こんにちは!こぼうずです!
みなさんの周りには、
立ち振る舞いや仕草、行儀などが変わった人
や
感性や感覚が自分とは異質な人
はいませんか?
その理由は、生まれ育った環境が違うかもしれません。
人はそれぞれ異なる人生の物語の中で生きている。
このことを説明するために人生物語を構成する要素についてお話しています。
人生物語の構成要素
初回に世界観について、第2回は社会観について説明しました。
初回の記事はこちら↓
第2回の記事はこちら↓
今回は階層の上から3つめ。
発達環境についてお話します。(すいません。タイトルで伏せるほどでもないですよね…)
さて、当たり前ですが、人は皆違う親の元に生まれて育ち、異なる人と出会い、多様な体験をして大人になります。
自分も目の前にいる人にも、生まれてからこれまでの歴史があって今ここにいます。
子ども時代に育った環境はその人の思想・信条、観念、価値観を作る土台となります。
今回は発達環境が人生に与える影響をお話します。
発達環境が人格の土台になる
発達環境とはここでは広く定義し、子ども期(生後から18歳頃まで)に育った環境、体験したことを指します。
発達環境によって、その人の知識、思想、信条、観念、価値観等の知的な面や精神的な面の土台が出来上がります。
これは人格形成と言うこともできます。
子ども期というのは、その後の成人の時期と比較すると圧倒的に学習能力が高い時期です。
子ども期に学んだことの積み重ねによって、その人の個性というものが大方出来上がります。
この時期に望ましい学習ができれば、成人した後に役立ちますし、この時期に良くない学習をすると後に尾を引くようになります。
良く言われる例として、
親から無条件に愛され、自分の存在を認められて育った子は、自己肯定感の高い人間になる
と言われます。
反対に
親から「あなたがいなければ良かった」など、存在を否定されて育った子は自己否定的な人間になる
と言われています。
心理学でも親からの愛情が乏しいと愛着障害と言って、
他人や自分の子どもにも愛情を向けることが難しくなる傾向も指摘されています。
親との関係に限らず、
子ども時代に出会った人や体験もその人の思想信条、価値観、思考方法の土台を作る要素
になります。
勉強の面白さを教えてくれた先生、
自然好きになったキャンプの体験などが原風景として出来上がり、
自分の進路につながるなんてこともあるでしょう。
私の個人的な体験では、私は子ども頃から空手を習っていて、
それが武術や漢方、仏教など東洋思想に関心を持つきっかけになったと自覚しています。
反対に学生時代にいじめを受けた経験により、大人になってからも引っ込み思案の性格になってしまったり、
人との付き合いに自信が持てなくなったりと、ネガティブな学習もその人の人となりの構成要素となります。
発達環境によって、人は世界や社会の見方が作られていきます。
発達環境の影響力が強いのはなぜか?
発達環境が人格や人生において重要な要素になる理由は、
子どもの頃は学習能力が高い一方、認知能力は発達段階だからです。
子供どもは、
発達達段階ゆえに自分の体験や学習から早急に結論を出してしまう
傾向があるのです。
子どもは本当にすぐ何でも覚えますよね。
三つ子の魂百までと言われるほど、若ければ若いほど、そのときに身に着けたことはいつまでも残ります。
例えば、自然豊かで人同士の距離も近い田舎で育った子と大都市で育った子とでは、
生活する環境が異なるので、そこから身につけることも変わっていきます。
衣食住など自分が生まれ育った環境が、その人にとっては自分が生きる世界の「当たり前」になります。
その当たり前が、その人の世界や人間社会、物事の見方になるのですが、
客観的に見えれば、その人にとっては当たり前でもそれは絶対的な真理ではありません。
しかし、子どもの頃は認知能力が発達段階なので、自分の体験から冷静に結論を出したり、検証したりすることができません。
どういうことかというと、1回の成功体験、1回の失敗体験を、真実だ、世の中そういうものだと歪んで結論づけてしまう恐れがあるわけです。
例えば、親に勧められてサッカーのスポーツ少年団に入ったけど、あまり雰囲気がよくなくサッカーそのものが嫌いになってしまった。
子どもであればこういう経験があると思います。
大人になって冷静に客観的に考えれば、その少年団の雰囲気がたまたま良くなかったかもしれず、サッカーそのもの楽しさとは別です。
たった1回の失敗で全体の結論をつけてしまうのは早合点です。
成功体験も同じです。
たまたまサッカーの試合で上手くいったから、それが元でサッカーが好きになり、練習に身が入るようになった。
それもたまたまなんですが、そこから人生の方向性が変わってしまうということもあります。
子ども時代というのは、ありとあらゆる事象でこういった早合点的な認知が起こりますが、これは何も悪いことではなく、より多くのことを学び吸収しなければならない子ども期では仕方がないことです。
体験する→結論づける→覚えるを繰り返して、子どもというのは世界や社会、物事の見方、当たり前といったものを形成して、生き方を学んでいきます。
こうした学習の繰り返して人はそれぞれの人生物語の創っていきます。
社会情勢も人格形成に影響を与える
その人がどんな世相、どんな世の情勢の中で育ったかも、人生物語において重要な要素になります。
育った時代が違うということは、育った社会環境が変わります。
戦争中に育った人、国の経済が豊かな時代に育った人、国が貧しい中で育った人。
国の情勢が変われば、それだけ社会を担う大人に影響を与え、その大人たちに発達される子どもたちにも影響が出ます。
時代が変われば、
教育、文化、テクノロジー、社会的規範、道徳、将来の展望など社会における多様な面に変化が起き、
その時代に生まれ育った人の人格形成に影響を与えます。
そのような世代間の社会規範の違いを取り上げた「不適切にもほどがある」というテレビドラマがありました。
主人公は昭和時代から現代の令和時代にタイムスリップして、モラルの変化に困惑するという話です。
一昔前であれば、相手のためになるようにしっかりと叱ることは良いこととされていました。
しかし、今ではすぐにパワハラと非難されます。
私的にパワハラはつまるところ、
信頼関係ができていない中で相手の心情に入り込む言葉を言ってしまう。
あるいは信頼関係があると見誤ってしまう。
そういったことが要因なのだと考えています。
しかし、上の世代は同じ組織や共同体に所属しているのだから、組織の論理に従うのは当たり前だと考える。
下の世代は組織や共同体は個人の自由や権利を尊重するのが当たり前と考える。
この差は世代間で組織に対する捉え方が異なるからです。
上の世代は国や地域社会が豊かで盤石で、それに従っていれば安泰だった時代に生まれ育ちました。
一方下の世代は国や地域社会が衰退してきて、それに従っても豊かになれない、自分の幸せは自分で守らなければならない時代に育ちました。
パワハラを巡る世代間の認識の違いにはこうした背景が考えられますが、ハラスメントに限らず
一般常識というのは若い時に一度身についてしまうと固定化し、修正するのが難しくなります。
アルベルト・アインシュタインも「常識とは18歳までに身に着けた偏見の集まり」という言葉を残しています。
私たちは発達環境の中で身につけた、常識、価値観、思想、信条、善悪といったフィルターを通じて世界や社会を見ています。
そのフィルターが人それぞれの人生物語の構成要素というわけです。
まとめ
今回は人生物語を構成する要素である「発達環境」についてお話しました。
・発達環境とは子ども期(生後から18歳頃まで)に育った環境や体験のこと
・一人ひとり発達環境は異なる
・発達環境によって思想、信条、観念、価値観など人格が作られる。
・子どもは体験から早急に結論を出してしまう
・人は自分の人格を通じて世界や社会を見ている
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