<今年も3位以内にフェラーリが>
先般より説明してきたように、今年、旧車ミーティング等で撮影した旧車のベスト5と、その車種のミニカーを発表。
第5位・2代目前期型セドリック・スペシャル6
日産の高級車を代表するセドリック史上、一番好きなタイプがこれ。1997年発行の旧車の単行本では、「渡哲也似の車」としても紹介された。
車の「世代」(〇代目)を外観で分ける場合とエンジン系統で分ける場合があるが、この車は後者(130型)。
外観上で分けると、このタイプは初代の後期型(三億円事件時の被害車)のマイナーチェンジ型と言えるが、それで分けた場合、2代目の後期型は3代目となる。
初代の前期型(縦目)セドリックがアメリカン・スタイルだったのに対し、初代の後期型とこの車はピニンファリーナによるヨーロピアン・スタイル。

昭和40年に登場した130型のハイグレード・モデルがスペシャル6で、L20型直列6気筒、SOHCシングルキャブ、1,998ccのエンジンで、最高出力105ps/5,200rpm、最大トルク16.0kgm/3,600rpm。
添付の実車写真は「前期型の後期型」と呼ばれる昭和42年式。外観では、前期型の前期型、前期型の中期型、そして前期型の後期型はそれぞれテールランプの形状が異なる。
撮影地は西条市の「クラシックCarニバルin小松」会場。松山での旧車ミーティングがコロナ禍以降、開催されなくなってからは、愛媛県最大の旧車ミーティングになっている。

ミニカーの型式の詳細は不詳だが、1/43の前期型の中期型のスペシャル6ではないかと思われる。ブランドはCAM。定価は六千数百円程(中古購入故、その半値程)だが、外観・車内共造形は完璧に等しい。
ハンドルからメーター類、ドアノブに至るまで、非常に精巧だが、ワイパーがもっとリアルになれば、定価は1万円を超えるのではないかと思う。
4位・メルセデス・ベンツ300SL
力道山や石原裕次郎の愛車としても知られる名車。「SL」が初めて車名についたモデルで、その意味は「スポーツ・ライト」。つまり、ライト・スポーツカーのこと。
1954年のデビューだが、外観の特徴はガルウィング・ドア。と、言ってもスーパーカーのようなスライド刎上げ式ではなく、ルーフを支点にした刎上げ式。それでも市販車としては世界初のガルウィング・ドアだけに著名人たちは魅せられた。
直列6気筒、 SOHC・2996㏄だが、キャブレターに代わって、ボッシュ社と共同開発した世界初の燃料噴射装置を搭載。最高出力215ps/5800rpm、最大トルク:28.0kgm/4600rpm。

実車写真は1955年式。正確には300SLクーペだが、クーペ以外にはオープンカーしかない。撮影地は姫路市のトリノミュージアム。2年前にも来館していたが、その時より展示車両は10台以上、増えている。ただ、1980年代以降の、私からすれば魅力があまり感じられない「新しい旧車」が多い。
ミニカーは1/43のソリド。ソリドは精巧さに欠けるため、嫌いなブランドの一つだが、購入した1990年代半ば当時は、ミニカーをコレクションしていた訳ではなかったので、業界については詳しくなかった。
ボンネットと助手席側ドアの開閉ギミックあり。エンジンルームは簡素な作りだが、1/43では限度がある。車内も簡素だが、1990年代はまだ、大人向けのミニカー市場が出来上がっていた訳ではないだろう。

実車の300SL自体、テールランプ類が小さいので、このミニカーでは省略されている。そこのところはトミカダンディやダイヤペットより劣るが、ヘッドライトとフロント・グリルの再現度は、当時のそれらのメーカーより優れている。
但し、塗装の質は悪い。経年変化で気泡や変色が生じたり、ベタつきもでてきている。日本の前述メーカーでは、そんなことはない(だろう)。
3位・アルピーヌ・ルノーA110
実車のA110自体は四国自動車博物館が大豊町にあった頃、館で撮影していたが、その展示車はラリーカーの1800GTか何かで、ノーマルのA110が醸すエレガントさは微塵も感じられなかった。
アルピーヌブランドは、フランスのルノーディーラーの経営者、ジャン・レデールが1955年に設立した、ルノー車のチューンナップやレース車両を開発・販売する会社が起こり。
1973年、ジャンは株式をルノー社に譲渡することで会社は傘下となり、1963年にルノーR8を改良して登場していたA110はアルピーヌ・ルノーA110となる。

初期型のA110の仕様の詳細はネットではあまり分からないが、55馬力956ccエンジン程度。その後、1300、1600、1800とパワーアップしていったが、ロータス・ヨーロッパ同様、軽量でコーナリング性能も良かったため、各種ラリーで好成績を収めた。
実車写真のものは、以前紹介した「コッパディ姫路」に参加していた車両。グレードは不明だが、1600辺りか。
ラリー仕様なら、このボディカラーは分からないでもないが、ノーマル車で元々このようなケバい色はあるのか?
尚、これから半年後に高知県内で美しい本来のカラーのノーマル車に出会うことになる。その車両写真は別の機会に。
ミニカーはトロフィーの1/43。このカラーも暖色だが、A110は寒色が似合う。
ボディの造形はいいが、ライトカバーの接着がやや雑。サイドウインカーや、その内側の部位も絵。車内は見え辛いので、評価は難しい。ただ、ワイバーは繊細なまでに精巧。

2位・フェラーリF40
1987~1992年に生産された車。本来、昭和50年代半ば以降の車は好きではないが、F40は別格車の一つ。エンツォ・フェラーリの遺作でフェラーリ社創立40周年記念車として1987年、発売された。
外観は市販車とは思えないコンペティション風だが、性能も3,000ccミッドシップV8ツインターボ、最高出力478ps/7000rpm、最大トルク58.8kg-m/4000rpm、最高速度324km/hと、十分レースで戦えるパワー。

この車、少なくとも2000年代から2010年代前半迄は、当方の地元の地区(大字での)にあった。しかし、そのことを知ったのは、オーナーが既に売却して何年も経った後。
が、今年夏、香南市の四国自動車博物館に寄託・展示されていた。やはり、市販車とは思えない独特のフォルムは見入ってしまう。
ミニカーはアシェットの1/43フェラーリ・コレクションシリーズのものと、1/62はトミカプレミアム。前者のミニカーメーカーのブランドはマカオに本社を置く中国のPCT社が展開する「イクソ」だが、中国メーカーとは思えない精巧さが魅力。

ライトカバーの接合もトロフィーのような雑さはなく、車内もメーター類やシフトレバー、センターコンソール等、非常に緻密に再現している。
本来、1/43のものを持っていれば、小さいサイズのミニカーを買う必要はないが、トミカプレミアムはそれを買う前で、且つ、トリノミュージアムに行った記念に売店で購入した。
トミカプレミアムは個人的にはトミカリミテッド(無印=商品の金型は黒箱トミカと同じ)に匹敵するミニカーであると思っており、F40もフォルム自体は1/43に引けを取らない。エンジン部が開閉するギミックもある。

1位・アルファロメオ・ジュニア・ザガート
1969年に登場したこの車は、スーパーカー・ブーム時は特に何とも思わなかった。が、何年か前、BS朝日の「昭和のクルマといつまでも」で見たことがきっかけで気になり始め、今年春、1/43のミニカーを購入したことで、「一日も早く見たい車」になった。
そこでネットで調べてみるも、中々四国周辺では見られる機会がない。しかし諦めきれなかったので、今度は車名を英語で検索してみた。すると岡山県と兵庫県の旧車による移動型ラリーイベントがヒットした。後者が前述の「コッパディ姫路」。

車名のザガートとは、車のボディ・デザインや製造を行っているイタリアのザガート社(現、SZデザイン)のこと。アルファロメオのジュニアシリーズの車をベースに、ザガートがオリジナルのボディを架装したモデルがジュニア・ザガート(JZ)。
このデザインは高く評価され、イヴサンローランが広告に起用したほど。
前期型である1300JZはエンジン形式不詳、総排気量1290cc、最高出力103ps/6000rpm、最大トルク14.0kg・m/3200 rpm。後期型は1600になる。
写真は1300。フロント部がかなり低い位置にあり、ライト周りをはっきり写るようにするには、かなりしゃがんで撮る必要があるが、これは空力学的にデザインされたボディのため。

ミニカーは「2024年購入ミニカーベスト5」と被るため、省略する。が、記事の性格上、当ブログには不向きかも知れないので、その記事の作成は不確定。
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