ブログNO.112 明治維新の黒幕は英国、と びっくり仰天の西氏の研究 | うっちゃん先生の「古代史はおもろいで」

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ブログNO.112

明治維新の黒幕は英国、と

びっくり仰天の西氏の研究


先頃、といってももう半年以上前の事だが、「明治維新」と言われる日本の大改革の裏に「英国という黒幕」がいたという話を聞いてびっくりした。しかも「大改革」とは無関係な外国の腹黒く恐ろしい思惑と深い関与があったという。古代史とは関係のない近代史だが、すごく興味深い研究だと思ったので紹介しよう。

「明治維新」は皆さんよくご存じの通り、各藩の下級武士たちが、行き詰まった徳川幕府を倒し、新しい政治体制を作ろうとした。封建社会から近代的国家への脱皮を成し遂げた空前の大改革として評価されてきた。そしてこの「大改革」は、もっぱらロシアや米英の外圧と日本の国内事情だけから説明されてきた。

ところがそこには、実は日本全国をシャブ漬けにして儲けようとした当時の英国の陰謀があったというのだ

米国スタンフォード大学フーバー研究所の西鋭夫(にし・としお)氏が発表している。フーバー研究所は米国第31代大統領のハーバート・フーバー氏が1919年に設立した研究所で、地球規模の戦争や革命、平和問題をそのターゲットにしている。西氏は同研究所で唯一の日本人研究者という。研究の詳細はダイレクト出版(0662680850)に問い合わせてみられればいいが、ここではその概略を紹介しよう。

西氏はまず、この「大改革」を推進するのに必要だった「費用」の流れを追った。脱藩した下級武士たちにそんな金はない。いわば着のみ着のままだ。西郷吉之助や坂本竜馬、そのほかの志士たちの生活費や活動費は誰が出したのか。「徒手空拳」では何もできなかったろう。この方面での追及はこれまでほとんど目にしたことはなかった。

突き詰めて行くと長崎のトーマス・グラバーに行きついた。今、グラバー邸として日本人が憧れにも似た西洋文明の証しとして大人気で、観光名所になっている屋敷の主だ。竜馬ら志士たちが幕府の追究から逃れ、一時行方知れずになった。この時彼らはグラバー邸の隠れ部屋に潜んでいたらしい。

グラバーって何者なのか。西氏は彼が英国東インド会社の社員、あるいは手先であることを突き止めた。

当時英国は清国にアヘン(阿片)戦争を仕掛け、二度とも勝利。国策会社である東インド会社は莫大な利益を上げていた。今、逮捕者を中国本土に引き渡す条例を設けるかどうかで大混乱している香港はこの時99年間英国のものになった。英国の国家予算の4分の1ほど?はこの会社の利益で賄われた、とか。

会社はガンジス川の中流域の広大な地域のほとんどを大麻の生産基地に変えていた。ここで生産したアヘンを中国・清の政府高官、軍人、市民などあらゆる階層に売りつけ、シャブ漬けにすることに成功していたのだ。

清国がほとんど壊滅状態になった後、生産過剰のアヘンをどこで捌(さば)くか。目をつけたのが日本列島だ。列強の攻撃から堅く国を守っていたが、米、仏などと共同して圧力を強め、開国させた。徳川幕府はよれよれ状態。各藩の不満も爆発寸前だ。騒乱を助け、無政府状態にすればいくらでもアヘンを持ち込めると計算したのだ。

極東の島国に籠る黄色い日本人がアヘン中毒患者になろうとなるまいと、一向に構うことはない。金さえ儲ければいいし、おまけに借款などと言って土地を自分らの物にし、その果ては植民地にすればいい。腹黒く非情な計算をし、倒幕勢力に膨大な資金を流したというのだ。

竜馬は外国製の高価なピストルを持ち歩き、長州の高杉晋作らが作った「奇兵隊」にも資金を出した。さらに軍艦を買って幕府と対峙した。日本国中を渡り歩く自らの活動費のほか志士らの生活の面倒も見ただろう。その金はほとんど東インド会社の投資で賄(まかな)われたのだ。日本の騒乱状態に拍車をかけ、清国のような「シャブ漬け国家」にするためだった。

だが日本はシャブ漬けにはならなかった。清国の惨状を見て英国など列強のやり方をしっかり勉強していたのだ。資金はもらったが英国の言いなりにはならなかった。言いなりになっていたら大変なことになっていた。一片のアヘンも持ち込ませなかった。そこが西郷や坂本、高杉らの偉いところだ。本当によかった。

東インド会社は巨額の投資に失敗した。グラバーも当然責任を取らされる。結果的に英国と東インド会社を手玉に取った形となった竜馬は殺害された。誰が下手人だったのか、今もってはっきりしないという。会社は口を拭い、闇に葬るより仕方なかったのだ。

詳しくは覚えていないが、大筋としてはこんなことだった思う。「維新」という大改革にこんな恐ろしいたくらみが潜んでいたなんて誰が想像しただろうか。教科書も口を拭って知らぬ顔だ。でも知っていた人、或は知り得た人はいたのだ。「歴史の真実」って怖いですね。本当に。

ただ古代史を探索する小生にとって、「明治維新」は日本にとっていい事だけしたわけではない。国をまとめる必要から、それまで何世紀もの間冷遇されていた天皇家を担ぎ出して元首に据えた。信用も人望もない新政府がとったこの政策は一応は大成功だった。

そのために政府は藤原不比等がでっちあげたいかがわしい歴史をさらに強化し、天皇を神さまとし、利用するための政策をとった。各地にしぶとく残っていた各氏族の言い伝えを抹殺すべく徹底的に神社の統廃合などを進めたのだ。

第二次世界大戦まで北朝鮮の「金王朝」とよく似た天皇崇拝政策が採られた。うそだらけの「金王朝」の神格化政策とそのやり方を「アホか」と言って笑えない。天皇を利用して勢力を伸ばした軍部はしかし、結局は大失敗を犯して国民を存亡の危機に落とした。読者の多くがご存知のことだ。

「いかがわしい歴史」は一部の考古学者や国史学者らによって市民の目から事実が隠され、事実を偽ることでまだ生き続けている。          (20197月)