第26回関東中学高校女子ラクロスリーグ戦#最終日の詳報②☆☆☆優勝は、、、 | 鼓舞 平(こぶ平)のラクロス応援チャンネル

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第26回関東中学高校女子ラクロスリーグ戦は6月22日のファイナルをもって終了した。

リーグ全体の振り返りは別途実施するが、今回は昨日に続き決勝戦の模様を詳しくお伝えする。

☆☆☆決勝戦

☆横浜市立東高校 EastGirls(Bブロック1位)

             vs

☆日本大学高校中学 AQUA(Bブロック2位)

前にも触れたが

この両チームは今大会の予選ブロックでも戦っている。

詳しく見ると

結果はコンスタントに力を発揮した横浜東が逃げ切ったのだが

あらゆる数値が拮抗を示している

しかし、攻撃機会の創出によるショット数において差が出たことがこの差に繋がった。

日大高中の得点者に注目すると29番霜田選手が柱であり、18番の青山選手がサポートできるようだ。一方の横浜東は82番増渕選手を筆頭に、29番品田、21番日置の各選手が絡む。

と書いた。今週のラクロス。6月22日関東ティーンズカップの頂点が決まる。 | 鼓舞 平(こぶ平)のラクロス応援チャンネル (ameblo.jp)

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そして、最後の<こぶ平's Eye >で

「先ずは1Qの攻防が焦点になるだろう。」と締めくくった。

そして、結果は、、、、

 

そうなってしまった。

☆結果と考察

結果から見てみよう

予想外の結果であることは間違いない。そしてそのポイントが1Qの横浜東のハイパフォーマンスに在った事も明らかだ。

では何故このような1Q、だけではなく前半のような事が起こったのか、深堀していこう。

先ずは、オープニング

<スターター>(学年無しは高3)

 

☆横浜東高 

G7番伊藤 DF4番中西/ドロー(U18)、24番東海林、37番北川 MF21番日置(U18)、29番品田主将(U18)、82番増渕(U18) AT15番横関(U21)、71番畑中、99番古賀(U18) 

☆日本大学高中 

G83番淺海(高2) DF2番小泉、3番高野(高2)、55番笹谷 MF18番青山(U18)、29番霜田/ドロー(U18)、67番吉田(U18) AT72番マッキー(高2)、8番佐藤(高2)、10番豊田主将(U18)

<1Q>

先ずはスターターで目につくのは、横浜東は全て高校3年生に足して日大高中は2年生もゴーリーを含めて4人含まれていた。これは日大高中が中学生からの選手も多く、キャリア的には横浜東を越えるものがあり考え得るベストの先発同士が相まみえていた。

そしてドローは 横浜東 4番中西 日大高中 29番霜田 両選手だった。

最初のドローを横浜東が取ると、ポゼッションから狙い通りのFS(フリーショット)を得ると15番横関選手が決めたのが開始1分。

この後横浜東のドロー連取からの怒涛のFS3連発。反則警戒でインサイドが空いたところへの15番横関選手のブレイク。又日大高中がゴール前締めると反則を与え、1Q 5FS。それを全てゲットした横浜東が完全に主導権を握った。

<2Q以降>

「1Qあるある」のリカバリーを果たしたい日大高中は、相手のミスからのターンオーバーをファストブレイクで仕掛けたが、29番のショットが下に行ってしまいセーブされると、ターンオーバーを横浜東の82番増渕選手の確実な詰めからのスクープショットを決められ、モメンタムを獲得できず、むしろ横浜東82番増渕選手の速く献身的なプレイで横浜東が勢いづく結果となりここで勝負が決する形となった。

青真ん中82番増渕選手は前半FS4本全て決めた活躍を見せた

★予選時と何が違ったのか

データを比較するとはっきりとした違いがあるのが見てとれる。

ドローに着目して欲しい 

予選時 ドローは前半 横浜東 5対6 日大高中  

        決勝 横浜東 12対1 日大高中

元来、横浜東はあまりドローに強みを出せているチームではなかった。ドローの後のボールへの集散、グラウンドボール(GB)の強さ、ライドへの集中力でボールを取って攻撃権を奪い取れるチームだったからだ。(所謂、ラクロスで言う、トランジションの速いチームだった)

しかし、予選では優位なはずのGBも互角に進められ苦しい戦いを強いられた。逆に日大高中とすると、前半、ドローを優位に進め、GBをもう少し優位に進めて互角に戦えれば、後半に勝機は生まれるという考え方が成立する。

このような状況で迎えたこの試合の1Qで、流れを決めたのは2つのポイントがあったと考えている。

①横浜東のドローの集中・覚醒

②フリーショットに持ち込んで決する

②については、1Qのバタバタする中で、シンプルに攻めて反則を取れればそのFSを決め切るという、まったく無駄な考えをそぎ取った戦術への集中があったと見ている。

そして、そのシンプルな作戦を遂行できたのは、4番中西選手のドローコントロールだった。

★ポイント1 横浜東のドロー

準決勝を待つ間に話を聞く機会があった。 こちらかの、「東高校ってドローはそんなに強くはないよね、というかドロー確保に重きを置いていないよね?」という問いに対して「ま、結果的にはそうですよね。」というような簡単なものだったが。

予選の日大高戦から決勝トーナメント2試合。点差はどうあれ横浜東はドローに関しては五分であれば良いように見えていた。

しかし、明らかにこの試合の決勝戦は異なった。

*この試合に近いことはわずかに、2023年秋のオータムカップの 対目白研心戦の 3Qに起こった程度である。

ただそれでも得点、データ的にはドローを取る取らないにかかわらず点は取れていた。

それにも関わらず、この試合の前半はドローワー4番中西選手の見事な集中力でほぼ完ぺきなドローコントロールから、味方へ攻撃機会を与え、1Qはシンプルに6点(内5点はFS)を奪い、前半だけでFS6本全てを成功させた。

②について見事にそのFSを全て決めた15番横関、82番増渕選手のパフォーマンスも素晴らしかった。

この結果として、日大高中ゴーリー(高2)の心まで折り、最後まで走り抜けた。

★日本大学高中の誤算

再三述べてきたが、ここまでの日大高中の勝ち上がりは、非常に良いものがあった。

関東ティーンズカップラクロス#Final4進出校を紹介する① | 鼓舞 平(こぶ平)のラクロス応援チャンネル (ameblo.jp)
https://ameblo.jp/kobhey10/entry-12855863761.html
昨年秋の大会では決勝トーナメント1回戦で優勝した東京尾成徳大中高に3対14での敗戦。更に全国大会の東日本第5代表決定戦においても、桐蔭学園に5対8で敗戦。

恐らく選手としては失意のどん底に居た気持ちだったであろう。しかし、そこから前を向き、体力的にも精神力的にも数段高いものに進化を

してきた。結果的に秋に大敗した、東京成徳大中高に勝ち

しかし、その中で戦術的な攻撃を駆使する相手への対応が効果的であったが故に、パワープレイ的なシンプルなラクロスへの対応に戸惑う間に、相手に得点を重ねられ、後半自分たちのペースに戻った頃には相手は届かない所にいた。

考え抜いたラクロスが、シンプルな、速い、強い、上手いラクロスに先を取られてしまった結果だった。

しかし、冒頭でも述べたように72番マッキー選手を始めゴーリーも2年生がスターターに顔をそろえて、秋に向けての良いスタートが切れたと感じている。

特にG83番淺海(高2)に申し添えておくと、1QのFSをセーブできなかった事に呵責を負う事は決してない。正直横浜東のFSがここまで上手いとはラクロス応援チャンネル的にも考えていなかった。例えば82番の増渕選手は、初速から5mで抜けて、前かがみの姿勢から、姿勢を正すと上へも打てるか前から、下の隅へ、あるいはゴーリーの股間へバウンド、一歩遅らせて左右に散らす等々ができており、それは決めるべくして決められたものだった。

青左端横浜東82番増渕選手

秋にはそのショットをも止める、さらに進化したゴーリーになってチームを救えるようになって欲しい。

☆こぶ平's Eye

今回の決勝戦のコラムを書くにあたり、最も強く感じたことは

「日本一ラクロスが好きで、楽しんでいるチームが優勝した。」という事だ。

勿論、他のチームもラクロスを楽しみ好きだという事は感じて、承知もしているが、その気持ちが「半端ない」のがEast Girlsだと思う。いつも、クロスにボールを入れてくるくる回している姿は「クロスが、ボールが友達」という サッカーアニメの「キャプテン翼」の大空翼を思い浮かべさせるようなチームが、ここにあり、優勝をしたという事。

彼女たちは、高校からラクロスを始めて、2年半。そして大学チームをも凌ぐようなチーム力を育んだ。

全国の高校だけでなく、ジュニア、大学ラクロスの選手に申し上げたい。「楽しみながら、ラクロスを追求すれば、進化は加速する事を彼女たちは示しているんだ。」と。

 

横浜市立東高校の春の大会優勝は2017年以来の事のようだ。其の年に優勝したチームにいた選手は、大学に進み大学選手権でも優勝をしている。

横浜東高のみならず全てのティーンズ、特に高3生の選手の皆さん、ラクロス続けてください。オリンピックにだって行けるのですから。

優勝 横浜市立東高校

準優勝 日本大学高校中学

そしてMVPは

この試合ドロー圧倒で勝利の機会を創出し続けたDF4番中西選手

VPは

厳しい準決勝の戦いで、得点を重ねて復活のリードを取り、この試合も得点を重ねた29番霜田選手

にVASALLO製品が贈られた。

☆トリビア1

DFのドロワーは珍しいが、この成功を見ると何故ドロワーにDFを使わないの?と思ったりもした。DFが完全にドローをコントロールすれば必然攻撃の6人は前でボールを受ける立場に回れるのでトランジションが速くなりそうだ。

☆トリビア2

高校の選手の多くは腕に、決意や目標を書き込むケースは多い。横浜東高の選手も皆書き込んでいた。しかし、横浜東高のキャプテン品田茉帆選手は足にも

実った思い。このサインが1っ歩先に走らせたのかなぁ!!

☆トリビア3

閉会式で、ティーンズから夏に行われる女子U20世界選手権の日本代表に選出された都立飛鳥高校3年 人見リカ さんの紹介もされた。

ティーンズラクロス代表として世界に羽ばたいて欲しい。

 

以上 関東ティーンズカップラクロス決勝戦詳報でした