去年、ブログを休止していたせいで、11月12日以来の投稿となるこのシリーズですが、6月半ば以降から3000m級峰登山や周辺の高所の探訪が可能となることから、投稿を再開しました。
日本最大の渓谷、黒部渓谷の下ノ廊下の探訪初日の核心部は、前回紹介した十字峡から半月峡、S字峡を越え、東谷吊り橋に到るまでの区間。
十字峡は前回、写真も投稿したように、東西から支流が本流である黒部渓谷に流れこみ、十字の激流になっている箇所。
半月峡は尾根を渓谷が回り込むことによって、右カーブを描くその形状から名付けられたもの。
S字峡もその名の通り、Sの字の如く渓流がくねって流れています。どの峡谷(黒部渓谷の一部)も切り立っていて高度感があり、吸い込まれそうになります。尤も実際に吸い込まれた登山者も少なくありません。
十字峡から東谷吊り橋までは一時間半から二時間弱。確か、その吊り橋周辺から河原状になった渓谷(本流か支流かは忘れました)に下りられるようになっていたと思います。
その河原で宿泊した農家民宿に作ってもらった弁当を食べたのですが 、割り箸が入ってなかったので、楊枝で食べるはめに。この時以来、いつもザックには予備の割り箸を入れるようにしています。
対岸に渡るとなぜか林道のような道になり、落石覆いタイプの隧道を抜けるのですが、その景観は昭和期の鉄道トンネルや海軍の大規模基地や陸軍要塞の隧道を彷彿させます。
やがて仙人ダムが前方に現れ、その堰堤を歩いて対岸に渡り直し、一旦ダム施設内に入ります。このダムから分岐して仙人温泉を経て剱岳(2999m)へ登るコースもあります。
ダムを出て40分ほどでこの日の宿・阿曽原温泉小屋に到着。温泉は山小屋から少し下った所の渓谷の上。露天ですがやはり入浴設備がある山小屋は助かります。
山小屋での行動は皆同じで、まず温泉に入り、それから皆、一旦床につき、夕食の準備ができたとの連絡があると起き上がり、食堂へ。私は地酒三合とビール500mlカップを二杯注文し、且つ、前日、大町温泉郷の酒の資料 館で購入していた酒も呑みました。
当時の私にはこの程度の酒の量は本来、大したことないのですが、その日は標高差による血中アルコード濃度の変化のためか、軽い二日酔いを起こしてしまいました。
そのため翌朝の出発は宿泊客の中では一番遅く、午前9:40頃の出立。千鳥足で断崖道を伝うことになるのです。
尚、下ノ廊下は今の時期、通行可能か否かは富山県警(TEL076-441-2211)等に問合せを。阿曽原温泉小屋の現地の電話は0765-62-1148。出ない場合は 0765-65-2397へ。
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