次世代に遺したい自然や史跡

次世代に遺したい自然や史跡

毎年WEB初公開となる無名伝承地や史跡、マイナーな景勝・奇勝を発表。戦争遺跡や鉄道関連、坂本龍馬等の偉人のマイナー伝承地も。学芸員資格を持つ元高知新聞主管講座講師が解説。

[報道実績]高知放送、NHK徳島局、RKCラジオ、高知新聞、愛媛新聞、徳島新聞、山口新聞、防府日報等々。

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高知県内の無名峰(大半が著書未収録峰)や関西のハイキングコースのコースガイドはヤマケイのマイページ

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<忘れ去られた展望台も>

過去、香川県の三ヶ所と高知県の二ヶ所ほどの「日本のウユニ塩湖」的砂浜を紹介したが、当然愛媛県にも「愛媛のウユニ塩湖」がある。それは今治市との境界付近にある西条市河原津海岸。一昔前まで「河原津海水浴場」だった所である。

 

但し、この海岸も夕日は山間部に沈むので、マジックアワーは存在しないし、きれいな鏡面にもなり辛い。干潮時間帯に薄い水の膜のような光景が広がる、という所が「日本のウユニ塩湖」的。

海水浴場ではなくなったのは、すぐ北の今治市側に設備が整った桜井海水浴場があることと、水質の問題だろう。それでも潮干狩りは今でも行われており、シーズン中(現在か)は浜への立入りが有料になる。

因みに昭和期以前はカブトガニの産卵地にもなっていた。市内でカブトガニが無料で見学できる施設は以前、紹介したと思う。

 

河原津海岸を見下ろせる地は、以前紹介した(と思う)西の永納山(古代朝鮮式山城跡)の複数のピークにあったと思うが、別の場所に数分ほどで登れる展望台もある。

今治市との境界から数百メールほど南の国道198号に三差路があり、そこを西に入る道路の終点が登山口。国道を北上時は道標を見られるが、車で走行時は気づかないことが多い。

 

道路終点(上図)には3台ほど縦列駐車することができる。進行方向のコンクリート舗装された小径がコース。コースは電波塔手前のカーブで、右に階段を下り、下り立った歩道から前方を見ると展望台が見えている。

が、この展望台は老朽化しており、周囲の木々やフェンスのせいで、展望台のベンチに座ると展望があまり望めない。それ故、背後の急勾配の尾根を登っていった。山頂のやや手前が展望は良い。帰路は山頂から電波塔に下ると回遊できる。

 

河原津海岸の堤防沿いや国道沿いには広大な広場があるので、車で移動しても良いが、自治体からは「河原津海岸に紹介できる駐車場はない」と言われていたので、そこから海岸まで歩いて行った。

海岸は鏡面にはなり難いとは言え、普通の砂浜よりは確実にフォトジェニックな写真は撮れるので、カラフルな長靴やサンダルを履いて水の膜に立てば如何だろうか。

今後も四国のウユニ塩湖ハンティングを行って貰いたい、という方は下のバナーを是非。


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<GWに絶対見るべき四国の絶景>

先日、「林修のニッポンドリル」で『GWに絶対見るべき日本の絶景~花絶景&激レア絶景(各ベスト6)~』を放送していたので、春絶景に続き、「郷土文筆家が選ぶ!GWに絶対見るべき四国のマイナー花絶景ベスト6」をお送りしたい。

 

タイトル通り、全県的に有名な場所は取り上げないので、期待感はそこそこに。6ヶ所の内、4ヶ所か5ヶ所は過去、取り上げたと思う。尚、飽くまで記憶にある箇所のみ。

 

第6位・ふれあいパーク大月(高知県大月町)

「道の駅おおつき」の背後には、自然の斜面を利用した「ふれあいパーク大月」があり、年末の大規模なイルミネーションは過去、取り上げたが、4月下旬から5月上旬頃、この斜面一帯は各種ツツジに埋め尽くされる。

皆、殆どが背の低いピンクや白いツツジ(クルメツツジか)だが、その中を全長100mの長大なスーパースライダーが通っているので、ツツジの中、風をきって滑り降りることができる。

4月の最終日曜日辺りには「つつじ祭り」も開催されていたが、コロナ禍以降は不明。今年は開催されるか。→公式サイト

比較的近場には以前紹介した不動滝、隣接する宿毛市には轟の滝や海蝕洞門等もあり、景勝を満喫できる。

第5位・ローディーの森(徳島県つるぎ町)

約65アールの山の斜面園に、180種2500株のシャクナゲが植えられているが、日本の山間部に自生しているシャクナゲは約50種なので、日本のみならず、海外のシャクナゲも鑑賞することができる。

赤、白、ピンク、黄等、色とりどりだが、まるでバラのような真紅のシャクナゲは特に見入ってしまう。品種によって開花時期は異なり、4月中旬から5月中旬まで楽しめる。

開園時期はシャクナゲの苗木(?)も販売している。入園は無料だが、駐車場が狭いので、休日は時間帯によっては、満車のこともあり。そこまでの道路は幅員が狭いため、離合は困難。

また、その近くにある短時間で登頂できるマイナー峰、志貴岳(1073m)の尾根にはミツバツツジ群生地がある。→記事

第4位・西又山南尾根(高知県馬路村)

この山の白いツツジこと、シロヤシオの群生地も過去、紹介済だが、今回の6ヶ所の中では最もマイナーな地。それはそこに到る林道が土砂崩れを起こし易いため、自治体も大々的に宣伝できないことが影響しているかも知れない。

当方が登った時も林道は復旧していなかったから、登山口まで40分以上歩いた。その間、以前紹介した西日本最大級(落差200数十メートル以上)の幻の滝「西又東滝」と「西又西滝」(共に仮称)を通過する。

 

シロヤシオは1151mピーク付近から上に群生していたと思う。まるで植物園のような大群落で、かなり長い距離、続いている。中には一般的な朱色のツツジやミツバツツジもある。

尚、アプローチは森林管理署区域の林道故、ゲートがあるため、事前に安芸森林管理署魚梁瀬地区合同事務所に鍵番号を照会しておく必要がある。鍵番号をセット後、鍵の底部のレバーを引くようになっていたと思うが、現在、鍵の種類が変わっている可能性もある。また、林道の状態によっては、通行止めになっているかも知れない。→コースガイド

第3位・東部法皇山脈(愛媛県四国中央市)

この山脈の稜線は細長いため、写真では花の群生の良さが伝わらないかも知れないが、東部法皇山脈の鋸山~七々木山~豊受山~赤星山の各山頂や尾根の所々にはアケボノツツジが群生している他、鋸山南西の縦走路沿いと赤星山山頂には可憐なカタクリの花も咲いている。

特に前者のカタクリの花群落は四国、いや、西日本屈指ではないかと思われる。それ故、体力に自信のない登山初心者は、登山口から鋸山~七々木山を往復するだけでも良い。

尚、この登山口は駐車場が整備されていないため、皆、路肩に駐車しているので、早い時間帯に行かないと登山口の近くに駐車できない。→コースガイド

第2位・翠波峰(愛媛県四国中央市)

法皇山脈の翠波峰は標高700数十メートルから900メートルにかけての高原。ここには4月上旬から5月上中旬にかけて各種桜が咲き誇る他、4月中旬から5月にかけては30万本もの菜の花の絨毯が現れ、高原を黄色に染める。

ある程度の期間、桜や菜の花が咲く地は全国にあるが、西日本でここまで標高が高い地に、桜と菜の花が同時に楽しめる「天空の花園」があるのは珍しい。

「コスモス売店・食堂」前にある一番広い駐車場に駐車すると便利で、売店下の斜面にはピンクの横断幕が垂れたように、芝桜が咲き誇っている。

駐車場東側の第二花園に菜の花が広がっているが、ここの30万本は8月から9月中旬、コスモスに変わり、ピンクに染まる。

桜は第二花園北側の「ワシントン桜の園」に咲いている。平成の大合併前の伊予三島市が市制30周年を記念して、ワシントンのポトマック河畔から里帰りした桜を中心に植栽されている。

GWに開花するのは八重桜だが、年によって開花時期にずれがあるので、自治体等に問い合わせた方が良い。

金砂湖や瀬戸内海の景色が広がる展望台もあり、雄大なパノラマを満喫できる。→記事

第1位・美桜の里(高知県大豊町)

この地の斜面には4月から5月にかけて霧島ツツジ(クルメツツジ)3,000本、八重桜350本、シャクナゲ200本、ナナカマド100本が咲き、開花期は一帯が赤やピンクに染まる。

霧島ツツジは九州に自生する「ヤマツツジ」と「ミヤマキリシマ」の種間交雑種で、多くの園芸品種があるが、ここでは赤とピンクのものが交互に植栽されており、所々白いツツジもあり、コントラストが素晴らしい。

以前紹介した松山総合公園のような、霧島ツツジと八重桜のコラボも見られる他、シャクナゲも一部同時期、咲いている。

ロケーションも優れていて、眼下には吉野川も望見できる。

ただ、ここは個人が整備した園だけに駐車場はない。路肩に駐車するしかないが、午前の遅い時間帯以降に行くと、やや離れた所に駐車することになる。→記事

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<高知県は障害者を悪者にした>

最近、高知県の「暴挙」が自然保護団体によって明るみになった。「天空の道が貫く高原」として、関西でも知られるようになった避暑地、四国カルスト。この東側の天狗荘寄りに以前も何度か取り上げた「天狗高原」がある。県はバリアフリー化等のために、天狗高原の従来の自然歩道を廃し、幅2メートルのアスファルト舗装を敷設した(昨年9月完成)のだ。

 

そこは西日本有数のハンカイソウ群落のある地で、去年、記事を投稿した。その時はまだアスファルト舗装はされてなかったが、草地の遊歩道は潰され、幅広のダート道になっていた。道幅を広げるため、石灰岩を破壊し、希少植物生息地を潰している。

県は「バリアフリー化等のために」と弁明しているが、車椅子利用者の中で、自然歩道を潰してアスファルト舗装にしてくれ、という要望を出した者が一人でもいるのか。県は自らの行為を正当化するため、障害者を悪者にしているのではないのか。

 

県は「高齢者のためにもなる」とも言っているようだが、これも嘘としか考えられない。なぜなら、以前何度も力説したように、アスファルト道は歩く際、足に負担がかかる。膝等が悪い高齢者なら尚更である。自然歩道なら土がクッションとなり、衝撃が軽減される。

「サイクリストのためでもある」ということだが、自然豊かな天狗高原に来るサイクリストの中で、自然破壊を歓迎する者が一人でもいるのか。

県は自然を活かした観光振興について、全く基本理念を理解していない。昭和の発想としか思えない。高知県のイメージがガタ落ちである。

何でもかんでもバリアフリー化していい、という訳ではない。それぞれの特質を考えなければならない。

しまなみ海道を訪れるサイクリストを、高知県に呼び込むために何でもしていい、という訳でもない。普通のサイクリストは、高山植物等の自然を間近で楽しむため、自分の足で歩きたい、と思っているはず。

そのためにも去年、廃道同然(下の写真の真ん中部分)になっていた、当該遊歩道の途中から車道に下るショートカット道を再整備すべき。これを整備すれば、登山愛好家ではない、一般観光客やサイクリスト(徒歩で)でも回遊コースを楽しめる。

知事は1年ほどかけて、地元自治体や関係機関等と対応を協議していく旨、語っていたが、即刻、遊歩道は原状復帰させるべきである。

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<去年迄はスライダー・トンネルをくぐれたが>

2015年から休園していた尾道市しまなみ海道生口島にあるシトラスパーク瀬戸田は、休園中も桜の時期だけは入園できていた。が、去年8月にリニューアルオープンし、今年、8年ぶりに施設が営業している状態で桜の時期を迎える。

 

しまなみ海道に桜の名所は少なくないが、園内のソメイヨシノや大島桜も約800本と、本数は多い。当方は施設が営業中に入園したことはないが、去年の4月9日の休日は、花見客は数えるほどで、芝生広場等で弁当を広げる客も皆無だった。

が、今年は4月1日と2日は屋台も出るので、活気がある程度戻ると思われる。ただ、広島県外在住者の中には、リニューアルオープンしたことを知らない者もいると思う。

 

桜はイベント広場、芝生広場、ふれあい広場周辺に咲いており、休園中は指定ルートのみ、巡ることができたが、展望台等への立入りは禁止されていた。施設が営業中の現在は自由に散策できるのではないかと思う。

当方は立入禁止か否かの判断が外観ではつかなかった「食の館」の2階のテラスに上って、桜越しの瀬戸内海の展望を愛でたが、木製の床板が腐り、踏み抜いた箇所もあった。

園内のスーパースライダー(1回200円)は再開されているかどうか分からないが、桜のトンネルを滑り落ちるから気持ちいい。当方はゴール地点からスライダー廃線跡(?)を遡り、桜のトンネルとスライダー・トンネルをくぐり、スタート地点へと上った。このスライダーが再開されてなければ、スライダーコースへの立入りは禁止されている可能性が高い。

今年は芝生広場その他の広場にレジャーシートを広げて、マスクを外して花見する客が沢山いるものと思う。またかつてのような賑わいを取り戻すことができればいいのだが。→公式サイト

ところで前々から思っていたことだが、しまなみ海道の各島は、観光のポテンシャルが高いにも拘わらず、淡路島と比べるとレジャー開発があまり行われていない。兵庫県と広島県の経済格差が影響しているのか。

サイクリストに取っては素朴な方がいいとは思うが、交流人口の増加ということを考えると、もう少し開発が進んでもいいように思う。

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<巨大犬小屋や巨大椅子等>

前回、「四国の身近なアート5選」を投稿したので、今度は「山陽の身近なアート5選」を東から簡単に紹介して行きたい。尚、4ヶ所は過去、投稿済み。

 

(1)白鳥城(姫路市・太陽公園)

以前、兵庫県姫路市の太陽公園内、石のエリアは紹介したが、城のエリアにある白鳥城は、ヨーロッパに現存する城を3分の2サイズで再現した本格的なもの。

城内各階各部屋は、記念写真や自撮り用のスポットとなっているが、トリックアートの部屋では、天使になれる写真が撮れる作品もある。また、アイドルのミュージック・ビデオに出てくるような、全てが白一色の部屋もある。

アートではないが、マントや冠を被り、王様となって記念撮影できる部屋もある。→公式サイト

(2) ローマの丘 (瀬戸内市・牛窓オリーブ園)

「日本のエーゲ海」岡山県瀬戸内市の牛窓にある「牛窓オリーブ園」は、オリーブの栽培と関連商品を販売する施設のある公園だが、アート作品的なものもある。ここは実写版映画「魔女の宅急便」のロケ地の一つ。

 

屋上が展望台になっているオリーブショップの側には、「幸福の鐘」やピンクのポスト等があるが、巨大な「人」という字に見えるオブジェは、「助け合い」を表現しているように見える。

尚、この上の広場や前述の展望台からは、STU48の「瀬戸内の声」のミュージック・ビデオで有名になった「岡山のエンジェルロード」こと、「黒島ヴィーナスロード」が遠望できる。

 

園内で一番アート的なのは、「ローマの丘」。ここには昭和20年6月29日の岡山大空襲で被災した三井銀行岡山支店の柱等が移設されているのだが、各柱や遺物の配置と、その佇まいからアートを感じ、ギリシャ神殿を彷彿させる。周囲の自然と調和しているため、幻想的な記念写真を撮ることができる。→公式サイト

(3)「犬島の島犬」等(岡山市・犬島)

「犬島精錬所美術館」を擁する犬島は瀬戸内国際芸術祭の会場の一つで、見学が有料・無料のアート作品が点在する。但し、美術館や有料のアート作品、説明板のある無料のアート作品は殆ど撮影禁止。

そんな中、以前紹介した、実際の家を犬小屋に見立てた巨大な「犬島の島犬」と、「石職人の家跡」に造られた「太古の声を聴くように、昨日の声を聴く」は撮影可。

また、犬島精錬所跡は実写版映画「鉄人28号」のロケ地でもある。→公式サイト

(4)未来心の丘(尾道市・耕三寺)

全国放送のテレビ番組でも取り上げられた有名な施設。以前紹介したが、境内に全国の有名な寺社を再現・建築している耕三寺の裏にある未来心の丘は、5,000平方メートルにもおよぶ白い大理石の庭園。

世界的彫刻家、 杭谷一東氏が、自身のアトリエがあるイタリア・カッラーラで大理石を採掘し、コンテナ船で運んできて造営した。

天辺に建つ「光明の塔」は、西に沈む夕日に合掌する様子を表現した作品だが、夕方ではない時間帯の太陽でも塔の中に納めることができる。→公式サイト

(5) 学びの椅子(周南市・三丘ゆめ広場)

これも以前紹介した、高さ4mの巨大な木製の椅子。以前投稿した「でいだらぼっちの座る椅子」よりは小さいが、前回の「大きなイス」よりは大きく、上ることもできる。

隣には天空のブランコ的ブランコや、天使になれる椅子もある。入場・駐車場共無料。→紹介サイト

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