3月までの間に、ラクロスの全日本選手権大会が3回あることはご存じだろうか?
①日清食品presents第33回ラクロス全日本選手権大会A1
1月14日(日) @横浜スタジアム
②第2回全日本大学新人選手権大会
3/15(金)~3/17(日)
@岡山県・美作市総合運動公園ラグビーサッカー場
③第15回全日本中学高校女子ラクロス選手権大会
3月29日(金)1回戦
30日(土)準決勝 順位決定トーナメント
31日決勝 順位決定戦
これらの全日本選手権に向けてシリーズでお伝えしていくコラム。今回は全日本中学高校女子ラクロス選手権大会(全中高ラクロス)残り一つの出場枠に賭ける女子の戦いの詳細を語る。
1月8日(日)に開催された全中高ラクロス、第5代表決定戦予備戦(関東1部6位決定戦)について。
1)大妻多摩中学高校vs日本大学高校中学
両チームは昨年度の全日本選手権の参加校であり、多くの全国大会経験者が残るチームの対決となった。
大妻多摩は12番長崎選手を始めとする突破力のある1オン1攻撃を主とするチームだが、日大高中はポゼッションからパスを回して数的優位を作るような形で、試合をコントロールしながら質の高いショットで得点を重ねるようなチームと対照的なチームの戦いであり、焦点は、大妻多摩の1オン1をどう日大高中が防ぎ、チャンスをモノにするかだと考えていた。
大妻多摩中高KOTACKERSと日大高中AQUA
しかし展開は異なった。
大妻多摩は固さがあったか、ポイントでパスミスを犯しそれをことごとくリカバリーされ攻撃の機会を創出することができないまま前半を終える形となった。
日大高中は、中盤のライドも冴えて、ブレイクから10番豊田選手のダッチを入れてのインサイドブレイク、72番マッキー選手が高さを生かしたショットとファストブレイクをロングドライブで決め切る、進化した姿で連続得点を演じた。
3Q以降ようやくエンジンのかかった大妻多摩の1オン1攻撃。12番長崎選手、11番吉村選手に中学3年33番太田選手がらしさを見せ得点したが、日大高中も10番富田選手のみならず、18番青山選手、29番霜田選手の強さも出て、得点を重ね勝ち切った。
相手のターンオーバーを攻撃に変えたのが日大高中であり、数字にはないミスのリカバリーにおいても日大中高が大きく上回っていた試合だった。
☆こぶ平’s Eye
グラウンドボールの強さ、ライドの粘り強さは日大高中らしさを取り戻してきた感があり、加えてパワフルさも進化させてきた。オータムカップからの進化には注目すべきだろう。
大妻多摩の1オン1力はやはり見るべきものが多かったが、ライドの強い相手に対するクリアの戦術の数を増やすとともに、グラウンドボールの確保、その方法に関してもっと研究と練習が必要なな感がある。
しかし、1オン1の推進力は大学に進んで磨かれれば大きく伸びる物を感じた。大妻多摩の新高校3年生はこの試合で高校ラクロスからの卒業だと聞いたが、是非進学をしてそのラクロス力を磨いて欲しい。
大妻多摩KOTACKERS2023
2)埼玉県立伊奈学園総合高校vs桐蔭学園高校
オータムカップ決勝トーナメントではともに悔しい負け方をしたチームであり、全員が動き粘りある攻守をする似たタイプのチームだけに拮抗した接戦になることが予想された。
伊奈学園総合高校と桐蔭学園高校
しかし結果は
STATSも先に掲載する
桐蔭学園が強かなライドとグラウンドボール処理で伊奈学園を制してターンオーバー合戦を終始リカバリーする形で完結し数多い攻撃権獲得に繋げたて勝利した。
☆こぶ平’s Eye
桐蔭学園はオータムカップから、個々の推進力において従来の桐蔭学園にない進化を示したように見えた。それを示したのは98番秋月選手であろう。又チームをリードした14番渡邊選手もその動きに進化が見られた。
伊奈学園はショットの正確さには見るべきものがあり、攻撃機会の創出面で課題を残したと言える。ドローのビハインドも許容範囲でありCTOも多く取れているが最終的に桐蔭学園に攻撃権を与えている。強いライドに対してどのような戦術で対抗するのか?89%とかなり偏った腰より下へのショットと合わせて春のリーグ戦に向けた課題が見えた試合だった。
【ティーンズの脚下ショット】
今回の4チームで脚下ショットの割合が低く(勝手に)理想と考えるチームは桐蔭学園だけだった。これが高得点に繋がったかどうか決めつけるのは早計だが、特に高かった伊奈学園は脚下ショットの決定率が非常に悪い。桐蔭学園も上へのショットよりも低くなっている。大妻多摩中高、日大高中は脚下ショット率は高いが、脚下ショット決定率は低くなかった。これは何故なのか?高校生の場合は特にゴーリーの力に依存する割合が多いからだと考えている。ある意味、普通は下ばかりにショットを打っても決まってしまう。ところが、良いゴーリーに出会うと脚下ショットは決まりにくくなる。シューターの姿勢等からシュートが下にしか来なさそうだという事が判断できると考えられる。
自チームのゴーリーとよく話し合う事もお勧めする。
先に提示した通り、クラブチャンピオンのNeOのSTATSでは脚下ショットの決定率は高かった。それは狙って隅に打ち分けられているからであり、ショットの上下の割合は理想的だ。
ショットに関してはしっかりと打ち分ける余裕も必要だろう。
結果的に3月17日に行われる東日本第5代表決定戦へは日本大学高校中学と桐蔭学園高校。そして既に決定していたオータムカップ2部優勝の都立小石川中等教育校の3チームが進出。残り一つの座を賭けて戦うことが決まった。
次回以降既に決定した出場校の紹介等をしていく。
以上 全日本中学高校女子ラクロス選手権大会への道 について
でした。
やっぱりラクロスは面白い!!
こぶ平