思考し、行動し、成長する生き物だから、
乳幼児から語りかけをすることが、発達障害を防ぐ一番の方法。
現場にいてると、
「どうせ赤ちゃんに話してもわかってないから」
と、無言でミルクをあげ、オムツを換えている親の多さに驚く。
言葉がけをしないことで、言葉が増えない=発達障害に繋がる例も多い。
テレビではなく、実際のリアルな言葉がけを聞いて、子どもの脳は発達する。
★現場で実際に働いていても、制度が複雑&どんどん変わるので全て網羅できない。
住民票を移すこともあやふやなリスク家庭が、
行政の制度を活用できるとはとうてい思えない。
児童の発達障害は、児童福祉課の範疇か、障害福祉課の範疇か…
行政も決めかねている。
縦割りをなくして「発達障害課」を作成してもらいたい。
★不安になったら、その時に対応してもらいたいのに、
決められた曜日の決められた時間にしか信頼できる相談窓口がないのはつらい。
虐待の背景にあるのは、実は子どものことではなく、
夫婦関係だったり、経済的な問題だったりもするので、
信頼関係を積んだ人にしか話せない。
★虐待が原因で障害を抱えてしまった人の就労&自立までを支える制度が必要。
制度があっても、あまり機能していない現状がある。
企業にとってもプラスになるような、使える仕組みが欲しい。
★日本は、グレーゾーンの方たちへの支援が少なすぎる。
(この方の支援を認めたら、類似の方全部を認めなきゃいけない、そうすると財政がパンクする、
という現状もわかるけれど、白か黒かの支援では漏れる人が多すぎる)
それぞれの活動のシェアだけで、2時間があっという間に経過しました。
(話の内容が濃く、多すぎて、まとめきれずにすみません)
現状を踏まえ、西区の事件のような事件をなくすにはどうすればいいか。
★オムツを換えたことのない人が、いきなり親になるのに問題がある。
赤ちゃんを見たことも触ったこともない人にはハードルが高すぎる。
人は、まねて、まなぶ生き物だから、余裕のある学生の間に子育て実習を!!
★核家族が8割の日本だから、地域社会で顔のわかる繋がりを。
子どもの頃から、
「不審者に話しかけられたら逃げましょう」
と教えられて親になって、いきなり地域住民と仲良くするのは難しいから、
学校に、地域住民の方にもっと関わってもらいたい。
小学校の空き教室に、デイサービスや老人会や子育てサークルがあってもいい!!
★「虐待通報」が怖くて孤立しているお母さんがやっぱりいてる…。
罪悪感を感じる「通報」って言葉を変えたい。
★制度の統一を!!
他にもたくさんの話題や意見が出ました。
とても3時間では足りなかったので、
続きは次回に持越しをさせていただきます。
虐待問題はテーマが重く、大きくて、どこから手をつければいいか無力感を感じることもありますが、
今日、参加してくださった皆さんは、
それぞれ、自分の出来ることから動いていらっしゃいます。
皆さんの活動や思いに刺激され、元気をいただきました!!
勇気が持てました!!
「自分が後悔しない行動を。
自分が納得できる行動を。
やってうまくいかなくても、
自分が納得してした行動なら、後悔はしない」
学びの多い時間をありがとうございました。
次回の学ぶ会ですが、8月はそれぞれのご家庭で夏休みの予定があると思いますので、
9月に開催いたします。
詳細が決まり次第、ブログにアップします。
参加してくださったみなさま、ありがとうございました。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
子どもを守る目@関西 辻 由起子
kodomo-mamorume@kansai.zaq.jp